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第8話 特別な存在
初めての通話から数日。
陽葵と塁は、DMだけでなく、夜に電話をすることも増えていた。
その日も、仕事を終えた塁はスマホを手に取る。
陽葵に連絡したい。
最近は、それが当たり前になっていた。
でも、毎日のように電話に誘ったら迷惑かもしれない。
そんなことを考えながら、塁はメッセージを送った。
塁「陽葵、今日も電話する?」
少しして返信が届く。
陽葵「うん!したい😊」
その一言を見た瞬間、塁は思わず笑った。
「……よかった。俺と話したいって思ってくれてるんだ」
すぐに通話をかける。
塁「もしもし」
陽葵「もしもし!今日もお疲れさま〜」
その声を聞いた瞬間、仕事で疲れていた塁の気持ちが少し軽くなる。
塁「ありがとう。陽葵の声聞いたら、なんか疲れなくなった笑」
陽葵「え〜、ほんと?笑」
塁「うん。本当に」
他愛のない話をしながら、二人は笑い合う。
塁は、ふと考えていた。
朝、目が覚めたとき。
仕事の休憩中。
帰り道。
気づけば、いつも陽葵のことを考えている。
スマホに通知が来ると、陽葵かもしれないと思ってしまう。
「俺、いつからこんなに陽葵のこと気にするようになったんだろう」
陽葵「どうしたの?急に静かになって」
塁「……いや、なんでもない」
少し迷ったあと、塁は口を開いた。
塁「今日、仕事で服を見てたんだけどさ。陽葵ならどんな服選ぶかなって思った」
陽葵「え、私のこと考えてたの?」
塁「うん。最近、よく考えるんだよね」
電話の向こうが静かになる。
陽葵「……そういうこと言われると、意識しちゃうよ」
その言葉を聞いた瞬間、塁の胸がドキッとした。
陽葵も、自分を意識してくれている。
それが嬉しくて、少しだけ安心する。
塁「俺も、陽葵にそう言われると意識する」
言ってしまったあと、塁は照れながら笑った。
本当は、もっと伝えたい。
もっと話したい。
もっと陽葵のことを知りたい。
でも、まだ二人はSNSで出会ったばかり。
焦りたくはなかった。
それでも塁は、自分の気持ちを少しずつ認め始めていた。
「俺、陽葵のこと……好きなのかもしれない」
電話を切ったあとも、塁はしばらくスマホを見つめていた。
一方、陽葵も同じようにスマホを握っていた。
胸の奥が、まだ少しだけドキドキしている。
「塁くんのこと……もっと知りたい」
まだ自分の気持ちに、はっきりと答えは出せない。
だけど、塁からの電話やメッセージを待ってしまう自分がいる。
二人にとって、お互いはもう「ただのSNSの知り合い」ではなくなっていた。
ミリス
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脳てゃ
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コメント
1件
第8話、読み終えました〜! 「最近、よく考えるんだよね」って塁くんがさらっと言ったところ、すごく良かったです。ああいう、気づいたら意識してる感じ、自然でドキドキしました。陽葵ちゃんの「意識しちゃうよ」も、その返しに照れながらも返す塁くんのやりとりが、最初の距離感のまま少しずつ近づいてる感じがして…。 お互いが「ただのSNSの知り合いじゃなくなった」って分かるラスト、すごく好きです。続きも気になります!