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ずっと待ってました!!
「樹〜!」
今日は珍しく午前で上がれた。帰り道の途中で樹を見つけて声をかける。
「どうだった?仕事決まった?」
あの夜のことがあってから真面目に働く気にやっとなったらしい。
私は心に決めた、こいつを更生させる。
「まあ。明後日面接行く」
そうだ、面接行ってからじゃないと。それから、
「…あ、時間あるし買い物行こ」
◇◆
「ここメンズ服だけど」
「樹の服選ぶんだよ」
私たちは近くのショッピングモールに来ていた。
どれがいいかな〜。似合いそうな服を手に取っていって樹に合わせる。
「そこまでしなくても」
樹が手を前に出して止めた。
「仕事する時にちゃんとした服ないと困るでしょ?」
今着てる服は少し古い上に部屋着。身だしなみはきちんとしとかないと思って。
「樹も選んでよ。自分のなんだから」
突っ立ってぼーっと店内を眺めてる樹の腕を引っ張った。
「安ければなんでもいい」
「なんでもいいはなし。私が選んだやつ着てみてよ」
服を渡して試着室に押し込んだ。
しばらくしてカーテンが開く。
「お…おぉ……」
「それどうゆう反応?」
かっこいい、なんて口が裂けても言えない。とりあえず無難な感想を言っておく。
「似合ってる」
「ちゃんと見て言ってる?」
樹が私と視線を合わすように屈む。驚いて少し肩が跳ねた。
「っあー!似合ってるからそれ買お!早く着替えて!」
勢いよくカーテンを閉める。
待て、なんでこんな慌ててるんだよ私。
その後一緒に商品を見ながら回って、気に入ったものを何着か選んだ。結局5セット買ってしまったけど仕方ないよね!だって顔はかっこいいんだもん!!
店を出た頃にはすっかり日も沈んで夜のはじめ頃。
よし、
「今日ご飯食べてかない?」
「いいけど、お金「いいの!私が行きたいんだから」
「……分かった」
ふふふ、作戦通り。