※これは空白シリーズ書く前に書いていたプロトタイプです。
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「ねぇ、君」
ふと、父親からの暴力に泣きじゃくっていた時、そう声をかけられた。涙に濡れた顔をあげた。
そこには、鈍色の髪に、1部だけ水色、瞳は空をそのまま取り入れたような色がこちらを覗き込んでいた。
「・・・僕と来る?」
その手を取らない。という選択肢は、何故か、自分の中ではなかった。
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「みんな〜!新しい子だよ〜!」
と、その青年に片手で抱っこされたまま、少年、ブラックは小さな施設へと連れてこられた。
(・・・この人、なんだろう・・・)
彼は、あの後、ブラックの父親の虐待を通報し、逮捕された。更に、学校の虐めについてネットにバラし、学校側はその対処に追われ、虐めた生徒は学校を転校になるのだろう。
暴力を毎日振るわれ、学校で虐められていたことにより、そこまで父親に関心は1ミリも浮かなかった。
「ここが、今日から君の家だよ」
そう優しく微笑まれ、頭を撫でられた。母が撫でてくれたように優しく。
すると、
「せんせー!」
「おそいすまない先生!!」
と、数人の生徒が“すまない先生”と呼び、近寄ってくる。ブラックは思わず固まった。
「あれ?せんせー!その子だれ?」
と、青い髪で可愛らしい顔の少年が聞いてくる。すまない先生はその子の頭を撫でながら、口を開く。
「この子は、ブラック。今日から君たちとここで暮らす子達だよ。仲良くね?」
「「「はーい!」」」
ブラックは思わずすまない先生の裾を掴む。すると、
「大丈夫。突然慣れろなんて言わない。ちょっとずつ慣れて行けばいいよ。」
そうすまない先生は笑う。ふと、その笑顔を“何故か”見た事があると思った。だが、その笑顔をどこで何時見たかが分からなかった。