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設楽理沙
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れい
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latte
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第5話(後編)「答えあわせとターコイズの空」
「私も……ツトムくんが好き。写真の中のツトムくんも、目の前にいるツトムくんも、全部好きだよ」
アオイがそう告げた瞬間、駅へ向かう人波の雑音も、朝の澄んだ空気さえもが一瞬で遠のき、ツトムの世界には彼女の声だけが残った。
ツトムは握りしめたアオイの手の温もりをたしかめるように、ぎゅっと力を込める。
アオイは涙で濡れた目を細め、照れくさそうに、でもどこか誇らしげに鼻を鳴らした。
「……ねえ、ツトムくん」
「ん?」
「私ね、ずっと怖かったんだ。カメラを向けないと人と話せなくて、SNSの『いいね』がないと自分の価値がわからなくて……。でも、ツトムくんはカメラの向こうの私じゃなくて、こうして下手くそに泣いたり笑ったりする私を見てくれた」
アオイはもう片方の手で、胸元に下がった一眼レフをそっと撫でた。
「だから……これが私の本当の答え。これからは、カメラ越しだけじゃなくて、ツトムくんの隣で直接、いろんな景色を見たい。ツトムくんの描く世界を、一番近くで見つめていたいの」
真っ直ぐな瞳と言葉。そこにはもう、トレンドや共感に逃げていた「不完全な少女」の迷いはなかった。
「……ああ。俺も、お前と一緒がいい」
ツトムが答えると、アオイの顔がパッと華やかに咲くようにほころんだ。
朝焼けのターコイズブルーは少しずつ解け、黄金色のあたたかな光が渋谷の街を包み込んでいく。
「よーし! 決まり! じゃあさ、恋人としての初仕事!」
「初仕事……?」
「そう! 次の休みに、二人で遠出スケッチ&撮影デートの計画を立てること! 異議なし?」
「……異議なんて、あるわけないだろ」
ツトムが苦笑しながら答えると、アオイは嬉しそうに「ニシシ」と笑い、繋いだ手を大きく振った。
不完全な二人が出会い、夜を越えて見つけたのは、どんなフィルターや絵の具よりもあざやかな、二人だけの約束
コメント
1件
告白がようやく通じ合えて本当によかった!アオイが「カメラ越しじゃなく隣で直接」って自分の言葉で言えたのが一番ぐっときました。ツトムの「異議なんてあるわけないだろ」も不器用な真っ直ぐさが良かった。ターコイズの空が黄金に変わっていく情景が、二人の心の変化と重なって鮮やかでした。この先のデート風景も楽しみです!