テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
881
焼き鳥うまい
6,303
223
#学パロ
まーちゃんꕤ︎︎·͜·
209
容疑者5。
烏丸蘭丸。
古びた扉が、軋みながら開く。
地面に音が響き渡った。
『ただいま~』
軽い声。
靴も脱がずに、そのまま踏み込む。
床板が、かつん、と鳴る。
『やっほ~』
『大人しくしてた?』
にんまりとした顔で言う。
留守をしていた子供に聞くような、
少し甘い声。
視線を奥へ向ける。
暗がりの中に、それがいる。
ゆっくりと歩み寄る。
かつ、かつ、と足音を響かせながら。
それは、少しだけ顔を上げた。
蘭丸に少し視線を送る程度。
蘭丸はずんずんとそれに近づく。
やがて、歩みが止まる。
月明かりだけで照らされている、
それの顔を覗き込む。
『ちょっと~?』
『僕のこと見えてる~?』
それは軽く返事した。
まるであしらうみたいに。
蘭丸は、目を細めた。
別に怒りはしない。
泣きもしない。
むしろ、少し笑みが深くなる。
遊んでるみたいに。
その反応でさえも楽しんでいた。
それがようやく蘭丸にきちんと向き合う。
それはため息1つつき、
少し尖った口調で蘭丸に何かを言う。
『なんで警戒してんのさー?』
肩をすくめる。
更に近づいた。
距離を詰める。
『ほら、力抜きなよ~』
手をぶらぶらと振って見せる。
気安い仕草。
けれど。
その目だけは、
笑っていない気がした。
これが、烏丸蘭丸の今日の様子。
怪しいか、怪しまいか。
烏丸 蘭丸の指すそれは、
晴明か、それ以外の誰かか。
コメント
1件
読み終えました。この第6話、烏丸蘭丸の登場シーン、すごく不気味で良かったです。「ただいま〜」って軽い口調で入ってくるのに、暗がりの「それ」との距離感、そして「目だけは笑っていない」という一文が一気に空気を変えましたね。遊ぶように相手を観察している余裕と、本当は何を考えているかわからない不気味さが同居していて、このキャラクターの立ち方が巧みだと思いました。「それ」が晴明なのか誰か別の存在なのか、続きでどう繋がるのか気になります。