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唇を塞がれた瞬間、思考が真っ白に染まった。
冬馬先生のキスは、冷徹な彼からは想像もできないほど熱く、そして強引だった。
私の唇を割り、舌を滑り込ませ、逃げ場を奪うように深く、深く──。
「ん……んんっ、ふぁ……っ」
肺の空気が奪われ、視界がちかちかと明滅する。
私が弱く胸を叩くと、彼はようやく唇を離した。
けれど、腰を抱く腕の力は微塵も緩まない。
「……はぁ、……っ、…海老名。嫌なら、今すぐ俺を突き飛ばしてここから消えろ」
掠れた声でそう言いながら、冬馬先生は私の首筋に顔を埋めた。
熱い吐息が肌を焼き、ゾクゾクとした震えが全身を駆け抜ける。
「……っ、嫌、じゃない……です。でも、先生は、熱があって、おかしくなって……」
「……ああ、おかしいよ。お前を誰にも渡したくないなんて感情に支配されているんだからな」
先生の指が、私のブラウスの第一ボタンに掛かった。
震える指先。
けれど、その瞳には逃げ道を許さないドSな光が宿っている。
「先生、……ここ、医局…です……っ」
「ああ…だが、落雷で監視カメラのサーバーは落ちている。……今だけは、俺の言うことだけを聞け」
パチン、と小さな音を立ててボタンが外れる。
冷たい空気と、彼の熱い指先が交互に肌に触れる。
その背徳感に、私の理性も限界を迎えようとしていた。
「……海老名。お前のすべてを、俺に書き換えさせてくれ」
彼はそう囁くと、今度は優しく、慈しむように私のまぶたに、そして頬に口づけを落とした。
意地悪で傲慢な彼が見せる、消え入りそうなほど繊細な愛撫。
そのギャップに、私はもう、彼を受け入れる以外の選択肢を失っていた。
外では激しい雷鳴が轟き、窓ガラスがガタガタと震える。
けれど、この暗い医局の中だけは、外の世界から切り離された二人の聖域だった。
「……ゆめ」
初めて名前を呼ばれた。
その甘い響きに、私は自ら彼の首に腕を回し、もう一度、その熱い唇を求めてしまった───。
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