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「もしもし、幼児愛好家さん」
【はいはい、どうも。幼児愛好家です。…幼児愛好家言うなよ。せめてロリコンって言ってくれよ】
「はぁ…どっかのロリコンが勝手に応募したにじさんじ…受かってるんだけど?」
【含みがあるような…まぁ、良かったじゃん。俺と仕事できるよ】
「剣ちゃんと仕事したら死にそう」
【すっごい失礼…まぁいいや、琥珀が落ちるわけないから。俺だってお前のことを絶賛してたんだから。俺とお前の会話とか、動画隠し撮りとかしてたから、最終試験の面接もなかったでしょ】
「何してくれてんだよ…ていうかいま、当たり前のように隠し撮りって言ったよな。…はぁ。まぁいいか。ねぇ、一緒ににじさんじ本社に来てよ。わかんないから。日にちは暇なとき教えてくれたらそうやって連絡するから」
【うーん…一応来週の25日なら空いてるけど…】
「わかった。じゃ、またね」
【え、あ、うん…】
…何だあいつ。
「はぁ…風呂入って寝よう」
サザッ…ザーザー、ザザッ
「なに…? ここ…」
ここは一体?
見覚えのある駅。聞き覚えのある音。そして…見覚えのある顔。
「…@#…?ね、ぇ…どうして…」
「あ! 来てくれてありがとう!」
そう言って笑った親友と共に嫌な記憶が脳裏に走る。
「あ…あ…!」
ザザッーザーザッ…ザーザー
『来てくれてありがとう!』
あぁ…。やめて…。
『俺と友達になってくれてありがとう! 親友!』
俺もだよ。人生で初めてできた友達。…だから、だから!
『大好きだよ…琥珀…』
いなくならないでよ…。
ヴーヴー
うるさい電話の音で起きた。
汗だくで気持ち悪い。
「…夢見が悪いな…」
そういいながらもスマホを手に取った。
「…もしもし」
【あ! やっと起きた…】
「…寝てた」
【うん。知ってる。あ、そうだ、今から向かうね】
「…ん。風呂入ってくる」
【いってらっしゃい】
「いつも通り合鍵で入ってね」
そう言って通話を切った。
「…今日だっけ。にじさんじ本社に行くの」
剣ちゃんは今から家出るって…さっさと入ろう。