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sm.side
(時間のある時推奨です…!!)
俺には好きな人がいる。初めて出会ったのは高2の春で、隣の席だった彼に声をかけられたのが俺たちの最初だった。青みがかった黒髪と泣きぼくろが特徴的なその人は一緒にいてすごく安心できる人で、初めて出会ったとは思えなくて…
そんな彼、きんときが俺の事をどう思っているのか。友人であるきりやんから言われたことがあった。
きりやんは俺の中学からの友人で、これもまた相手が話しかけてくれたことがきっかけで仲良くなった、いい意味でも悪い意味でもなんでも話せる奴だった。それはもちろん、きんときのことも例外じゃなくて
きんときに体操着を貸してもらったことや、好きな本をオススメしたこと。それから遊びに誘われたこと…。その日にあったことをまるで日記にでも書くかのように、全部話していた。
「お前それ、両想いなんじゃねーの?」
「告白しちゃえばいいのに、」
これは、そんな彼から言われた言葉だった。
「は…、?//」
きりやんの言葉が信じられなくて、思わず素っ頓狂な声が出る。両想いだなんて信じろって言われて信じる方が難しいだろうに、告白なんて絶対に無理だ。
「おれ…、こ、告白とか…….む、り…///」
そう言うときりやんは「え〜…、あると思うんだけどなぁ……」なんて言いながらも「まぁ告白するもしないもお前の自由だろ、頑張れよ」なんて言って、俺の頭を撫でてくれた。
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そんな会話をして2ヶ月ほど経ったある日の放課後、俺はきんときに告白された。一目惚れ、だったらしい。
「俺と付き合って下さい…!」
シンプルでいて真っ直ぐなその言葉は、俺の顔を紅くするには充分だったらしい。思わず顔を逸らしそうになったけど、素直に気持ちを伝えてくれたのだからと面と向かって言葉を返す
「………俺でいい、なら…///」
恥ずかしさから流石に目は合わせられなかったものの、ちゃんと気持ちを返せた自分を自分で褒めてやりたい。
その日は早速2人で帰ることになった。きんときの隣は居心地がよくて、いつもの道を歩いているはずなのに、周りの景色すら初めてのように見えた。
結局俺の家まで来てもらう事になった別れ際、きんときは「…それじゃあ、また明日」と一言言って後ろを向いた。
俺はというと、「また明日」なんて同じ言葉を繰り返しつつも、明日がある喜びを感じていた。
自室に入って一息つくと、やっと現実味を帯びてきた気がして、そのままきりやんへ連絡を入れる
『きんときと付き合うことになった、』
短いメッセージを打ち込んで送信する。既読は相変わらず早くて、すぐに返事が返ってきた。
『まじ?!おめでと!!』
『…え、待って話聞きたいそっち向かっていい?』
露骨にテンションの上がっている文面に、思わず笑いが漏れる。それから「いいよ」と一言送り返した。
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「改めて、おめでとう!!」
俺の部屋に入ってきたきりやんは、開口1番にそう言った。…実際のところ、現実味を帯びてきた、なんて言っても直接言われるとなるとやっぱりまだ恥ずかしいもので。
「…….どーも、//」
俺はきりやんに対して素っ気ない態度をとってしまった。それでも俺の理解者であるきりやんは、俺の態度に深く首を突っ込むことなく俺ときんときとの経緯を聞いてきた。
「ね、告白はどっちから…?どこで告白されたの…?!何て言われたの…?!!」
文面と変わらないテンションのきりやんは、勢いのままに色んなことを聞いてくる。俺はそれに対して、言葉を迷わせながらも1つ1つ返した。
「…….そっかぁ…。いや、俺の方まで嬉しくなっちゃって、w」
「あ、でも………」
急に言葉を詰まらせるきりやんに疑問を抱き尋ねる。
「え、な…何…….?」
その質問の答えは、俺の予想の斜め上を行くもので
「夜はどっちが下なの?」
今度は俺が言葉を詰まらせる番だった。
「は…?!// あ、ぇ…、と、///」
「……………わ、かんな…い、///」
そう答えるときりやんは続けた。
「…まぁそうだよね…、」
「でも恋人になるって事はそういう事もするって事だからさ、ちゃんと話し合えよ」
どこまでも俺の事を考えてくれているきりやんに、俺は自分の中でずっと気になっていた、とある質問をする。
「……あのさ、きりやん、//」
「その…、そういう事をする時ってさ、……告白してくれた方が上、なの…?///」
そう、行為をするにあたって上下は決まっていないと言うけれど。俺の中では、告白してくれた人が上で告白された人が下、なんていうイメージがあったのも本当で
「ん〜……、俺はどっちでもいいと思うけど…。そのために話し合えって言ったのもあるしね」
「何か悩んでるなら聞くけど…?」
頼れるその言葉に、俺は全てを打ち明ける。
「その….、俺は、告白した人が上になるものだと思ってて……、」
「…でも、その……、俺が下になる未来が見えないというか、……怖い、というか…….、」
全部をさらけ出すと、きりやんは一緒になって考えてくれた。けれど、少し考えた素振りを見せたと思うと、またしても斜め上の言葉を口にした。
「………俺でよければ試してみる?」
「………え、?」
一瞬、脳の動きが止まった気がして、何を言っているのか分からなかった。けれどすぐに理解して俺は否定の言葉を返す。
「いやいや…、それは………だめでしょ、違うじゃん、」
それでもきりやんは至って真剣で、1度言った言葉を取り消す気なんて更々無いようだった。それどころか「身をもって考えられるじゃん?」なんて言ってくる始末。
俺は思わず息を飲んだ。恋人が出来た今、そういう事を他の人とするのは良くないに決まっている。…なのに、浮かんでくる気持ちは戸惑いだけで、何故だか嫌な気は起きてこなかった。
きりやんはそんな無言の俺を肯定と捉えたのか、ゆっくりと顔を近付けてキスをしてきた。…それは触れるだけの優しいキスで。俺はもう何が正しいのか分からなかった。
「可愛い…、」
「な……んで、」
…….なんで一瞬、嬉しいなんて思ったんだろう。そんな気持ちには気付かなかった事にした。
「じゃあ、……いい?」
わざわざ聞いてくれるだけの理性は残っているのに、行動を止める理性はもうないのか、なんてどこか冷静な自分もいて。…だけど今さら否定なんて出来なくて
(…最悪、)
色んな感情が心の内に溜まっているけれど、その1つですら声に出なかった。それから俺は、きりやんに突かれながら甘い声をあげて啼いた。
「……さいてー…、」
一通り終えると心に残ったのは罪悪感だけだった。ぽつりとそう言葉を投げるけど、それはきりやんに対してと言うよりは流れに流された自分に対してだった気もする
「…俺、無理…かも、」
「………ごめん。」
きりやんとの最後はこんな形だった。
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「……あのさ、スマイル?」
「そろそろ、そういう事してもいいのかも…なんて、思うんですけど…//」
きりやんとの件から時間が経ったある日、きんときはおずおずとそんな事を口にした。俺はというと、正直いい思い出とは言えないその行為は極力したくはなかった、けれど
きんときを好きな気持ちは変わらないし、ずっと好きだった人と繋がれるならとOKを出した。
「…ね、スマイルは初めて、?」
突然飛んできたそんな言葉にドキリとした。なんと返せばいいか分からずに初めてだと答えると、「そっか」と返される。
「…….き、きんときは…、初めて、?」
恐る恐る俺が聞くと、きんときはにこりと笑って「…初めてだよ」と返した。それから数回キスを重ねて、最後に1回だけ深いキスを交わす。
「っは、…かわいい、」
言われた瞬間にぞわりと恐怖に包まれて、反射的にきんときを押し返す。
(なんで…….、)
1番そう思っているのは俺じゃなくてきんときだろ。…そう思ったけど、やっぱり恐怖心は取り払えなくて
「…ぁ、のね、きんとき…….、」
俺はきんときに全部を話した。きんときも、それを黙って聞いてくてていた、けれど
「そっか、そういう事…」
「…….大丈夫だよ、スマイル」
それだけ言うときんときは、ふと後ろを向いてぽつりと言葉を放った。その表情は見えなかったけれど、それはきっと妖しい表情だったと思う。
「スマイルの初めては俺が全部、貰ってあげるから」
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めっちゃ長くなっちゃってごめんなさい😭😭ってここに置き書きしてる分また長くなっちゃうのごめんね🥲
最後の方、ここまで長く書いたのにオチ微妙になっちゃったの本当に申し訳ない…….!!😭😭
でも(?)裏話なんだけど、knさんは昔結構遊んでたタイプでsmさんに会ってから本命として向き合ってきたからそういう関係は今はもう持ってないけど…….っていう設定も込みで書いてみたから良ければ2周目もしてみると発見あったり無かったりするかも…..!!!😌
てことでこの辺で!ほんと最後まで長くしちゃってごめんなさいでした…..、、、