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#現代ドラマ
ゆうき あきや
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ふぃる汰
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星桜かい
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#あやかし
がくじゅつてき・あかげ
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それから数日は何事もなく過ぎた。矢車ちゃんと薄荷ちゃんはちゃんと仕事をこなしてくれて、館は空気がこもらなかったし、水まわりはピカピカだし、買い物も支障なかったし、お昼にはおいしい和食が並んだ。サンマの塩焼き、ブリの照り焼き、アジの南蛮漬け、筑前煮、卯の花、小松菜のわさび和え、ほうれん草のごま和え、なめこ汁……。 ヤカも喜んでいた。
{和食はあまり得意ではないので、彼女らが和食を作ってくれて嬉しい}
「そう言えば、ヤカが作るの洋食だね」
{料理を覚えたのは最初の持ち主がいた頃で、彼は西洋の人だったし、掛川氏も洋食好みだったんだ}
「なーるほど」
2人用のパソコンが届いたので、2人の勉強も進めている。やっぱり矢車ちゃんの習得のほうが早く、薄荷ちゃんは矢車ちゃんに助けられながら勉強しているようだ。
気になることと言えば。矢車ちゃんが、初めての買い物から帰ってきたときすごく興奮していたのだ。お昼のとき、矢車ちゃんは嬉しそうに報告してくれた。
「すっごく栄えててえ! 人がいっぱいいて、駅ビルおっきくて、スーパー入ってるショッピングモールもおっきくて! 何でも手に入りそうです!」
「そうなんだ」
私もそのうち行きたいなあ、そのうち2人に付き添ってもらおうか。
薄荷ちゃんが矢車ちゃんに聞いた。
「バズりそうなものあった?」
「探せばありそう!」
バズ? 私は2人に聞いた。
「何、バズりたいの?」
「矢車ちゃんはバズりたいんです、YouTubeの……」
矢車ちゃんはあわてて薄荷ちゃんの口を塞いだ。
「秘密なの! 秘密!!」
何してるんだろ。あ、だから矢車ちゃん薄荷ちゃんよりITスキル高くて動画編集できるのか、目的があると習得が早いもんね。
私は矢車ちゃんに聞いた。
「YouTubeでバズりたいの?」
遠く険しい道のりだと思うんだけど。矢車ちゃんはもじもじした。
「その……YouTubeで雑談……その、おしゃべりする動画上げてて……流行りのものには触れておきたくて……」
「ふーん」
別に好きにすればいいと思うけども。一応釘を刺しておいた。
「この館が特定できるようなことは言わないでね、ここ強盗入ったことあるからさ、お金があると思われると狙われそうだから」
「言いません! 身バレしそうなことは絶対言いません! 気をつけます!!」
「うん、ならよし。バズるといいね」
九さんが来ることもあった。
「2人から話は聞いておる。よくしてもらっておるからのう、礼をしたくての」
「そんな、いいですよ」
「しかしお主、体が弱くて困っているのじゃろう?」
「それは、はい……遠出もままならなくて、12時間寝ないと動けなくて、午前動いたら午後熱が出て……」
「苦労しておるのう……」
九さんは嘆息した。
「慣れましたけどね」
そう言うと、九さんは手提げから茶筒を出した。
「うちで作った柿の葉茶じゃ。妾の土地で採れたものは、多少ながら体を癒やす効果がある、飲むとよい」
「え、いいんですか!?」
「お主のように、長年の患いだとよくなるまで時間がかかるじゃろうが。矢車と薄荷に
野菜だの柿だのも持たせよう、ちょくちょく食べるとよい」
「ありがとうございます!」
いいものもらったし、2人ともちゃんとやってくれるし、ヤカも楽しそうだし。
そんなこんなで土曜が来て、矢車ちゃんと薄荷ちゃんは休み。朝、ヤカとゆっくり朝食をとっていると、ヤカが言った。
{提案があるのだが}
「何?」
{薬師如来様は、気散じに歩くとよいと言っていたそうだが}
「うん」
{調子がいいとき、庭を少し歩かないか? 気候もよくなってきたし}
「庭?」
よく手入れされた庭を思い出す。今ごろ秋の花が咲き始めかな。最近雨続きだったけど、やっとおさまったし、外歩くの、いいかも。
「じゃ、今日ちょっと歩こうかな。ヤカも行く?」
ヤカは少し考え、{いつもと少し違う姿で行く}と言った。どんな姿だろう?
コメント
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あおいです🌷 第39話、ほっこりした気持ちで読み終わりました! 矢車ちゃんがYouTubeでバズりたいって言うところ、可愛かったですね〜!「秘密なの!」って慌てて薄荷ちゃんの口塞ぐの、微笑ましかったです。でもちゃんと身バレ注意するところが塔原さんらしいなと。 九さんが柿の葉茶を持ってきてくれる優しさも染みました。長年体調に悩む塔原さんに「慣れました」って言わせちゃうのもグッときました。 そして最後のヤカの提案。「ちょっと歩く」って小さな一歩が、この物語の優しさにぴったりだなって。どんな姿で現れるのかも気になります!