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『 おわりましたっ』
「よし。歩きだけどいい?」
『 全然!笑』
まだ免許とってなかったんだ、深澤先生
高校の時、私たちが卒業するまでにとるって言ってたのに。笑
『 …カフェですか』
「そー!行きで見つけてさ笑」
『 入りますか』
「うん」
・
『 先生、辞めたんですよね』
「うん。」
『 理由は聞いてもいいですか』
「家庭の事情よ。今は田舎で料亭やってる」
『 えっ?!深澤先生がですか』
「うん 笑案外楽しいもん 」
『 そーですか』
深澤先生には、そんな落ち着きはなかった。
でも、家庭の事情 か。
「大人には、いろんな事情があんのよ」
『 …それ、渡辺先生も言ってました』
『 意味がわかりません。』
「〇〇ちゃんも大人になれば分かるよ。」
『 …もう大人だし、…』
「ふふっ、そろそろ行こっか笑」
『 …はい』
そりゃ、大人の事情があるのは分かるよ。
でも、”いろんな” ってなに、
渡辺先生が言ってた 大人の事情 は
深澤先生のとは違う気がする。
それから、今日1日、深澤先生にいろんな所に連れて行かされた。
クレーンゲームで腕の凄さを見せつけてきたり
何か買ってあげるってお金持ち自慢してきたし
根は変わってないんだ。笑
「そろそろなべの家戻ろっか」
『 はい』
・
「ただいまー」
自分の家じゃないのに当たり前に ただいまって家に帰っていく。
私は、そんな深澤先生に続いて
小声で
『 おじゃまします…』
と言って入った。
1日、この家で寝たからといって
慣れるわけじゃない。
「じゃ俺帰るね」
『 帰っちゃうんですか?』
「かえってほしくない?笑」
『 いや、全然っ』
「酷いなぁー笑」
「これから用事あるの」
『 そーですか、今日はありがとうございました』
「うん、また」
用事、彼女でもいるのだろうか。
そりゃ、いるよね。先生やめて料亭で働いてるんだもん、モテないはずがない
・
『 …なにしよ、』
部屋に物がない先生の家で何をすればいいの。
勝手に本読むのもあれだし…
『 あ、帰る準備しとかないと』
私は、寝室に向かった。
朝はすぐ起きて、支度をして出かけたから、
寝室を綺麗にして帰らないと。
『 なにこれ…』
コメント
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なんだ?なにがみつかった!?気になる!