錆の都送り

激しい戦闘が繰り広げられる中、鷹津は絶妙なタイミングで煙幕を放った。

「こ…これ以上は無理だって！」鷹津は心の中で叫びながら、煙幕に紛れて全速力でその場から離れる。

鋼谷とその仲間たちは、瞬く間に視界を奪われ、煙の中で足を止めた。「くそ、鷹津の野郎、逃げやがったな…！」

鋼谷が視界を探るが、鷹津の姿はどこにも見当たらない。その代わり、足音が遠ざかる音がかすかに聞こえた。

「今さら逃げられると思ってるのか！」

鋼谷が煙をかき分けて追いかけようとするが、鷹津は彼の目を盗んで素早く裏路地へと身を隠し、さらに速度を上げて一目散に走り出す。息を切らしながら、心臓が跳ね上がるのを感じる鷹津。背後で鋼谷の怒鳴り声がかすかに聞こえたが、気にせず突き進む。

「こんなところで捕まってたまるか…！」

廃墟の街並みを縫うように走り抜け、建物の影を使って巧妙に逃走ルートを組み立てる。だが、鋼谷も簡単には諦めない。煙が晴れ始めると同時に彼の鋭い目が鷹津の行方を捉えようと四方を見渡し、瞬時に動き始める。

鷹津は時折振り返り、鋼谷がなおも自分を追い詰めようとしているのを確認しながらも、冷や汗をかきつつ逃走を続けた。彼の頭の中は、脱出の手段でいっぱいだ。

「くそ…どうにかしてまけないか…！」

次第に息が上がってきたものの、鷹津の足は止まらない。この逃走劇を生き延びるために、彼は全力を尽くして、都の迷路のような路地を駆け抜ける。