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※これはワイテルズ様の二次創作です本人様とは一切関係はございません
ご本人様と口調が違うかもしれませんがご了承ください
「死にた」
暗い暗い森の奥にある廃屋の中で赤色の彼はそう呟いた
「生きたくない」
何もかもを諦めたかのような瞳の中で彼は何かを見つめていた
「辛いだるい」
彼の見つめる先には何も無かった
「なんで産まれてきたんだろ」
ただそれでも彼は森の中でそう言い続ける
そうしたら誰かが自分を助けてくれるはず
彼はずっとそう願っている
どこからか鳥の鳴き声がする
うるさいな…
もう少しだけ寝かせてくれよ…
そう思いながらも鳥が鳴き止むはずもなく
ずっと僕を起こそうと鳴いている
渋々体を起こして起きたよ〜と合図する
そうすると鳥はここに用を無くしたのか僕の傍から離れていってしまった
もう一回寝たらあの鳥はもう1回来る羽目になるのか
それは流石にあの鳥が可哀想だと思い二度寝をする気分にはなれなかった
眠い目をこすりながらさっきまで寝ていたベットを離れる
あぁ…またつまんない一日が始まるのか
ずっと同じ日
何も変わらない風景
もう何百年も前に飽きてしまった
「なんで僕は不老不死になりたいって願っちゃったのかなぁ…」
僕は子供の頃
遊び半分で不老不死になりたい!と言ってしまった
それを真に受けた馬鹿な神様とやらは僕を不老不死にした
「はぁ…死にたい」
僕の体は18歳になった瞬間成長が止まった
もう何百年も何千年も生きているのに人が変わっても街が変わっても世界が変わっても僕の姿だけは一生変わらない
どうせならピチピチの5歳で止まりたかったなぁ
「…」
暇だなぁ…
「街にでも行こうかなぁ。でも300年前に行ったばっかだしまだ噂とかがあるかもしれないからねぇ。そーいえばあの時の肉屋さんの店主いい人だったなぁ…」
もう死んでるんだろうけど
「死にたい」
ふとそんな言葉を行ってみる
この言葉は魔法だ
呟くだけで物語では主人公が助けに来てくれる
どうしたの?って言いながら
「あはは…」
そんなわけないじゃん
何年、何十年、何百年
この言葉を呟いてると思ってんの?
「早く来てくんなーい?正義のヒーローさーん。僕はここに居るよ。ずっとずっとここで待ってるよ」
と言っても誰も来てくれるはずもなく…
ひまだな…
「うわぁぁぁぁぁああああ」
何となく叫んでみる
「助けてぇぇぇぇ!ここにいると死んじゃうよぉぉおおお!」
その声はやまびこのようにこだまする
そしてシーンと静まる
あーぁ柄にもないことしたなぁ
こんな発作が起きるから僕はこんな山奥に住もうって決めたんだよね
街だとずっと生きてるなんて怖がられちゃうし
何より心配されちゃうしね
こんな若いのに大丈夫?って
お節介な人はいつの時代も居るものね〜
「はァァ…」
つまんない
あまりにもつまらないよ
何もしても体験したことばっかで面白くないんだ
何をしても新鮮に感じないんだ
何をしてもどんなに難しいことでも最初は難しいけど最終的にはつまらなくなるんだ
僕には時間がありすぎる
まるで終わらない牢獄みたいな…
どこぞの小説にありそうだなって思いながら鼻で笑う
「神さま〜つまんないよ〜僕を殺してよ〜」
「輪廻転生だってしなくてもいいし、一生地獄でもいいからー」
「一生は嫌だな…しばらくの間地獄でもいいからー」
なんて言っても誰も返答してくれない
「暇だな…」
そんな時急に僕を起こした鳥が近づいてきた
「えぇ〜何〜?君が話し相手になってくれるのー?確かに僕は死なないけど君とは元々の種族も違うし言語も違うから話せないよー?」
なんて冗談を言うと鳥は僕の家の入り口を指した
あれは…
街の子供かな?
1、2、3、4、5
迷子?
けど見た目は僕と同じぐらいかな?
16〜18の若造とみた!
けどなんでこんな廃屋に?
んまぁいいや
遊び相手ぐらいにはなるかな
今日は案外楽しい日になりそうだ
そう思い鼻歌を歌いながら扉に近づく
扉を開けるとそこにいたのは僕より少し小柄な5人
「あ、え?!」
僕が出てきたのが予想外なのかパンダのフードを被った子が大きな声を出す
「えっと…こんにちは!」
どんなときでも挨拶を欠かせないいい子だなぁ
その子の挨拶の後に、こんにちは、とほかの4人が口にした
「こんにちは〜君たちはどうしてここに来たの?」
「あ〜えっと」
パンダのフードの子が先程のはっきりとした口調とは違いモゴモゴと口ごもっていた
「nakamu俺たちが言うから大丈夫」
金髪の彼がパンダの子にそう言った
どうやらnakamuくんと言うらしい
「けど、きりやん!」
金髪の彼はきりやんくんね
なんか言いにくそうだなぁ…
絶対長くなるよな
「うーんそれ長くなりそうだね」
「とりあえず入って入ってー中でゆっくり話をしよう」
そう言うと彼らは怪しみながらも他に行く宛てはなかった様で渋々僕の家に入る
とりあえずリビングがいいよね
そう思い彼らをリビングに案内する
「はいここがリビングゆっくりくつろいで〜」
「くつろいで、って言われてもな…」
きりやんと呼ばれた子がそう口にする
うんまぁ、僕掃除はちょっと苦手なんだよね
「くつろぐスペースは頑張れば作れるよ!」
「いやくつろぐスペースは頑張って作るもんじゃないから」
と黒髪の青い目をした彼はそう言った
「とりあえず座って座って〜」
そう言うと彼等なりに頑張って座るスペースを探して座り始める
「うーん、自己紹介とかして欲しいかな」
「はい!俺の名前は」
「待て、まず俺たちの名前を聞くよりアンタが名乗るべきじゃないか?それとなぜこんな所に住んでいるのか」
大人しそうな紫の目をした彼は冷酷に僕を見つめてそう言う
この子警戒心強いな
しかもちゃんとしてる
「そーだね!僕の名前は…」
えっと
うーんと
…
あんまり人と話してないもんだから忘れちゃったな…
けどそんな事言ったら明らか様不審者だよねぇ
別に不審者呼ばわりされてもいいんだけど街の人とかに言いふらされたら瞬間…
背筋が凍る
「お前の名前は?」
彼の冷たい目が僕を見つめる
言わなきゃ
何か言わなきゃ!
「broooock!」
思わずそんな名前を言ってしまった
ぶるーくってなんだよ
確かにそんな英語あったような気がするけど
なんでブルークなんだ
と余りのおかしさに自問自答してしまう
「ほーん」
「んでなんでこんな所に住んでるんだ?」
上手いな
この子
会話を自分のペースにしてる
それは彼なりのマイペースさがあってこそなんだけど
「お金が無くてさ〜」
「あっそうなんですね」
とnakamuくんが相槌を打ってくれる
「お金が無くても街に住めるだろ。しかもなんでこんな森の奥?リビングを見た感じ必要最低限は揃っている。買うお金はあるだろ」
うーん
まぁそうだよね
ここには僕のガラクタがいっぱいだ
暇だから作ったぬいぐるみ、ソファー、椅子、机、研究の書類、実験用具、刀、クナイ、ナイフ、家電製品
必要最低限以上のものがここにある
「親戚から貰ったんだよ」
「どこに実験用具あげる奴居るんだ?刀やらクナイやら物騒なものまであるじゃねぇか」
「あぁそれはねぇ」
なんて言うのが正解?
僕不老不死でーなんてことバカ正直に話すわけにもいかないし
それにこの子の性格からして非現実的なことは信じないだろう
「おいスマイル!家に入れてもらってる分際で質問詰めは良くないだろ!」
nakamuくんがそう言ってくれた
助かったァァ
nakamuくん様々だね
「けど」
「すいませんブルークさん!」
そう言ってnakamuくんが頭を下げる
「大丈夫だよ〜」
「けど、僕も名前言ったから君らの名前も聞きたいな」
「俺nakamuって言います」
「シャークん」
くまが深いなシャークんくん
シャークんくん?
なんかくんがいっぱい
と一人で爆笑してしまう
「きんときです!」
青い目の子はきんとき君か!
髪型は七三?三七?
「スマイル」
「きりやん」
スマイルくんきりやんくんシャークんくんは警戒中と
nakamuくんもちょっと警戒してるかな
きんときくんはあんまり警戒してないっぽい
「んでなんでこんなところにみんなは来たの?」
「それは…」
「nakamu!話していい相手なのか?!」
きりやんくんがnakamuくんの言葉をさえぎった
「けどそこまで悪い人じゃなさそうだし」
「けどぶるーくもなんでここに居るか話せないんだよな?」
スマイルくんがそう聞いてくる
「まぁねー」
「俺たちが話したら話してくれますか?」
nakamuくんが真剣な目で僕を見てくる
「うん、いいよ」
嫌だけど!
全然嫌!
だって信じてくれないじゃん!
心の中で喚いても意味が無いことは分かってる
そうこうしているうちにnakamuくんが話し始めた
「俺達は孤児なんです。親に捨てられました」
「それで街からも追い出されて行くあてがなかったらところにこんな噂を耳にしたんです。」
「森の奥に廃屋があるそこは呪われていて住んだものを殺してしまう」
「正直俺たちからしたらそんな噂はどうでもよかった。住む場所さえあれば」
「だからここに来ました」
そーいえば僕が住む前もそんな噂があったなぁ
噂は永遠と語り継がれるって訳か
意味もないのに
何かを語り継がないと気が済まないのか
「なるほどね」
「あんたは?」
「スマイルくん僕に興味津々だねぇ」
「俺らも話したからアンタも話す。それが常識だろ」
「常識か…」
それは常識なのか?
こんな警戒心の強い子こんな時代にいたんだなぁ
「僕はね何年も何十年も何千年も前に生まれたんだ」
「え?」
5人が目を丸くする
「子供の時大人になんてなってやるかー!って叫んでさ」
思わず笑ってしまった
「そしたら神様が願いを聞いてくれたの」
「そして今。ここにあるもの全部が僕の手作りだよ」
「ずっとずぅっとひまでさ。暇だからこれらを作った、けどさ何をしても飽きちゃうんだよね〜」
と笑いながら言う
「そう、なんですか、」
なんとも痛々しいやつを見るような可哀想な奴と哀れんでいるような目をしていた
「ホントだってー」
「一緒に住んでみる?」
思わずそう聞いてしまった
何、言ってんだ僕
一緒に住んだらダメじゃん
ダメなんだよ
ダメなんだって!
「いいんですか?!」
僕の思いとは裏腹にnakamuくんが喜んで食いつく
「いいよいいよ好きな部屋使っていいし、その代わり掃除とか手伝ってねー」
「はい!もちろんです!ありがとうございます!」
「いいよいいよ暇だったし」
はぁ…
まぁいいっか
大丈夫大丈夫
僕なら大丈夫
上手くやれる
それから僕と彼らの日々が始まった
「え、ブルークさんこの家食材ないんですか?」
ときりやんくんが聞いてくる
「無いよーん僕無くても生きていけるから」
「ブルークさんブルークさん」
とシャークんくんが僕を呼ぶ
「なーにー?」
「ここ運動するスペースとかねぇの?」
「僕はなくても大丈夫だからね」
「まじかァァ!」
うわ!っと誰かの叫ぶ声が聞こえてリビングを出てその場所へ向かう
「大丈夫?」
「ここ汚すぎぃ…あ、ブルークさん丁度良かった。掃除用具とかありませんか?」
「確かここに」
そう言って倉庫を漁ると壊れかけた掃除機を見つけた
「これでどう?!」
「絶対使えませんよねそれ」
「だよねぇ」
と2人で笑ってしまう
すると
「ぶるーくさん!」
突然nakamuが押し寄せてきた
「洗濯機ぶっ壊れてるんだけどどーゆこと?!」
「奇遇だなnakamu掃除機も壊れてるよ」
「何をどうしたらそーなるの?!」
「あはは、何百年も何もしてなかったからさ」
「だからって…」
2人は目を見合わせる
「もしかしてさっき言ってたこと本当なんですか?」
ときんときくんが聞いてきた
「そうだよ、まぁ一緒に住んだらわかるよ〜」
「確かに!」
「ぶるーく」
「さん」
さん付けが慣れてないのかスマイルくんが辿々しい言葉使いで話しかけてきた
「んー?」
「窓が空いてるせいでさっきから虫が入ってくるんすけど」
「そういえば!500年前壊れてそのまんまだった!」
「あー…」
とスマイルくんがnakamuくんときんときくんを見る
これは…呆れられたなぁ
心の中で笑ってしまった
「とりあえず役割分担をしよう!」
nakamuくんが僕らを集めてそう言った
「掃除班!洗濯班!料理班!」
「まず掃除はきんときと俺かな、洗濯はシャークんとブルークさん料理はきりやんとスマイル…?」
「スマイル料理出来る?」
きりやんくんが笑いながらそう言った
「人並みにはできるぞ」
「俺お前が料理してるの見た事ねぇんだけど」
「俺もしたことない」
「うぉーい!」
「じゃースマイル俺と交換する?」
ときんときくんが聞いてみる
「掃除か…」
「お前!俺と組むんだったらサボりは許さないからな!」
「nakamuと一緒かぁ…」
「とりあえず、スマイルとnakamuで掃除、俺とやんで料理、ブルークさんとシャケで洗濯でいい?」
「まぁいいんじゃないか?」
とスマイルくんが頷く
「僕も異議なーし」
「俺もいいと思う」
とシャークんが言う
「よーし料理は任せろ」
と自信満々なきりやんくん
「スマイルサボるなよ?!」
とちょっと怒り気味のnakamuくん
「料理とか久しぶりだなぁ俺できるかな」
と心配しながら少し楽しみにしているきんときくん
「けど流石に材料無しじゃ無理だ、俺ときんとき買い出し行ってくる」
「いってきまーす」
と2人が言って
「いってらっしゃーい」
と僕達が言う
あぁ…なんか
家族みたいだなぁ…
「あ!俺らも掃除用具買わねぇと!行くぞスマイル!」
とバタバタとしながらnakamuくんが急に準備を始める
「おい!待てnakamu!」
そんな言葉を待つはずもなくnakamuくんは家を飛び出して行った
「いってきまーす!」
スマイルくんはnakamuくんを追って出ていった
「いってきます」
一気に4人が出ていったせいか部屋の中は静まり返った
「僕らも洗濯機とか壊れてるし買い物行く?」
「あ〜そうしますか」
「それじゃ!Let’s go」
そう言って僕とシャークんも家を出た
300年振りの買い物だ
楽しみだなぁ…
To be continued…