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maitake side
ポケと後処理している時にふと思った。俺は、いつも人が来ない場所で確実に殺す。人に伝えた訳でも無いし、ポケとは元々の知り合いなわけでもない。それなのに、何故ポケはこの裏路地を通りがかったのだろうか。そして、何故俺の名前を知っているのだろうか。明らかに変だ。気になって、俺はポケに尋ねた。
🍄「なぁ、ポケ」
🐷「はい?」
🍄「あのさ、ここ裏路地だと思うんだけど。なんで此処を通りかかったの?」
🐷「あー。まあ、偶然ですよ、」
🍄「いや、それとなんで俺の名前知ってんの?会ったことあったっけ?」
🐷「あ、それは……」
ポケは都合が悪そうな顔をして、黙り込んだ。長い沈黙が続く。話を続けるのが得意な俺でも、流石に気まずい。
🍄「別に言わなくてもいいけど。」
🐷「ごめんなさい、引かれてしまうと思うので言いたくないです。」
🍄「……?俺の方が引かれるような場面見られてると思うけど」
俺は自分に矜持を持っているし、恥じる様な生き方はしていないつもりだが、殺人が良くないことだとは知っている。だから、そんな場面を見ても動じないポケに、言いたくない事があると言うことに驚いた。
🐷「……。まいたけさん、引かずに聞いてくれますか?」
🍄「あ?だから、俺の方がヤバい場面見られてんだって。引くも何もねーよ。」
🐷「……、分かりました。貴方なら、ちゃんと話を聞いてくれそうだし。誰にも話した事ない、俺の過去と一緒に話します。」
心做しか、空気が重くなったな…。そんなつもりじゃなかったのだが。まあ、俺も此奴の事は気になるし、少し昔話を聞いてやろうかな。
🐷「俺、昔の事を思い出すと、気持ち悪くなってしまうんです。話が下手かもしれないし、引かれるかもしれない。それでも、聞いてくれますか。」
弱々しい声でポケが言う。さっきとは人が違うのか、と思うくらい態度が変わった。手が震えていて、泣きそうな顔で俺を見ている。そんなポケが可哀想で、ほんの少し、本当に少しだけ、可愛いな、そう思った。
🍄「いいよ、話しな?ゆっくりでいいからさ。」