さてどうしたものか。
急に寝た。
この突然の沈没、おそらく本人も寝ようと思っていなかっただろう。
🖤「無理して飲んでたのかなぁ」
阿部ちゃんの家がわからないから、とりあえずタクシーを呼んで俺の家に連れ帰った。
ベッドに降ろして服を緩め、ペットボトルの水を持ってきたら阿部ちゃんの目が開いた。
💚「ここどこ?」
🖤「俺の家。阿部ちゃん寝ちゃったから。ちょっと飲みすぎたね」
💚「ほんとに?ごめんね、もう少し横になっててもいい?」
🖤「いいよ、俺シャワーしてくる」
気分が悪くなったらとトイレの場所も教えて、阿部ちゃんが横になったのを見届けてからその場を離れた。
お風呂から戻ると、阿部ちゃんはまた眠っていたけどドアの音で目を覚ました。
🖤「ごめん、起こしたね」
💚「目閉じてただけだから大丈夫」
お水もらうね、とペットボトルに手をかけた。
ただ持って飲んだだけなのに、その仕草は妙に色を孕んでいて思わず見とれてしまう。
💚「ねぇめめ。力になれる事があったら、ってさっき言ってたよね」
🖤「うん、俺にできる事なら」
💚「引かないで聞いて欲しいんだけど」
こっちに来て、と俺をベッドに座らせて、手を重ねると
💚「俺のこと、抱いてみて欲しい」
と、まだお酒の残る吐息混じりにそうねだってきた。
🖤「俺が?」
💚「そう」
男の人を抱くなんて経験ないし、ましてやメンバーの1人としか見ていなかった阿部ちゃん。
否、今目の前にいる阿部ちゃんは普段とは別人のような妖艶な雰囲気を纏っている。
縋るように見つめてくる目と長い睫毛に、思わず息を呑んだ。
🖤「…俺にも心の準備があるから聞きたいんだけど、それはどうして?」
💚「生々しい話になっちゃうけど。“よくない”んだって…俺」
そこからは聞くに耐えない話。
仲間を呼ばれて彼の目の前でその人とさせられるとか、時には輪姦まがいの事だとか、玩具、薬。
『亮平のためだから。開発してあげる』と言われて何が正しいのかわからなくなってしまった、別れたら何をされるかわからなくて怖い……
🖤「阿部ちゃん、もういい」
💚「…ごめん、こんな話」
🖤「違うよ、理由なんて話すの嫌だったよね。俺、男の人とした事ないからうまくできるかわからないけど」
苦しんで悩んでるのは阿部ちゃんなのに、俺の準備なんて何が必要だっただろうか。『良かったよ』と言ってあげられれば良い事だ。
腹を括って、俺は阿部ちゃんの隣に寝転んだ。
コメント
5件
良かったよ、と、言ってあげれはいい話…🖤なんかもう既にそういう対象だと受け入れてるよね☺️なんか、この二人尊く感じて来た。
ストレートなのに受け入れるめめ🖤に興奮中🤩阿部ちゃんなら抱けると思ってるのね