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19 - 第19話 2日目朝

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2025年01月22日

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「……んん……」

萌香はぼんやりと目を開けた。体育館の天井がぼやけて見える。周りからは、まだ眠っているいさなやみりんの寝息が聞こえてきた。

「あれ、もう朝……?」

枕元のスマホを手に取り、時間を確認する。5:55 AM。まだ起床時間の6時には少し早い。

「……あと5分寝よ……」

そう思って目を閉じかけたその時——体育館の端からカサッ…カサッ…という小さな物音が聞こえた。

「……ん?」

萌香はそっと体を起こして、音のする方を見つめる。体育館の隅にある荷物置き場の方で、何かが動いた気がした。

「えっ、なに……?」

不安そうに布団を抜け出し、そっと足音を忍ばせて近づく。体育館の薄暗い照明が、荷物の影をぼんやりと照らしている。

「誰かいるの……?」

萌香が恐る恐る声をかけると、突然——ガサッ!!

「ひゃっ!!!」

萌香は思わず飛び上がる。その瞬間、荷物の影から先生がひょっこりと顔を出した。

「おはよう、萌香ちゃん。早起きだねぇ〜!」

「先生ぃ!? なんでこんなとこにいるの!?」

萌香は心臓を押さえて、半ば叫ぶように言った。

「いやいや、ちょっとね〜。みんなの朝ごはん用のパンを隠しておいたんだけど、どこにしまったか忘れちゃってさ〜。」

「……早朝から何してんですか……」

呆れ顔の萌香に、先生は軽く笑って手を振る。

「まぁまぁ、もう朝だし起きちゃいなよ。ほら、布団に戻ると二度寝しちゃうよ?」

「先生が見つかるのが先ですよ!」

二人のやりとりに気づいたのか、体育館の奥からいさなの寝ぼけ声が聞こえてきた。

「……うるさい……あと5分寝かせて……」

みりんももぞもぞと動きながら、ぼそっとつぶやく。

「萌香、先生、朝から何やってんのさぁ……」

萌香はため息をつきながら、眠そうな二人を見つめた。

「もう……今日も地獄の補習合宿が始まるよ……」

その言葉に、いさなとみりんが「うぅ……」と苦しげに声を漏らす。体育館には、また少し静かな時間が流れた——が、先生はまだ荷物をガサゴソ探し続けていた。

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