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腐ってて何が悪いですか?
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みみふ
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#安倍晴明
みみふ
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腐ってて何が悪いですか?
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せいめい視点。
あれから、
どれだけの数の季節を乗り越えたことか。
屋敷の扉を閉める。
外から聞こえていた風の音だけがなくなり、
代わりに障子が静かに揺れる。
ここには、誰もいない。
今までも、誰も来てない。
暖かい陽も、楽しげな声も、もう何も無い。
──晴明は、今頃どうしているだろう。
胸が痛んだ。
会いたい。
会いたいけれど、僕はここで待つ。
晴明が生まれ変わるまで。
生まれ変わり。
信じるか信じまいかは人次第。
でも、僕は信じる。
信じたい。
信じる以外に、晴明に会う方法が無くなってしまうから。
だから、その時がくるまで、
ここでじっと待つ。
手近な机に日記を広げ、ペンを握る。
たった2日間。
それだけ。
ましてや、違う部屋に居た時間の方が長かった。
なのに。
それなのに。
過去の
会話、彼の仕草、笑った顔。
書いても書いても書き足りないくらいだった。
今まで書き留めたものを、何度も読み返す。
ページを捲りすぎて、
少しぼろついてしまった日記。
ここで時間を数えるだけでも、少しは気持ちを落ち着けられる。
時間は確実に過ぎていく。
僕の手の中には何もないけれど、心の中には、晴明が残した光がまだある。
小さく目を閉じ、静かに呟く。
『どうか…再会できますように……』
声は夜に消えていくけれど、祈りと願いは、確かに胸の奥に残る。
深く息を吸い込み、僕は外の闇を見つめる。
生まれ変わる日まで、この屋敷で、時間を重ねる覚悟を固めながら。
いつからだったか、思い出せない。
最初は、ただ待っているつもりだった。
約束を守るために、ここにいるだけのはずだった。
でも。
───ああ
気づいてしまった。
僕はもう、*待っている人間*じゃない。
この屋敷に残り続けて、
時間を数えることもやめて、
季節の移ろいにも何も感じることはなくて。
ただ、そこにあるモノになっていた。
晴明の声を脳内で再生しようとして、ふと止まる。
『……あれ』
────……どんな声だっけ?
声の
高さ、低さ。
大きさ、小ささ。
リズム、テンポ。
全てが分からない。
顔、髪の癖、香り、仕草。
それすら曖昧になってきている。
唯一。
はっきりと覚えている。
胸の奥に残り続ける、たった一つの感情。
──会いたい。
それだけが、ずっと残っている。
『…………はは』
小さく笑う。
自嘲と同じ。
これじゃあ、まるでただの呪いだ。
待つことをやめられない。
忘れることもできない。
終わることも、進むこともできないまま、
ここに縛り付けられている。
静かに立ち上がる。
床が軋む音が、やけに大きく響いた。
僕は、
モノじゃない。
ただここにあるモノじゃない。
既に待つという言葉は腐り落ちている。
だから。
『……もういいだろう』
ぽつりと呟く。
千年も、自分に課していたものを、ようやく手放す。
『迎えに行くよ、晴明』
この屋敷から、外へ踏み出した。
コメント
3件
マジ最高!!!!!!!!!好きすぎる!
「1000年の呪縛」第10話、読み終わったよ…。晴明の声や顔すら曖昧になっていく描写が、本当に切なくて胸がギュッてなった。待つことにすら慣れて、自分が“モノ”になっていく感覚、怖いくらいリアルだった。最後の「迎えに行くよ」で、やっと動き出したのが泣ける…。夜のさんぽさんの書く喪失感と再出発の温度差、すごく好きです。続きが気になる…!🥀