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三階層で突然変異のゴブリンキングを倒したシンヤとミレアは、冒険者ギルドに戻ってきた。

何やら騒がしい。

どうやら何かあったようだ。


「ミレア、ちょっと見てくる」


「あ、あたしも行くヨ!」


2人で受付嬢のユイの元へ向かう。


「よう、ユイ」


「あ、シンヤさん! 良かった。無事だったのですね!」


「無事? 俺とミレアは特に怪我などしていないが。何かあったのか?」


「はい……。実は、先ほど緊急依頼が出ました。グラシア迷宮で一大事発生です」


「一大事だって? 詳しく教えてくれないか?」


「ええと……。もう少ししたらギルドマスターが来ると思うので、詳しい話はそれからになりますが」


「分かった。とりあえず待つことにしよう。ギルマスが来るまえに、魔石やドロップ品の買い取りだけでも頼む」


「そうですね。今のうちに処理しておきましょうか」


ユイの了承を得て、シンヤはカバンから魔石やゴブリン鉱石を取り出した。


「わぁ……すごい量ですね。これだけの量があれば、結構な額になりますよ」


「そうなのか。なら、しばらく生活には困らないかな」


「そうだネ。しばらくはゆっくり過ごせるヨ」


ミレアが嬉しそうにそう言う。


「シンヤ。あれは出さないのカ?」


「あ、そういえば忘れていた。……よっと」


シンヤは布に包んだあるものを取り出す。

それはゴブリンキングがドロップした棍棒であった。


「え? これは…… ええっ!?」


ユイが驚く。


「そ、それってもしかして……」


「ああ。ゴブリンキングの棍棒だな」


「ゴブリンキングの……。でも、どうしてそんなものが……」


「三階層を探索中に、突然変異のゴブリンキングと遭遇してな。そいつがドロップしたんだ」


シンヤがこともなげに答える。


「……は? …………え? ……………………はい?」


ユイが混乱している。

無理もない。

ゴブリンキングの討伐例は、過去にもいくつかある。

だが、そのどれもがBランク以上のパーティによる討伐だ。

しかも、運良く倒せたとしても、ほとんどの場合で犠牲者が出るほどの強敵である。

そんなゴブリンキングをシンヤとミレアの2人が倒したと聞いて、はいそうですかと信じられる者などいない。


「あー、ごほん。もう一度言おうか? 俺とミレアが倒したゴブリンキングが落としたんだ」


「……………………」


ユイはなおも固まっている。

その代わりに反応したのは、他のギルド職員や冒険者たちだった。


「おい、聞いたか?」


「ゴブリンキングを倒しただと?」


「決死の討伐隊が組まれているときに、たちの悪い冗談はやめろ」


「だが、あの禍々しい棍棒は紛れもなくゴブリンキングのものでは……?」


「いったいどういうことだ」


ざわめきが広がる。

ユイはなおも放心したままだ。

そんなとき、ギルドの奥から一人の男が現れた。


「あー、あー、聞こえてるぞお前ら。まったく、何を騒いでいるんだか」


その男は、いかにもベテランという風格をしていた。

髪はやや薄くなっているが、眼光は鋭く、体格もいい。

おそらく年齢は五十歳くらいだろう。


「あ、ギルドマスター……」


ユイがつぶやく。

ギルドマスターはちらりと彼女を見た後、シンヤに視線を向ける。


「君がシンヤか。噂はかねがね聞いているぞ。俺はこのギルドのギルマスをしているダンドだ。よろしくな」


「ああ、こちらこそ。シンヤだ」


「それで? お前がゴブリンキングを倒したというのは本当なのか?」


「ああ、もちろんだ。ここに証拠もあるぞ」


シンヤは布に包まれた棍棒を取り出した。


「こ、こいつは確かにゴブリンキングのものだ……。それにしても、まさかゴブリンキングを単独パーティで倒すとは……。信じられん……」


「信じないのか?」


「……ゴブリンキングは災害級の魔物だ。先ほどまで、決死隊を編成していたところなんだ。討伐したのが本当なら、ギルドや街としてこれほど助かることはない。だが、もし嘘だったら……」


「嘘だったら?」


シンヤが尋ねる。

その答えは、言葉ではなかった。


「かあっ!!!」


ダンドが威圧を放つ。

それはまさに殺気そのもの。

熟練の冒険者ですら震え上がるほどの圧力だ。


「ひいっ!」


それを間近で受けたミレアが小さく悲鳴を上げた。


「あわわ……」


「ギルマスがお怒りだ……」


「あの新人、終わったな……」


「ぶくぶく……」


「こいつ、気を失ってやがる」


「無理もない。新人が、元Aランク冒険者のギルマスの”覇気”を受けちまってはな」


周囲の冒険者の声が聞こえる。


「……」


シンヤは涼しい顔をしながら、無言で立っていた。


(これが……ギルドマスター……。なるほど、なかなかの実力を持つようだ)


シンヤは内心で納得していた。


「それで? 突然叫んでどうしたんだ?」


「ふはは! 俺の覇気を受けて、涼しい顔をしているとはな。どうやらゴブリンキングを倒したというのも、あながち嘘ではないらしい」


「ああ。別に嘘をつく理由もないしな」


「よし。シンヤのゴブリンキング討伐を認める方向で進めよう。討伐したのは三階層だったな?」


「ああ、そうだ」


「目撃例があったのもその階層だ。ただちに調査隊を派遣し、真偽のほどを確認する。……おい、ユイ! いつまで呆けてやがる! 調査隊を編成しろ!」


「は、はいっ! すぐに手配しますっ!」


ユイやギルド職員が慌ただしく動き出す。

それを尻目に、シンヤとミレアはのんびりとギルドを退出し、屋敷へと帰ったのであった。

魔法の探求者、異世界で無双する ~美少女奴隷と迷宮を探索して、何やかんやで成り上がっちゃうぜ~

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