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不真面目な先輩2
それから数日経って、新入生の部活動見学期間が過ぎ、
1年生も本格的に部活動に参加する。 もちろん俺も、今日の放課後からサッカー部に参加。
自主練は今までもずっと続けていたから、先輩方の迷惑にならないように動くつもりだ。
_まぁ、とりあえずは授業受けて、放課後になってからだけど…。
____
1時間目〜4時間目の授業を終え、あっという間に昼休憩。
もうクラスの人達は皆、仲の良い友達を作って昼食を食べている。
俺はというと、もちろん仲の良い人などいないので1人。ぼっち飯だ。
_とりあえず、屋上行こう…。
弁当を持ち、教室から出て廊下を歩き、屋上へ。
騒がしい場所はあまり好きじゃない。静かで落ち着ける場所で、
リラックスして弁当を食べたい。陰キャとか言うなよ、俺はこういう人間だから。
_いや、世間ではこういう人間を陰キャと言うんだろうけど…。
屋上への扉の前に着くと、何やら騒がしい。いや、きっと風の音だ。うん。
_ガチャ…
『んぉ?』
「は?」
扉を開けてまず目に入るのは、クリーム色。そう…加賀見渚先輩。
まずい、俺はクリーム色かそうでないかで先輩を判断しているかもしれない。
次に目に入るのは、先輩の周りで弁当を広げている、先輩のお友達方であろう男女が数名。
_うわぁ、ザ・陽キャ集団。よし、戻ろう。
見なかったことにして踵を返すと、後ろからあの人の声が聞こえた。
『お!メガネくん!』
「え、渚の知り合い?」
『んーと、まぁそんな感じ!昨日初めて会ったけど、だよな?』
そう言って、俺に同意を求める先輩。
_やめてください。こういうのは”だよな”が一番辛いんです。
なんて、口が裂けても絶対に言えない。
「まぁ、はい…ですね…。」
_逃げたい、早く。一刻も早くこの場から逃げたい。
しかし、そんな願いは散るもので、先輩のお友達方は容赦なく俺に質問攻め。
「名前なんて言うの?」
「部活は〜?」
「彼女いる?」
最後の質問は絶対悪意があると思う。いるわけないだろ俺に。
「えっと…はしg」
『こいつは橋口蓮!部活はサッカー部入ったんだっけ、彼女は?ぶっちゃけどうなの?』
「あ、えと…いないです、ハイ…。」
*_うん、辛い。*
なんということだ、全部言われてしまった。彼女は別として。
というか先輩…名前覚えてたんだ。何気に一番の衝撃かもしれない。
いやだったらメガネくんって最初呼ばないでくださいよ。
「へ〜…じゃあよろしく!ぐっちー!」
_。。。は?
ぐっちー?なにそれ。
『おいおいやめとけよー、蓮はそういうタイプじゃないから普通に接してやって。』
「え?あ、まぁそっかぁ、ごめんね!じゃあ蓮って呼ぶわ〜。」
「あ、はい…。」
*_先輩、そういう気遣いできるんだ。勝手にできなさそうと思ってましたすいません。*
「先輩、ありがとうございます…。」
『え?何が?』
*_無自覚かよ天然たらしめ。*
先輩ってホント…なんなんだろう。どんどん俺の中で、謎が深まっていく。
でもきっと…悪い人じゃない、それだけは分かる。
あぁ…
俺はこの人を…知りたい。
『あ、なぁなぁ、蓮も飯一緒食わない?』
_。。。え?