「ねえ蘭!なに頼もっか」
「どれもおいしそうだよねぇ、コナン君は何頼む?」
女子高校生2人の黄色い声が響くここは「CafeZOO-TOO」。
なにも、新作スウィーツなるものが発売されたらしく、園子が毛利家をさそっていたらしい。
もちろん蘭は快く承諾し、コナンと小五郎を半ば強制的に連れてきた。
そう、いつもの蘭の悪い癖だ。
(蘭の奴、困ったらすぐアレだ)
怪しく笑う蘭の姿がたやすく想像できる。
一方小五郎は、なんで新作スウィーツなんざ食べにいかないといけないんだ、と愚痴を溢している。
「すみませーん」
園子が手を挙げ店員を呼んだ。
テーブルにはコールベルもあったが、きっと夢中になりすぎて、気づかなかったのだろう。
店員は一瞬動揺したが、すぐにこちらへ向かった。
「ご注文お決まりでしょうか?」
「えっと、ショートケーキ2つと、この新作のチョコケーキプリン2つお願いします!」
一度で二度美味しいチョコケーキとプリンが合わさった新感覚スウィーツだ。
「お父さん達は?」
コナンと小五郎は一生懸命思考する。
頼むものを決めていなかったのだ。
「そうだな、じゃあこのベーコンサンドウィッチで」
「ぼ、僕もそれで,,,,」
別に甘いものを食べたい気分ではなかったため、ナイス、おっちゃん、と心の中でガッツポーズをする。
しかし、そんな安心も束の間、店員の口から衝撃の言葉が飛び出す。
「すみません。7分ほど前に100個ほど用意したサンドウィッチが売りきれてしまいまして。今、材料を用意しています、本当にすみません!!」
あり得ない。
混むからと、開店後数分にここへと来たのだ。
しかし、だからといって、店員が嘘をついているわけではなさそうだった。
一同は、瞬時に店内を見回す。
その目が捉えたのは、外国人と思われる3人の男性客。
そしてそのテーブルには、山のように盛られたサンドウィッチにショートケーキが添えられていた。
「ほら、エミさんもっと食わんといかんで」
「でも、この店のサンドウィッチ、美味しいですね」
「お前ら、せっかくこの店に来たのに、なんでサンドウィッチばっか食ってるめう!」
,,,,,,かなり個性の強い人達だった。
糸目で茶髪の中性的な男性は、ショートケーキをむしゃむしゃと頬張っていた。
エミさんと呼ばれた色素の薄い男性は、緑のパーカーのフードを深く被った男性に、サンドウィッチを食わされている。
一同がぽかん、と彼らを見ているのに気づいたのか、糸目の男性は小走りでこちらへとやって来た。
「すまんなぁ、頼みすぎて。君らの頼む分無くなったとったやろ」
その見た目から放たれる怒濤の関西弁に、一同はまた固まってしまう。
男はテーブルに戻ってから、ベーコンサンドウィッチを2つ持ってやって来た。
「はい、これ。確か2つ頼んでたと思うから、君らに渡しとくな。お代はいらんから」
コナンはテーブルに戻ろうとした彼に話しかける。
「話、聞こえてたの?」
男は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに先程の笑顔へと戻り、コナンの前にしゃがんだ。
「まあ、人より少し耳がええからね」
またな、と踵を返した男に、コナンは少し身構えた。
(会話の隙が全くと言っていいほどない、アイツと話した時、寒気が止まらなかった,,,,,一体何者なんだ)
ふと、辺りを見回すと、CafeZOO-TOOは客でうまっていた。
「コナン君、ぼーっとしちゃって、どうしたの?」
「もう注文したものも来ちゃったわよ」
テーブルの上には蘭達が頼んだスウィーツが並んでいた。
「じゃあ、」
「「いただきます!」」
フォークを手にとったその時、
"きゃぁああああああああああ"
女性の悲鳴が店内にこだました,,,,,,,,,
文字数、このくらいで大丈夫でしょうか?
コメント
2件
あ、ゾムさんとエーミールさんと、オスマンさんだ.... 最高!
ほわぁぁ…最高だめぅ!