楽屋の空気は、日に日に重くなっていた。
その中心にいるのが康二であることは、誰の目にも明らかだった。
しかし、多くのメンバーがその原因を康二自身にあると思い込んでいる中、静かに眉をひそめている二つの影があった。
阿部亮平と、佐久間大介だ。
その日、雑誌の撮影が終わり、二人きりで先にメイクを落としていた時のこと。沈黙を破ったのは阿部の方だった。
💚ねぇ…佐久間
🩷んー?
💚最近の康二のこと、どう思う?
鏡越しに視線を合わせる。阿部の問いかけは、いつもクイズを出す時とは違う、真剣な響きを持っていた。佐久間はヘアバンドで前髪を上げながら、少しだけ唇を尖らせた。
🩷ん〜〜…なんかさ、元気ないっていうか、無理してる感じ、しない?
💚やっぱそう だよね
阿部は肯定すると、一度言葉を切ってから続けた。
💚俺、ちょっと気になってたんだけどさ。康二の様子がおかしくなり始めたのって、例のスタッフのAさんが現場に来るようになってからじゃない?
その言葉に、佐久間は「あー!」と声を上げた。鏡に向かっていた体を、くるりと阿部の方へ向ける。
🩷わかる!めっちゃわかる!あの人、なんか康二にだけ当たり冷たくない!?この前もさ、康二が話しかけてんのに、完全にシカトしててさ。俺、見ちゃったんだよね
💚やっぱり佐久間も気づいてたか…
阿部はホッとしたような、それでいてやはり間違いではなかったかと表情を固くする。
💚みんな、最近Aさんの言うことを信じすぎてる気がするんだ。康二がメンバーの悪口を言うなんて、ありえない。あいつがどれだけSnow Manのこと好きか、俺たちが一番分かってるはずなのに
阿部の言葉に、佐久間は力強く頷いた。
🩷うん…。めめも、なんか康二のこと避けてるし。見てて辛いよ。俺、康二のあの…なんていうか、目が笑ってない笑顔、すっげー嫌い
普段は太陽みたいに笑っている佐久間の、曇った表情。それは、康二を思う強い気持ちの表れだった。
💚…このままじゃダメだよね
阿部は静かに、でも確固たる意志を持って言った。
💚康二が壊れちゃう前に、俺たちでなんとかしないと。グループが、本当にバラバラになっちゃう
二人は再び鏡越しに視線を交わす。そこに宿っていたのは、ただの憶測ではない。大切な仲間を、この手で守り抜くという、静かな決意の光だった。
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うー続きが気になる!