初作品なので、駄作にはなりますがお許しを。
爽やかな夏の朝。
目が覚めて、何より先に目に入るのは隣で眠るあなたの顔。
あぁそうだ、私は。
ようやくあなたと結ばれたのだ。
紛れもない事実なのに、まだ夢のよう。
「……嬉しいなぁ、」
本音が口をついてでた。
貴方を起こしてしまわぬ程に、猫っ毛の短い黒髪を撫でる。
すやすやと微かな息で眠る貴方が、どうしようもなく愛おしい。
「……、またお祭りいこうね。」
昨夜の祭りの風景を思い出す。
空高く火花が昇っては華やかに散って
君の端正な横顔を照らした。
貴方が買ってくれたりんご飴がすごく甘くて
頬が溶けてしまいそうだった。
金魚すくいとか、射的とか。
かっこよかったり無邪気だったり。
まだ知らなかった貴方をたくさん見ることができた。
最後のひとつ。
一際大きく華やかな火花が宙を独り占めするかのように大きく舞った。
瞳に焼き付いたそれは、すごく綺麗で
ただただ見惚れていた。
そして、隣のあなたが
『ねぇ、……好きだよ。』
なんて、此方を向いて呟く。
胸がどくん、と大きく脈打ったのが自分でもはっきりと解った。
あまりにも儚い笑顔で言うものだから、心ごと貴方に吸い込まれてしまって。
気づけば喜の感情が頬を優しく伝っていた。
『ぇ、あれ、泣かしちゃった?ごめん、そんなつもりは……』
「違う、違うよ。……私もっ、」
「____大好き。」
華やかな火花を描く音はもう鳴っていない。
音に誤魔化されることなく貴方に真っ直ぐ届いたこの気持ちは、
貴方の目を大きく見開かせた。
『!!!……ほんと、?』
「……うん、ほんとだよ。嘘でも夢でもない。」
そう口にすると、貴方は大きな手で勢いよく抱きしめてくれた。
あたたかくて、嬉しくて。
私がずっと望んでいた結末。
こんなにも幸せでいいのだろうか。
『良かった……っ、夢みたい、嬉しい。』
「私も、っ、凄く嬉しいっ……」
蒸し暑い夜。
提灯の柔らかな灯りがそっと互いの顔を照らしていた。
昨日の風景が脳を巡る。
思い出す度、頬が紅潮する感覚がした。
夜遅いから、と泊めてくれたあなたの部屋。
その窓際。淡い白のカーテンが肩を掠める。
開け放たれた窓から外の空気をそっと吸い込めば、体の中に夏の空気。
目に入るのは
朝のうちは少し控えめな蝉の声。
鮮やかな空色。
降り注ぐ日の光。
淡い青の波によく映える入道雲。
夏。
暑いのは苦手なのに、何故こうも嫌いになれないのか。
「……貴方のせいだよ。」
綺麗も楽しいもいっぱい詰まってる。
そして貴方の笑顔がいつも以上に輝く。
夏が大好き。
コメント
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