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私は生まれつき男女どちらの生殖器もない肉体だった。
それでも両親は、初めは私を育てようとはした。
しかし、変なものが見えると高頻度で言いだす子供に育ったため、両親は気味が悪いと思って私を捨てた。
天元という一見若く見える女性が運良く拾ってくれて、私に羂索という名前を与えた。
天元も私と同じように呪霊という存在が見える者で、呪術についてのことを私によく教えている。
天元は呪術師の間ではかなり有名で、天元を崇拝するような者達までいる。
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「…護衛もつけずに1人で菅原高視が来た。羂索、君にも用があるそうだね。」
「私?」
菅原道真の息子、菅原高視は父親の才能を受け継げられなかったため周囲から冷たい扱いを受けていると風の噂で聞いたことがある。
天元と門へ向かうと、菅原高視が自分の屋敷から勝手に抜け出したかのような姿でいた。
「はじめまして、菅原高視様。」
呪力が少なく才能がなかったとしても、菅原道真の息子であることには代わりない。礼儀正しく接しておく。
「貴方に様付けをされる程の呪術の実力はございません。」
(いつ暗殺されてもおかしくないのに護衛を付けなかったり、身分の低い私に様付けは結構と言ったりと変な人間だな…)
「せっかくだし、私の屋敷に上がっておいで。」
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「それで、私と天元に何のご用が?」
「単刀直入に言いますが、私は記憶を保ったまま輪廻転生を繰り返しています。転生といっても、今よりもずっと先の未来で生まれることもありました。」
「そういう術式ということでいいのかな。」
「私が転生を繰り返していることは父の六眼でも視認できていません。術式であるかどうかは不明です。」
「菅原高視さん、今までの転生した先の出来事を話してくれますか?」
「勿論そのつもりです。…最初の人生はこの時代から1000年先の世界でした。その世界には呪術はおそらく存在しませんでしたが、呪術を使って戦う物語がありました。そして2回目の人生からずっと、その物語の中の世界へと転生しています。」
菅原高視はその物語の内容を語り、物語の登場人物だった私と関わったことと今までの転生で何があったかなどを長い時間かけて話した。
最初は天元と私を何らかの目的のために騙す作り話かと思ったが、菅原高視は嘘をついていないような様子に感じられる。
「これで私が経験した内容は以上です。最初の人生の物語〃呪術廻戦〃に登場する者達を救う計画に、できれば協力してくださるとありがたいのですが…」
「私は積極的に協力するつもりだよ。羂索はどうする?」
「興味深い話を聞かせてもらったし私も手伝おうと思うね、天元。」
「ありがとうございます…!」
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九相図の母親、狗巻家の末裔、星漿体、菅原道真の息子など…私は様々な者に成り代わってきた。
2回目の人生で沢山の人を見殺しにしてきた罪を償うために、目的を果たすまで何度でも生まれ変わり続ける。
「全員私が助けてみせる…生存ルートを、ハッピーエンドを目指す。」
終