この世界には3つの性別がある。
α(アルファ)β(ベータ)Ω(オメガ)
αに生まれてきたものは皆何かしらの才能に恵まれており、社会的地位がとても高い。βはこの世界のほとんどの人間に当てはまる性別。そしてΩはαよりもさらに数が少なくこの3つの性別の中で最も社会的地位が低い。それは何故か、Ωは定期的にヒート、つまり発情期に入りαを誘惑するフェロモンを放出する。そのフェロモンに当てられたαは制御が効かなくなりΩを襲ってしまうからだ。それが嫌でΩを嫌うαもそう少なくはない。そういった理由でΩの社会的地位は未だ低いままなのである。ちなみに俺はどの性別なのかというと、Ω
そう
ーー社会的弱者であるーー
高いビルが並ぶ都会の中心のはずれで必死に走る1人の男がいた。
「ハアッハアッァどうしてこんな、、事にっ⁉︎」
男の名前はあっと。どうやら彼は買い物の途中でヒートにかかったらしく、すぐに店から飛び出したのもののタイミング悪く近くにいたαにフェロモンがあたり、現在そのα達に追いかけられていた。しかし逃げた先は行き止まりで立ち止まるしかなかった。振り返りα達の顔を見やる。完全に自我を失っており話しても意味が無さそうだった。力ずくで押し除けようにも自分よりずっと体格のいい男2人を倒せるはずがなかった。
(ここまでか、、、)
もう無理だと諦め男達の正気が戻るまで自らの体を預けようと思ったその時。
「大丈夫か⁉︎」
男達の背後から別の男が現れた。光のせいで顔はよく見えないが背丈は俺と同じか少し高いくらいだった。体格もそこまで俺と変わらない。大丈夫かなと不安になったが、体格に見合わない力で男2人をあっという間に倒してくれた。俺は呆気に取られつつも男にこう尋ねた。
「あなたは一体、、」
「ん?俺か?俺の名前は、、、、」
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