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「おーい。望雲ー?聞こえてっかー?」「あ、ごめん、ぼーっとしてたわ。」「大丈夫か?」「うん。……でなんだっけ?」「だから、来週学校の近くの神社で花火大会あるみてーなんだよ。どう?」「花火大会ね?大丈夫だけど、何時からかな?」「6時から出店で、花火が7時半から。」「じゃあ、6時集合でいいかな?」「オッケー。じゃ。」「じゃあ、また明日。」
蓮二と別れてからなんとなくスマホを取り出すと、茜さんから着信があったのでかけ直した。
「もしもし?着信があったみたいなんですけど。」[大変望雲ちゃん!!]「え?」[百々子ちゃんの事故の時のバイク運転手が、町中を逃走してるって!!!!]「はぁーーっ!?」[ってなるわよね。今、部活帰りよね?はやく家に帰るか、誰か友達の家にいれてもらえなさい!もし鉢合わせしたら、望雲ちゃんもひき殺されちゃうわよ!!!]
そう言って、スマホを耳に当てたまま蓮二の家へ走り出す。蓮二の家は走れば2分弱くらいで着くから、多分運転手に鉢合わせすることはなさそう…!
「わ、分かりましたけど、父さんとか母さんは大丈夫なんですか!?」[お父さん達にはイチバンに連絡が来たみたいなのよ。今は忙しくて連絡できそうにないから、私に頼んできたの。]「なるほどです!ありがとうございます切りますね!」[分かった。気を付けて!]「はい、はーい!」
プツリ
そんな、ウソでしょ!?
あの時警察の人の話によると、バイク運転手は懲役5年って聞いてたんだけど……
それって、脱走的なやつだよね!?
そんなことあるーっ!?
蓮二の家に入れてもらった時は、すでに汗だくの状態。
「おいおい大丈夫か?」「うん…………はぁー久しぶりに全力で走ったかも……ハァ………」「とりま警察さんが運転手押さえてくれるまで家いろよ?」「分かった……。まじ茜さんからの着信かけ直してよかった…………………。あっ、でも…!だめだ!」「は?」「今日、ピアノコンクールの練習で青野君を家に入れる予定だったんだけど…。」「えっ!?青野!?」「うん…。多分今私の家行ってる最中なんだろうけど…やばい!青野君とは連絡とってないし外行ったらバイク暴れ回ってるかもしれないし……………ど、どうしよう!?蓮二青野君の電話番号知らない!?」「悪い、俺も知らねえんだ。」「まずいって!!!!ど、どうしよう…………………!!!!!」
また同じ奴に命を奪われるような事は絶対に嫌だ!
もういい、体力も回復したし、青野君をどっかの建物に入れないと。
「お、おい!望雲、どこ行くんだよ!?」「決まってるでしょ、青野君が危険かもしれない。安全を確認するまで私だって安心できない。」
ガチャリ
「すみません、お邪魔しました!」
私は冷や汗をかいている蓮二を置いて、家を出た。