佐野side
俺らが起きた時には、旧校舎の廊下ではなく
暗い空間だった
だけど、何となく周りが見えた
それで少し不気味さを感じた俺は、出口がないかと歩きはじめたら
「ギャ!?」
何かを分だと思った瞬間、下から聞き覚えのある声が聞こえた
「秋雨!?」
「佐野!踏んでる踏んでる!」
「あぁ、すまねぇ」
おれは謝りながら足をどけた
「それにしても、なんだこの空間……」
「なにかに閉じ込められたみたいだな」
「嫌な予感しかしないぞ……」
そう、こういう時は大体何かある
どうやら、俺たちは担任の不幸属性が移ったみたいだった
ったく、あの野郎……
だが、今は彼を恨んでいる場合では無い
ここにとどまっていればいるほど、大変な目に巻き込まれるに違いない
「とりあえず、ここから出るぞ」
「そ、そうだな!」
あ、ダメだこいつ
完全にビビリモードになっちまった……
その時、奥から足音が聞こえた
俺らが身構えていると
「あれ、佐野くんに秋雨くんじゃん」
そんな声をかけられた
その声には、聞き覚えしかなかった
姿を見た瞬間、俺らは固まった
高い身長、ワイシャツ姿、赤い瞳、特徴的なアホ毛
「ッえ……?」
そう、そこには
前世の明晴の姿があった
秋雨side
え、なんで……
俺はその場で固まってしまった
だって、晴明が……
「どうしたの?」
いつもの笑顔で話しかけてきた
「秋雨……」
「……わかってる」
そう、わかってる
こいつは、晴明じゃない
わかってる……
だけど……
「……君ら、僕に会いたかったんじゃないの?」
「「……え」」
何で、なんで知って……
「だって、顔に出てるもの」
なんでもお見通し、そんな目で見つめてきた
「ねぇ、僕に会えて嬉しい?」
「秋雨、何もするなよ」
「……」
「秋雨?」
佐野side
「秋雨?」
「……」
名前を呼んでも反応がなかった
まさか……!
そう思った時は、もう遅かった
秋雨は偽晴明の方へ行き、こちらを振り返った
「ドウシタサノ、オマエモウレシイダロ?」
秋雨の声だったが、何かがおかしかった
「お前……秋雨に何した! 」
「何もしてないよ?」
そう言いながら笑った
その笑顔はどこか不気味で、背筋が凍った
「ねぇ、佐野くんも嬉しいでしょ?」
そう言いながら、だんだんと近づいてきた
「ッ来るな!」
「なんで?」
「ソウダゾサノ、ナンデソンナコトイウンダ?」
その言葉を聞いているうちに、段々と視界がぼやけ
弐年参組の教室が見えてきた
まずい、そう思ったが体が動かなかった
誰か……
「助けてッ……」
「佐野くんに……」
「手を出すなーー!!!」
視界が開けた時、そこには
「せい、めい……?」
「佐野くん大丈夫!?」
そう言いながら、俺の方へ来た
「なんで、お前違う教室にいて……」
「入道くんから話を聞いて入っちゃった」
「はぁ?」
なんで自分から飛び込んで
「だって、佐野くんたちが傷ついたら、僕嫌だから」
……!
「それに、今は教師でも僕の元生徒なのには変わりないからね」
……ったく
「今は立場逆だろうが」
と言い、顔面にチョップした
「痛ッ!?酷くない!?」
と、彼は少し嘆いていた
だけど、お互い霧が晴れたようだった
「いってて……」
と、存在を忘れられていた偽明が立ち上がってきた
と思った瞬間、そいつは俺に姿を変え、晴明に近づいた
「晴明、久しぶり」
「俺、めっちゃ成長したでしょ?」
「晴明!!」
俺は咄嗟に晴明の方へ走った
コメント
5件
初コメです。この作品に惚れてフォローしました‼続き待ってます。応援してます!!
今日から学校始まっちゃったよー😭 晴明のクラスみたいだったらめっちゃ楽しかったのにー……
この後何が起こるか気になります。続きすごく楽しみに待ってます。(* ˊ꒳ˋ*)