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ある日のことだった。
気分が沈み込むくらい寒かったあの日。
「はあ……」
と、私は溜息をつき、いつものようにキッチンの椅子へと腰掛けた。
1人になると、つい涙が流れてしまう。
何も無いのに。
………
………?何も無いのに………?
涙が出てしまう理由は、ハッキリと分かっていた。
お父さんとお母さんが離婚したのは私が原因だし、お母さんには罵声を浴びせられ、殴られるし。お風呂にも入れて貰えないし、何も買って貰えないから、クラスメイトには仲間はずれにされている。
明確にすればするほど、虚しくなってくる。
ああ、もう死んでしまいたい。
でも死ぬのは恐い。
この世には未練もあるし、過去に戻ってやり直したい。
そんな無理なことを妄想する。
その瞬間だった。突然視界が真っ白な光に包まれた。眩しすぎて、思わずギュッと目を閉じた。
しばらくだったあと、目を開けてみると、何も無かった。
何かあったのか、スマートフォンで検索してみるが、何も無い。
不思議に思った時、私の部屋から微かな光が漏れていることに気がついた。
私の部屋の襖を開けてみると、何か宝石のようなものが落ちていることに気がついた。
拾い上げてみると、2つの枠に、30、0とそれぞれ数字が書いてあった。
『どうも!この、タイムワープダイヤをご購入頂きありがとうございます!
*使い方は、説明書をご覧下さい!*』
と、急に音声が鳴った。
店内アナウンスのような声だった。
「説明書……??」
辺りを見回す。
すると、タンスの上に折りたたまれた紙があるのが見えた。
紙を手に取り、開いてみる。
『・過去に戻れます。未来へは行けませんが、過去に戻ったときに、現代へ戻ることはできます。
・本品を手に取り、戻りたい頃を思い出すと、タイムワープができます。
・数値ですが、「30」と書いているのが使用出来る回数で、「0」というのが”貴方がタイムワープダイヤを使って感じた幸福”です。』
…とか、その他諸々が書いてある。
早速、戻りたい頃を想像してみる。
やっぱり、小5かな……?あの頃は幸せだったな、と思い出にひたった。
そして、タイムワープダイヤとやらを手に取り、小5の頃に戻りたいと、強く願った。
その瞬間、辺りが真っ白な光に包まれていった。