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#シングルマザー
水羽凛
1,182
夜華!夜華!_____夜華!!
どこからか
遠くからかな?
声が聞こえるわね。
視界が徐々に明るくなった
夜華!夜華!
あら?
緋薔薇ちゃんかしら?
……んっ
緋薔薇
「夜華!!気づいたか?!」
緋薔薇ちゃんの大きな声
白い天井、見慣れたソファ
うちの家か。
夜華
「少し寝てたわ。ごめんなさいね」
上半身を起こしてみた
いててて。
緋薔薇
「無理すんなって、夜華
お前が中々、帰って来なくて心配でよ」
うん。
心配だったって言った?
嬉しいわね。
緋薔薇
「外に出てみたら嫌な予感がして
いてもたってもいられなくてさ、探し回ってたら、夜華が血の海で倒れてたから」
夜華
「運んでくれたのね。私重かったでしょ?」
緋薔薇
「_ッ
お前!ふざけんなよ!なんでさ!
なんで私を頼らない?なんで全部抱えんだよ
重かった?そりゃ重いよ!今にも死ぬんじゃないかって思った。脱力した身体重かったよ!
クソ野郎!!」
緋薔薇ちゃんは
ボロボロと大粒の涙を流しながら
話してくれた。
そうだ、
緋薔薇ちゃんはずっと
楽園の追放者を一緒に殺そう
そう言ってくれてた。
だけど___
私が断っていた。
緋薔薇ちゃんは綺麗なままでいて欲しい。
私の我儘だった。
だけどそれで、
緋薔薇ちゃんを泣かせてしまった。
「私は1人なら死んでいい」
緋薔薇
「とか思ってんだろ?!」
?!
夜華
「ばれた?」
緋薔薇
「お前の考えてる想い人ってただの
制度なだけなのか?形だけなのか?私はさ
夜華が知りたいよ。」
緋薔薇ちゃんの声が
徐々に小さくなってた。
まるで
癇癪を起こした小さな子
みたい。
だけど
癇癪を起こさせてしまった
原因を作ったのは私…..ね。
夜華
「知りたい?」
緋薔薇
「ったりめーだよ。
だって夜華さ、お前自分の素性を
一切話さねーじゃん。」
夜華
「泣き止んだ?」
____ぱちん
ッ
_____いったい
緋薔薇
「それなんだよ。誤魔化すな。
また逃げるなら、もう一発デコピンな。」
もう1回してくれる?!
緋薔薇
「おい、何考えてんだ?
目キラキラさせんなよ、私真剣なんだよ。」
そうね。
….そろそろ
話しましょうか
夜華
「何が知りたいの?」
緋薔薇
「全て」
夜華
「…欲張りね」
私の腹から血が滲んできた。
巻いてくれてる。
緋薔薇ちゃん優しいわ。
緋薔薇
「おい!腹が!」
夜華
「大丈夫よ。ちょっと棚から
救急箱だして欲しいな?」
緋薔薇
「任せろ!」
相変わらず
お利口さんの犬みたいね
緋薔薇
「夜華!これ!」
夜華
「ありがとう」
緋薔薇
「消毒するのか?」
夜華
「正解」
私は服を顎でたくしあげ
刺された箇所を丁寧に拭いた
??
夜華
「緋薔薇ちゃん?どうしたの?」
緋薔薇ちゃんの顔が真っ赤よ
夜華
「熱あるの?」
緋薔薇
「ちげえよ。」
??
夜華
「大丈夫?」
緋薔薇
「いいから早く拭け!!」
私が拭いたあと、箱から針を取った
緋薔薇
「どうすんだ?」
初めての試み、麻酔は無い。
だけど感染リスクを考えた時….
やるしかない。
緋薔薇
「お前、まさか!」
夜華
「ええ、
短刀がまっすぐめり込んだから
傷穴自体は小さい、そこを縫う。」
緋薔薇
「やめろよ。失神すんぞ」
夜華
「でも、ピアスも穴開けたりするし
放置したら穴塞ぐでしょ?それと同じよ。」
緋薔薇
「ぶっ飛びすぎだろ」
夜華
「ってか、緋薔薇ちゃん
さっきからなんで顔赤いの?」
緋薔薇
「お前、それ他の子ですんなよ」
夜華
「あ!わかった!
もしかしてぇ。おっ__」
緋薔薇
「うるさーーーーーーーーーーい!」
耳がキーンとしたわ
夜華
「ごめんごめん」
緋薔薇
「早くちくちくしながら話せ」
夜華
「はーい」
緋薔薇
「はーいて、お前さ。
いや、なんでもない。とりあえず
黒衣ってなんなんだ?」
そうねえ
緋薔薇
「いや、だってあれだろ?
店とか切り盛りしてるやつらだろ?」
私は針を構えた。
夜華
「正解。だけど惜しいわ。
正確には、日常の運営をしている
黒衣は分けると、3つのタイプがいるの。」
1.日常やインフラを整え支える黒衣
2.最高裁定者の直属黒衣
3.知識や戦闘のプロフェッショナル黒衣
緋薔薇
「難しいな」
1は言葉通り、日常に必要な支援をしてくれる
「想い人」にも恩恵があるわよ?
緋薔薇
「恩恵?」
夜華
「えぇ、
きちんと生活していたら。
朝1番に食料や割引券、
衣類や鋭利な武器を支給される」
緋薔薇
「武器?」
夜華
「そうよ?だって想い人はお互い
殺しを禁止されている訳じゃないし追放者も
いるでしょ?」
緋薔薇
「たしかに」
2は簡単。
最高裁定者を「喜ばせる」
人間の欲求の解消よね。
飲み食い。睡眠。性活。
緋薔薇
「女同士でか?」
夜華
「あら?興味が?」
緋薔薇
「ねーーーよ!」
夜華
「… 残念ね」
緋薔薇
「何がだよ!!」
夜華
「そりゃあ、
勿論。えっ_」
緋薔薇
「ストッーーーーーーープ」
あら、
面白くないわね
それより
針の痛み慣れちゃった
グサグサいけるわね
緋薔薇
「きんも。
なんで痛がらないんだよ」ウッ
夜華
「褒め言葉♡」
緋薔薇
「ぇぇ。いいから次いけよ 」
せっかちさん。
夜華
「最後はね。簡単に教えると
技術や知識、開発の天才ね。1番厄介なの」
3はあらゆる知識を蓄え、開発陣に
教える。教わった開発陣はまた新しく
発展させて最高裁定者に貢献する。
緋薔薇
「ふぅん」
でね。
戦闘が厄介。
彼女達は熟練剣闘士が3人4人がかりでも
殺せないの。
まるで
修羅が歩いてくるような
無感情な死刑執行人。
かな?
緋薔薇
「死刑執行人?」
そう。
チップはね、最高裁定者たちに筒抜け
血流や筋肉の働き、呼吸や発汗量
瞳孔の開きかた。
だから「裏切り」がばれたら
黒衣がくる。
あくまでも私の仮説ね?
でさ、
緋薔薇ちゃん………
ん?
緋薔薇ちゃ___
あれれ?気絶してる?!
私は自分の腹を見た。
縫い目から血がでていた。
あ〜。なるほど。
夜華
「緋薔薇ちゃん、迷走神経反射あるわね。」
やれやれ
無理し過ぎよ、緋薔薇ちゃん
私は自分の布団を緋薔薇ちゃんに掛けた
私自身もまだ目覚めたばかりで
少し眠たいわね。
緋薔薇ちゃん
貴女は、私が好き?
どこまで愛せるの?
体には刀傷、腹には縫い目が残っている。
私は中古品だよ?どこまで欲しい?
寝てるもんね。
今度は
自分の口から話せるといいな。
コメント
1件
いやあ、第10話、重かったですね…。緋薔薇ちゃんが「なんで私を頼らない」って涙ながらに怒るシーン、胸に来ました。ああいう「本気で心配してるからこその怒り」って、関係性が深い証拠ですよね。それに夜華が黒衣の仕組みを語り始めたところ、設定好きとしてはワクワクしました。3タイプの分類やチップによる監視システム——「世界の成り立ち」が少しずつ見えてくるのが本当に楽しい。最後、緋薔薇ちゃんが気絶してしまうオチも微笑ましくて、シリアスの中に彼女らしさが光ってました。次は夜華の口から、もっと深い話が聞けるのでしょうか…楽しみです。