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サンドルの首を取ったかに見えたが、サンドルの灰魔法により、時間をスローモーションにされ、逆に進の心臓を貫かれてしまった。
「ススム君!」
心臓を貫かれた進は、サンドルの攻撃の衝撃によって吹き飛ばされてしまった。
「ススム君!大丈夫か!」
フラムは進の心臓がえぐり取られていることを確認し、青ざめた。
「ススム君!まさか君まで死ぬなんて・・・」
「イヤ―――、ススムさんがそんな死ぬなんて・・・!」
マリーが茫然とその場に立ち尽くす。
「おい、ススム!お前が死ぬはずないだろ!」
グレッグも進の死に驚きを隠せなかった。
薄れゆく進の意識の中で進の頭の中をいつもレベルアップの時に聞こえる声がしていた。
《テンドウススムバイタルテイシカクニンシマシタ》
《コレヨリアドミニストレーターヘトセツゾクヲカイシイタシマス》
《………》
《アドミニストレーターヘノコネクトセイジョウニシュウリョウシマシタ》
「ここはどこだ!サンドルはどこだ!」
進の意識はよくわからない真っ黒な空間で目覚めた。
辺りを見回してもサンドルやフラムさん、マリーの姿は見えない。
―――というかここは魔坑道ではないみたいだ。
「目が覚めて良かったわ~。」
「ここはあなたの精神世界―――、やっと繋げることができたわ。」
「これでやっとあなたとゆっくりお話ができる。」
そこにいたのは、間違いなくオレがこの世界にやってくる途中にエレベーターに乗ってきた女だった。
「お前はあの時の…!」
「色々聞いておきたいことや言いたいことはあるが、まず初めに俺や未央を元の世界に戻せ!」
「いきなり直球的なお願いね~。」
「嫌いじゃないわ。」
「戻せと言っているんだッ!!」
進は女の胸倉を掴み、顔を近づけ睨んだ。
はぁと女は深い溜め息を付き進の手を振り払った。
「まずは、手を放してちょうだい。」
「君は今サンドルとの戦いで死んだわ。」
「そしてここに居るOK?」
「サンドルに殺されただと?」
「そんな感触は全くないが?」
「あいつの灰魔法はこの世界において物理法則を軽く捻じ曲げてくるわ。」
「そんな相手なのよ君が今戦っていたのは。」
「物理法則捻じ曲げるのは貴様も同じだろう?」
「あははは!確かにそうね最もサンドル程度私の相手にもならないわ!」
女は上機嫌に笑いながら言った。
進は改めてエレベータの女に問いただした。
「改めて聞くがお前は何者なんだ?」
「そしてオレと未央は元の世界に戻ることはできるのか?」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。」
「私はアドミニストレーター!この世界の管理者、まぁこの世界では女神とか言われているわ。」
女は不気味な笑みを浮かべながら答えた。
「そして私ならあなたたちを元の世界に戻すことは可能よ。」
「だったら早く戻してほしいのだが。」
「そうね~条件があるわ。」
「私を殺すことができたら戻してあげる。」
「それは未央ちゃんも同じ。」
「オレが貴様を殺せば、オレと未央は元の世界に戻れるってことか?」
「YESよ。」
「だけど戦うのは今じゃない!」
「さっきサンドルが言ってたでしょ!」
「この世界には伝承があるって。」
「ああ、あの『この世界を統一せし者、女神への挑戦権を得る。』ってやつか。」
「そうそう!あれって本当なのよ!」
「それに君も挑戦してもらえたらって思っている。」
「何が目的なんだ?」
進はアドミニストレーターを睨んで聞いた。
「目的??まぁしいて言えば退屈しのぎかな。」
「なぜオレなんだ?」
「他の神に殺してもらえばいいだろ。」
「私神の中でも最高位で無敵で相手がいないのよ。」
「神様の能力値って生まれた瞬間に確定してしまうから人間みたいに成長しないのよ。」
「君を初めて地球で見た時、ビビッと来たねぇ!」
「君なら私の退屈しのぎになるって直感で感じたわ。」
「だからあなたは私のお気に入りなの。」
「とりあえず話は分かったが、これからどうするんだ。」
「オレはもう死んだわけだろう。」
「いやこれからあなたには復活してもらうわ!」
「復活だと!?」
「そう復活、こんなところで死んでもらっても困るもの。」
アドミニストレーターはゆっくりと進の背後に回り込む。
「本当は一個人にここまで贔屓しちゃダメなんだけど、今回だけは特別よ。」
「だって、あなたを殺すのは私だけだから―――」
アドミニストレーターは進の耳元でそう囁いた。
進の背筋にぞくっと鳥肌が立つ。
「オレが復活してもまたサンドルに殺されるだけだろ。」
「安心して、私の能力で運命の輪を回して、この一瞬だけ貴方にとって都合のいい運命に書き換えるわ。」
「なんだよそのチート能力―――」