テラーノベル
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「あー食った食った」
郊外のラーメン屋で腹いっぱい食べて、また車に乗り込む。
「初デート達成だわ」
「ふーん。友だちいなくて良かったな」
「おぉいやめろよ。今日は翔太誘うつもりだったから誰も声かけてねぇよ」
俺も適当に受け答えしてるけど、こいつもサラッと何言ってんだ。
「さ、帰ろうぜ」
「え?」
「ん?」
「いや…あの、さっきの話……」
俺が気まずい感じで言うと佐久間が笑った。
「あぁ、タチネコの話?今日こんなニンニク臭ぇのにする訳ねーじゃん、にゃはは」
「なっ…」
俺が期待してたみたいになってる。そうじゃない、と慌てて取り繕う。
「解ってるよ、でも恋人ってのは時間かけて親密になるもんだろ?」
「カッコいい感じで言うな、恥ずかしいから」
「にゃははは」
「そもそも付き合うって決めてないし、俺」
「そうだっけ?」
佐久間のペースに巻き込まれてる気がする。『まぁほら、だからお試しでいいんだって』と言うから『じゃあ、俺お試しで抱かれんの?』と聞くと
「それはちゃんとお前の気持ちが固まってから」
と急にマジトーンで言われた。
なんだよ、ちょっとカッコいいじゃん。と思って慌てて頭を振る。
「お前サウナ行くよな?どっかで降ろそうか」
「んー、来る時1時間くらいあったっけ。行こうかな」
「了解」
こうして車はまた発進し、サウナの近くで降ろしてもらって解散した。サウナに寄ったけど、佐久間の事が頭から離れなくてあやうく逆上せかけた。
コメント
2件
いいねぇー時間の問題なわけだ🩷💙