テラーノベル
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藤子はゼイゼイ言いながら自分を抱き締め、とにかく落ち着こうと深呼吸をした
「あ・・・あの・・・文也君、ここで何してるの?わっ・・・忘れ物取りに来たとか?」
文也の背中を押して藤子は玄関の扉を閉めた、途端に狭い玄関口で怒りまくっている、彼に見下ろされ、気まずい空気が流れる
「ふざけてるのっっ?時計を取りに来たら別れた男が君の家にのこのこ上がり込んでいて、君に抱き着いて犯ろうとしてたんだぞっっ!!殺さないだけ良かったと思えっっ!!」
バンッと文也が壁を叩いた、藤子は一呼吸置いて言った
「なっ・・・何の連絡も無しに突然やって来たのよっっ!」
その時・・・玄関横のシューズボックスの上には、ガーベラの花束とハーゲンダッツのアイスクリームの箱が置いてあるのを発見した、文也が持ってきたの藤子への貢物だ・・・
途端に罪悪感がこみ上げてきた、たしかに信二を家にあげるべきではなかった・・・ここは彼のテリトリーで自分は彼のモノだ、それはわかっている、でもああ・・・どうしよう・・・こんなに怒っている彼は初めて見た
藤子は花束をキッチンへ持って行き、水の張った花瓶に入れ、ハーゲンダッツも冷凍庫へ入れた、たとえドロドロになっていても心を込めて食べようと思った
「あ・・・あの・・・あなたがもう少し落ち着いてくれたら、冷静に話し合えると思うわ・・・だけど暴力は―」
文也がドカッとソファーに座った
「君が六歳差の年齢を気にしているのは僕だってわかっているっ!!でもいつになったらそんなことを気にしなくなるんだっ??」
彼は藤子を怖い目で睨んでいる・・・あきらかに怒っている
「僕は待つつもりだった!君が会社では僕のことをただの仲の良い仕事仲間みたいに装っているのも、僕のマンションだと会社の誰かに見られるから、秘密のデートみたいにいつも、隠れてコソコソ君のアパートで愛を交わすことしかしないのもっ!」
文也は身振りでこの部屋をしめした
「君にとって、僕は歌麻呂や茶々丸と同じだ!君に飼いならされているペットなんだろ?でも僕はもうこそこそセックスするだけの不倫みたいな秘密の関係なんて嫌だ!!そんなに僕のことが恥ずかしいの??」
藤子があわてて言葉を探す・・・心臓がドキドキする、どうしよう・・・どうすれば彼を納得させられることが出来るだろう
「歳が離れすぎているのを意識するのは当たり前でしょう?それに・・・状況は複雑なのよ、私は神崎で立場があるわ、キャリアは捨てられないものっ!」
「僕達の仲を公表したらもっと良い毎日が過ごせるかもしれないじゃないか!僕はメビウスの経営企画部長だ、若いが社会的に地位もちゃんとあるし、君の上司に値するんだぞ!何が悪い!」
「それは分かってるつもりよ、で・・・でも私達はまだ付き合って一か月も経っていないし・・・」
藤子が必死で説得しようとする、でもどれをとっても言い訳にしか聞こえない
「時間は関係ない、それは君が一番知ってるだろう?僕達の間に流れているものを君は自分の保守的な考えで無視している!」
文也は思った、自分は気持ちを口にするのは得意ではない、コピーライターの彼女ほども、ロマンティックな語彙力も持ち合わせていない・・・しかし人生には男が言うべきことを言わなければいならない時がある!口で言っても伝わらなければ体で分からせるまでだ、彼女には自分しかいないと!!
「キャァッ!」
文也がいきなり彼女を担ぎあげて、ベッドに放りなげた
「僕にこれほど愛されているのに!君は僕のものだとまったく自覚がないっっ!」
文也はそう言いながらベッドに片膝をついて、自分のシャツを力任せに引きちぎった、シャツのボタンが飛び散る
「僕と言うものがありながら、あんな男をフラフラ家に上げるなんて、こんなことは僕は絶対に許さないっっ!」
彼は藤子に覆いかぶさり、彼女のショートパンツとTシャツをちぎれるぐらい、ひっぱって乱暴に脱がした
「文也君、やめて!」
「なぜ、やめなきゃいけないっ?」
藤子の抵抗も虚しく、あっさりピンクの貝殻のようなブラジャーとパンティもはがされ、全裸にされる
―どうしよう文也君・・・すごく怒っている、彼の体から怒りの熱気が漂ってくるまるでスーパーサイヤ人のようだ
思わず藤子は体を丸め、ベッドの隅に逃げて彼を怯えながら見つめる
文也の目が怪しく光っている、その目は怒りと情熱で燃えている、そして上半身裸でカチャカチャとベルトのバックルを外して言った
「今夜はお仕置きだよ、藤子ちゃん」
コメント
5件
あらら、65話、すごい展開でしたね…!文也くんの怒りがまっすぐで、切実で、「ペットみたい」って台詞が胸に刺さりました。藤子さんの立場もわかるだけに、二人の気持ちのすれ違いがもどかしいです。でも、ああいうぶつかり合いの先に何があるのか、すごく気になります!
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