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🧡💙〜好きって言って?〜
渡辺side
「しょっぴー、俺のこと好き?」
「………そうじゃなかったら、体許したりなんかしない」
「……好きって言ってくれへん?」
最近、少し聞かれることが増えたこの質問
康二が、好きのたった二文字を求めていることはわかってて
それでも、恥ずかしさと怖さとで、俺の口から言葉として出ていくことはなくて
ぎゅっと康二の手を握る
「………わかってるだろ」
「わかっとるけど、そうやなくて」
寂しそうな色が瞳を染める
「……………」
「しょっぴーはさ、俺には、ちゃんと好きって言ってって言うやん?それはなんでなん?」
「………言ってもらえないと不安になるから」
「俺かて、そうやとは思わへんの?」
「っ…………だって」
「なに?」
「こうじは、おれなんかと、違って、誰とでも仲良くなれるし、みんなに愛されるキャラだし」
「先に言っておくと、しょっぴーは”なんか”、じゃない。で、俺は確かに人懐こい自覚はあるし、人と仲良くなるのは得意やとは思う。けど、いっちゃん好きな人に、好きって言ってもらえへんかったら、俺の心やって寂しいまんまやねんで」
(わかってる、わかってるけど)
「…………」
「しょっぴーが、言葉にするのが苦手なんは、よぅ分かってる。特別一緒にいることとか、愛されてくれることがしょっぴーの愛情表現ってことも。でも、俺だって不安で言葉が欲しくなる時はあるねん」
「……………」
(おれだって、ちゃんと言葉にしなきゃって思ってる)
「好きって言ってや?」
「っ、………ぁ、す、……っ」
言わなきゃって思うのに口から言葉を紡げない
「…………しょっぴー」
「こー、じ」
「……………2人で会うのしばらくやめよか」
思ってもみなかった言葉に動揺する
「っ!………やだ!こーじ!」
「でも、このままじゃ俺ら本当にダメになってしまうで?」
「やだ!やだ……こーじ」
しがみつく俺の腕を優しく振り解く
「好きって言えると思ったら会いにきて」
そう言って康二は合鍵を1つテーブルの上に置いて俺の家を出て行った
「こーじ………」
それから、本当に2人で会う時間はなくなった
グループ仕事で会っても2人きりで話すことはない
日に日に食欲が落ちて、眠りも浅くなる
どれだけ康二に甘えていたのか痛感する
苦手だのなんだのという我儘も、相手がいなくては言えない
もう康二の存在が俺の中で大きくなりすぎている
楽屋で顔を伏せてうずくまっていると、隣に気配を感じる
「翔太」
「………涼太」
「大丈夫だから、飛び込んでおいで」
「っ…………うん」
もう限界だった
あの日渡された合鍵を使って康二の家に入る
康二はまだ帰ってない
康二の家には当然、康二の気配が溢れている
寂しさが一瞬で体を満たす
気づけば頬は涙で濡れている
「………こーじ」
返事をしてくれる人はいない
ソファにかけてあった康二の服を抱きしめて横になる
安心する匂いがする
ここ最近の寝不足が眠りに誘ってくる
抗えなくなって、俺は瞼を閉じた
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