若しも私の目の前に
無邪気な笑みが在るとして
其れ見る私の目の奥が
腐って無いとは限らんや
若しも私の耳の横
素敵なお声があるとして
其れ聞く私の耳の奥
濁って無いとは限らんや
若しも私の舌の上
美味しいお菓子が在るとして
其れ食う私の舌の奥
乾いて無いとは限らんや
若しも私の肌の側
誰かの温もり在るとして
其れ酔う私の肌の奥
死んで無いとは限らんや
若しも私の鼻の先
優しい香りが在るとして
あゝ懐かしき鼻の奥
貴方の香りがしませうや
タイトル「限りある」
僕の記憶に残りやすいのは相手の顔よりの香りだったので「限りある感覚の中でも貴方の香りだけは貴方のもの」という意味を込めて書きました
柔軟剤とか香水とか香り付きのおんなじの使ってもその人からしか出ない香りってあるよね()