テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
めんだこ
103
#能力
めんだこ
802
ゑぬ。
217
321
……知らない匂い、知らない……
『…………誰』
「あっ起きた!」
10歳くらいだろうか、綺麗に整えれた艶々の髪、魔物の様にクリクリとしたパッチリ開いている黒目、整った顔立ち……若いな
そんな事をぼんやりと考えていると不思議そうな表情をした少女がグイッと顔を近付ける
「ねぇ、大丈夫?」
『……』
一瞬、どう話したら良いのか分からなくなってしまった
縄張りにズケズケ入って来るような無礼者じゃない、てかそれ以外の人間が居なかった
あのきんぱつ……の男はどちらかと言えば警戒心が買ったからな
この状況、なんなら助けてくれたのではないのだろうか
『……(助けてくれて)ありがとう』
「わわっ、喋った」
ニッコリと明るく笑ったその子はハッと何かを思い出したようにドタドタと足音を立てながら下の階へ降りて行った
『……』
分からない、そもそも何故私はここに居るのだろうか……何故あの子供は私を助けたんだ
……これ以上考えるのは辞めよう
今だに痛い傷にイライラしていると下から音がした
『……』
ジッと、見る
「こっちこっち!」
「……ム?」
あの子供が来た、そして隣に居るのは……父親か?かなり鍛えている様に見える、丸刈りで垂れ目、身長は178㌢くらいだろう
敵意は無さそうだ、悪意も……無い。
「あぁ目が覚めたんだね。」
おっとりとしている様に見える、ただ何だか……興奮した猪の様だ
本人は真顔のつもりなのだろうが口角がニヤけている
「それで聞きたいんだが「お腹空いた?大丈夫?」
わざとだろう
子供は父親の言葉を遮り私に話しかけている
『あぁ、特に……問題は無いが』
一応答えた、だが駄目だ、父親らしき人物の視線が強過ぎる
ソッ……と目を逸らす
『……名前は……?』
何だか気まずくなり自分から話題を振ってみる
「エブリン!」
元気よく答えニコニコと笑っている
『エブリン……そうか、私はアイリーンだ』
その様子を見ていると何だか和んでしまう、警戒は解かないが。
「あいりーん、……お姉ちゃんって呼んでも良い?」
おずおずと聞いてきた、お姉ちゃん……家族、いや、渾名か
『も
断ろうとした、ただ声を発した瞬間、先程までニチャニチャしていた子供の父親が突然怒鳴った
子供は怯えポロポロと涙が頬を伝う
「ご、ごめんッなさい」
声は震え過呼吸になっている
「……思い出させるな」
そう言い残し父親は何処かに行ってしまった
『……エブリン?』
「ッ」
ギュッと小さな手で私の服の裾を掴む
しばらく考えてから少女を抱き上げ膝に乗せる
右腕に布が擦れて痛いし腹も痛い
「ッ……」
ぎゅぅ、と強く抱き締められる
『ッッッッ』
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
クソ痛い
まさかこんなに痛いとは、傷の治りが思ったより遅い、しかも抱き締められて腹のアザが刺激される
クソッ、何でこんなに傷の治りが遅いんだ!!!!!!!!
1人で表情一つ変えず痛みに耐え脳内では発狂していると少女が顔を上げる
「ごべんなざい」
『……私は君の父親じゃないぞ?』
少し落ち着いたのだろう、過呼吸が収まっている
『…』
「エブリン!」
慌ただしい足音がしたかと思えば 女性の声、声のした方向を見ると母親なのだろう、心配そうな声で少女に声を掛ける
「……わたしっ」
「良いのよ、貴方は悪くない、悪いのはエルフ族なんだから、お父さんはエルフ族のせいで気が立ってるだけなの……あの時、きっとエルフ族が何かしたんだわ」
母親はグッと、必死に涙を堪えているのかプルプルと目が痙攣している
そこでようやく私の存在に気付いたのか軽く目を見開き、何故か申し訳なさそうな表情をする
「ごめんなさいね……、えっと、貴方は国王様の記念すべき子供の誕生のフィナーレで倒れていて……『説明しなくても大体分かる』……そう」
にしても国王の子供、後継か……私の方は村長の子供が生まれた時は皆で贈り物をしていたな
懐かしんでいたが少女の小さな泣き声で ハッ、と我に帰る。
そこで今やっと、何故、父親は突然激昂したのだろうかと言う疑問が浮かんだ
母親の反応を見るに私が知っている常識と同じなのは分かった、国によって常識がかなり違うからな……
にしても、あの父親短気なのだろうか?
私の父上は中々スパルタだった、絶対に敵に回してはいけない竜と戦わせるくらいなんだから
……父親って、こんなにも違いがあるのか
ジンッと頬の傷跡が痛んだ気がした
……知ってる、他所の家庭に口を出す権利は無い、しかも私は今日会ったばかりだ、……そうだ会ったばかりなんだから……
「お前は良いよなァ”!呑気に遊んでられるんだから!俺は森を出て行く!弟とな!2度と戻らない、こんな場所!!!!」
……兄達が出て行かなければ、きっと、父上も……
結局、昔みたいな関係には戻れなれなかったな
『……よし』
家族がバラバラだと駄目だ、あんなんじゃ絶対駄目だ、なってはいけない
同情に近い感情、そして何とかしなければ、と思ってしまう
『……礼だ』
「?」
『これは礼だ、エブリン』
スゥッと息を吸う
『私はエブリンの父親を正常に戻せるかもしれない、もしかしたら何かしらの毒草や呪いの影響を受けているかもしれないからな』
母親の言っていた事を聞くに多分、何かしらの影響を受けているのだろう、多分
「……え」
『私はこれでも植物については詳しいんだ、呪いはあまり……だが』
少ししどろもどろになる、大丈夫、少なくとも多少の説得力は……ある筈
ジッ、としばらく私の目を見てから少女が口を開く
「治せるの?」
とても真っ直ぐで、綺麗な瞳だった
コメント
1件
うわっ…第4話、めっちゃ切なくて胸がギュッてなったよ😭💔 エブリンちゃん、お父さんに怒鳴られて怯えてる姿がもう可哀想で…でもアイリーンが抱きしめてあげてて、そこはちょっとホッとした🥺 「やばいやばい」って内心パニックになりながらもちゃんと優しくするアイリーン、好きすぎる!! お父さんの怒りの原因にエルフ族が絡んでるっぽいのも気になる〜。続きが待ち遠しいよ!!🌸✨