テラーノベル
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目黒🖤「お疲れ様です」
雑誌の撮影を終えて、挨拶をしながら楽屋のドアを開ける。
中に入ると、佐久間くんが唇の前に人差し指を当てて「しぃー」というジェスチャーをしていた。
佐久間💗「ごめん、蓮。今、照が寝てるから」
目黒🖤「えっ、岩本くんが?」
そーっと佐久間くんの後ろにあるソファーに目を向ける。
そこには、規則正しく寝息を立てている岩本くんの姿があった。
起こさない様にゆっくりソファーの横に腰を下ろし、岩本くんの寝顔を見つめる。
目黒🖤(お互い、仕事が忙しいからって会えなくて、久し振りに今日はいっぱい話せると思ったのに···)
起きない程度に、岩本くんのほっぺたを突っつく。
くすぐったそうに眉間にシワを寄せる姿が可愛くて、思わず笑みが出た。
目黒🖤(でも、幸せかも)
佐久間💗「ねぇねぇ、蓮···」
佐久間くんに声を掛けられ、ハッと我に返る。
そうだった。
佐久間くん居たんだった。
目黒🖤「何、佐久間くん?」
佐久間💗「前から聞きたかったんだけど、照のどこがいーわけ?」
目黒🖤「えっ、どこがって言われても···」
佐久間くんの言葉に、んーっと考え込む。
岩本くんの好きな所ねぇ···
目黒🖤「昔さぁ、LIVEのリハかなにかで、メンバーに機材が倒れてきた時があったじゃん?その時、自分がケガをする事も気にせずに、岩本くんがメンバーを庇ってくれたんだよね。その時の岩本くんが、めちゃめちゃカッコ良くて、俺の憧れになったんだ。『俺も、岩本くんみたいに、大切な人を守れる様になりたい』って」
佐久間💗「ふむふむ。それで、その『憧れ』が、いつから『好き』になったの?」
目黒🖤「その日からーずっとずっと、岩本くんを見てきた。小さなしぐさ1つも見逃さないように···。でもまさか、岩本くんから告白されるなんて思ってもいなかった」
佐久間💗「えっ、そうなの?」
目黒🖤「本当は、俺から気持ちを打ち明けようと思ってたんだ。でも、言わなくて得したかな」
佐久間くんが、めちゃめちゃ穏やかで優しい顔で話を聞いてくれている。
正直、最初は冷やかされるかな?と思っていたから、何だかちょっとだけ拍子抜けしてしまった。
目黒🖤(あっ、そうだ!!)
俺は、こんな時だからじゃないと聞けないと思い、前々から気になっていた事を佐久間くんに聞いてみた。
目黒🖤「ねぇ、佐久間くん?1つ、気になる事があるんだけど···」
佐久間💗「気になる事?」
目黒🖤「俺って、岩本くんから見たら、子供だし、おバカだし···つまり、その、ちゃんと釣り合ってるのかなぁ?て思ってるんだけど?」
佐久間💗「え”ーーーー!!」
佐久間くんが、俺の言葉に驚きの声を上げた。
あまりの大きな声に、慌てて佐久間くんの口を手で塞ぐ。
目黒🖤「ちょっと、佐久間くん!岩本くんが起きちゃう!!」
佐久間💗「ごめんごめん。でも、照は、そんな事を気にするヤツじゃ無いと思うよ。ちゃんと、蓮の中身を見て好きになったと、俺は思うなぁ」
目黒🖤「そうかなぁ···」
佐久間くんの言葉に、チラリと岩本くんの寝顔を見る。
そうだったら、良いなぁ。
目黒🖤「俺···もっともっと頑張って、岩本くんと釣り合う男になるから、待っててね」
岩本🧡「もう、なってるよ」
目黒🖤(えっ!?)
岩本🧡「目黒は、そのままで良いんだよ」
目黒🖤「いっ、岩本くん!?えっ、なっ、いつから···」
パニックになる俺を他所に、岩本くんが体を起こし、大きな伸びをした。
岩本🧡「えっと、『ちゃんと釣り合ってるのかなぁ?』ってトコ辺りからかな」
目黒🖤「えっ、ウソでしょ!?わっ!あわわわわっ!?」
みるみる顔が赤くなっていくのがわかる。
あんな事やこんな事を聞かれてしまったんじゃないかと思うと、恥ずかしくて岩本くんの顔が見れない。
目黒🖤「おっ、俺、帰る!!」
恥ずかしさに耐えきれなくなって、俺は楽屋を飛び出した。
岩本🧡「えっ、めっ、目黒!?ちょっ、どーして逃げるんだよ?」
突然楽屋を飛び出した俺に驚き、岩本くんは自分の荷物と一緒に俺が持ち忘れた荷物を持って俺を追いかけてきてくれた。
佐久間side
岩本🧡「おい、目黒?待てって!!悪い、佐久間。また明日な」
佐久間💗「おう、お疲れ~」
照がどこから狸寝入りをしていたかは知らないけど、俺はぜーったいに口を割らないつもりだ。
照に、こんなおいしー情報を流してやるほど、俺はヒマじゃないもん
END.
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