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予想外の言葉に体が固まる。
涼ちゃんのことだ、
“んぁ、ごめーん…寝てた!”
…とか言って笑うと思ってたのに。
俺の聞き間違いか、、、?
「ぇっと、涼ちゃん?いま、なんて… 」
「…聞こえなかった?」
「邪魔!…って言ったんだよ。」
…じゃ、ま
頭の中で涼ちゃんが言った言葉を反芻する
なに、
なんかの冗談?
元貴とのドッキリなの…?
「な、なにいってんの!
本当に心配したんだからね…」
焦ってだした声が震える。
情けないけど、涼ちゃんがこんなこと言うなんて思ってなかったから、ドッキリだとしてもショックは消えなくて。
「…心配? 僕を?」
「え、うん…そうだよ」
「っ、はは!心配だって?」
「よく言うよ、自分が僕の負担になってるって気づいてないの?」
そう言うと涼ちゃんは、俺の襟をぐっと自分の方に引き寄せた。
そして耳元で囁くように呟く。
「どんくさい若井に教えてあげようか」
「…僕ね、涼ちゃんじゃないよ。」
「涼ちゃんの、”もう一人の人格”なの」
「は、……???」
「…えーっと、つまり何、
涼ちゃんは二重人格で、あんたは裏の方 の人格っ……てこと?」
非現実な状況に、言ってて自分で笑ってしまいそうだ。
しかし態度は嘘をついているようには見えない。 顔は涼ちゃんなのに、態度が違う。
別人と話してるみたいな…なんか不思議な感覚。
「で、…君は誰なの?」
「…名前なんて無い。そとにでるのは涼架だけだから」
「ふーん?…じゃあ普通に、藤澤って呼ぼうかな」
“涼ちゃん”なんて可愛らしい感じはしなかったから…。なんとなく苗字で呼ぶことにした。
…この状況、普通なら信じられない話だ。
一昔前の中二病かって、ツッコミたくなる
…だけど、
「女神」の裏側を知れるのか…?と、 自分のなかで好奇心がうずいてる。
結局、俺は”藤澤”の話に乗ってみることにした。
「外にでるのが涼ちゃんって言ってたけどさ…じゃあなんで今は藤澤なの?」
「……涼架はつかれたって」
「疲れた?」
「もう限界だって、なんにもみたくないしききたくないって…」
「…… ! 」
「…その顔、『悩んでるなんて知らなかった』とでも言いたそうな顔だね 」
「えっ…と、」
バチンっ
「いたっ、!?」
返答に悩んでいると、いきなりおでこに
でこぴんされた。
打たれたところがひりひり痛む。
「馬鹿だね、何にも知らないくせに。」
「涼架の為じゃなかったら…とっくに殴ってる。でこぴんで済んだのはラッキーと思えよ」
そう言い残すと、藤澤はスッと荷物をまとめてレコーディング室をでていってしまった。
その仕草もがさつな感じで別人に見える。
やっぱり本当に……、 二重人格なのか
「あ”~っ…わかんねぇよぉ…… 」
俺は仰向けにどさっと寝転がった。
涼ちゃんは二重人格だったのか?
思い悩んでたのか?
俺が… 負担になっていたのか?
思考を回せど回せど答えは出ず。
多くの疑問を抱えながら、暗いレコーディング室を後にした。