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「ちょっ、マジで勘弁してほしいんだけどっ!」

「それはこっちのセリフだ。ストレス発散させろ!」


――最近気がついた太郎の弱点。眉毛のちょっと上あたりを突いてやると、くすぐったいのか、体をよじらせてイヤがってくれる。


イヤなら膝から降りればいいのに、構ってもらってるのがよほど嬉しいのか、じたばたしながら暴れるのだ。


「なぁ、これってタケシ先生の休憩になんの?」


平日の午後は2時半から開院するので、お昼を食べたら少しだけ休憩するのだけれど、今日はたまたま午前授業だった太郎が来ていて、暇つぶしをしている。


「せっかく買ってやったウサギの着ぐるみ、ダメにした罪は大きいんだよ」

「……だって、さ。ここんトコ忙しそうにして、話しかけても忙しいばっか言って、冷たかったじゃん」

(ノ_-;)ハア……


「お前さ、あんなことして俺が構うと思うのか!? しっかり検視しちゃったんだぞ……」


しかもしっかり俺の名前を書いてくれちゃって。殺人犯に仕立ててどうすんだ。


「村上さんが夕飯置きに来て、あの姿を見たら絶対に卒倒するから止めてくれよ」


俺だから落ち着いて対処できたんだ、うん。


「分かったよ。その代わり、少しは俺のこと考えろよな」


考えてるからこその着ぐるみだったのに、分かってないね。


不機嫌を示す突き出た唇に、強引に唇を重ねてやる。


「…んっ!?」

「しょうがないからご褒美だ、受け取っておけ」

「甘い――」

「さっき患者の女のコから貰ったキャンディ、オレンジ味だから平気かと思ったんだけど、思いのほか甘くてな。それ舐めて待ってろ」


よいしょと立ち上がり、伸びをして時計を見る。そろそろ行かなければならないようだ。


ムダに元気な歩から元気をチャージ出来たし、頑張ろうっと。


「相変わらず、ガキ扱いしやがって……」


悔しそうな声を聞き、扉を開けながら言ってやる。


「じゃあガキじゃないトコ、今夜見せてみろよ」


思い切って誘ってみたら、目を大きく見開き固まった。


「――なぁんて、な」


肩をすくめてリビングから出るべく扉を締めると、何か大きな声で文句を言った歩の声が部屋の中に響いてるようだ。


たまには誘ってみるのも悪くないものだな――うん。


めでたし めでたし

恋わずらいの小児科医、ハレンチな駄犬に執着されています

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