窓の外から、鳥の鳴き声が聞こえる。カーテンを閉め切っていても、ぼんやりと部屋の中が明るく見えた。ああ、また朝が来たのか。俺は、まだ目覚めきっていない頭で、そんなことを考える。別に、こんな朝早くに起きる必要は自分には無いのに、最近あまり睡眠を長く取ることが叶わなくなっていた。
ピンポーン。
下の階から、この家のインターホンの音が聞こえる。またか。俺はうんざりした顔で、布団を頭から被った。
「元貴ー!」
階下から、これまたいつもの母さんの声。どうせまたアイツだろ。もう諦めてくれたらいいのに。そう思いながらも、まだ彼が自分を諦めていない事に、どこか安堵してしまってるのが嫌だった。
「元貴ー! 先生よ! 来なさい!」
先生…? とうとう、若井ではなく、本丸が不登校生徒を引き摺り出す為に登場したのか。あの担任教師が、そんなタイプだとは思わなかったけど。
俺は、高校3年生になった今でも、学校に通う事は殆ど無かった。出席日数なんて、本当にギリギリ。中学生の頃から、音楽を作る事に没頭し、その表現が思い通りにいかない日々に業を煮やしながら、その他の事はどうでも良いとばかりに、いつしか学校へ通わなくなっていたのだ。そう、理由なんて、それだけだ。
そんな俺を、中学生の頃から毎朝学校へと誘いにくるのが、同級生の若井滉斗だった。彼は太陽のように明るい笑顔で、俺を諦めずに迎えに来る。最初は、断る際に申し訳なさも持ち合わせてはいたが、時が経つにつれ、いちいち断るのも面倒だと思うようになってしまった。もちろん、自分を求めてくれる事に嬉しさを感じないわけでは無いが、少々、鬱陶しかった。最近では、顔を出さない事を断りとして受け取ってもらうようになっていた。
しかし、今朝は様子が違った。若井ではなく、担任教師が迎えに来た。これはいよいよか、と観念して、頭の中で数々の言い訳を目一杯に用意しながら、階段を降りる。
「あんた…服ぐらい着替えなさいよ、みっともない。」
「いいよ、スウェットだし。」
母さんの小言にも適当に返し、サンダルを履いて玄関ドアを開けた。今は、5月の中旬。まだ早朝故か、久しぶりの外気に思ったよりも肌寒さを感じ、また、こんなにも眩しいのか、と陽光に眼を細めた。うっすらとした視界の中に見えた人影に、俺は今度は眼を丸くした。
…金髪…?
風にふわりと揺れた、キラキラと光る金色の髪。すらっと高い身長に黒いリクルートスーツを着込んだ細身の体。そしてその肩は、驚く程に、斜めに落ちていた。
最低限の出席しかしてこなかった俺だが、これだけは分かる。担任はコイツではない。
「…誰?」
長めの前髪を片手でさら、と避けて、その派手な髪色からは想像出来ないような、優しい垂れ目の笑顔を見せた。
「おはよう。…ございます?」
自分でも、口調が定まっていないような、疑問系で挨拶をしてきた。
「大森元貴くん、だよね? 3年3組の。」
「はぁ…。」
「あ、俺…僕、か。僕は、今日から3年3組に教育実習でお世話になってる、藤澤涼架です。よろしくね。…お願いします、か。」
はは、と笑って、めちゃくちゃな文章を誤魔化す。俺は怪訝な顔をして見せて、警戒心を露わにした。教育実習? 今日から? それが、なんでこんなところにいるんだ?
「…なんですか?」
眉根を顰めて、短く問う。
「あ、えっと、んー…。」
その人は、要領を得ない言葉ばかりを並べて、眼をこれでもかと泳がせる。
「…今日からさ、初日で、僕。あ、あのー、教育実習がね。担当の先生、あ、大森くんの担任の松嶋先生が僕の担当なんだけど。松嶋先生に、朝から廊下で思いっ切り怒られちゃって。」
だはぁ、とこちらの気が抜けてしまいそうな笑い声を上げて、眉尻を下げた。
「『なんなの? その髪色は。 教育現場に相応しい色にして来なさい。』って。」
毛先を指で弄りながら、困った笑顔でそう話す。でも、俺が担当教諭でも、そう言うだろうな。寧ろ、なんでこれでいけると思ったのだろう、この人は。
「それで、『私のクラスに、学校に顔を見せない子がいるから、その子を迎えに行って来て。』って。それで、あの…来ました。」
成る程、学校現場にそぐわ無いこの人を、不登校生徒のお迎えとして、体良く追い出した訳だ。学校にそぐわ無い人間が、そぐいたくも無い人間を迎えに来る、か。
ああ、ほんと、馬鹿馬鹿しい。
「…そうですか、それは、大変でしたね。では。」
そう言って、玄関を閉める。扉が音を立てる間際に、「え?」と間抜けな声が聞こえた気がするが、俺は無視をした。
「…元貴。」
玄関の上がり框で俺たちの様子を窺っていたのだろう母さんが、諌めるように名前を呼んだ。
「…ちゃんと、勉強はしてるから。」
それだけ答えると、俺は階段を登って自室へ向かう。階段を登る途中、母さんが玄関を開けて、俺の非礼をあの人に謝罪している声が聞こえた。
部屋に入り、ベッド横のカーテンをそっと開ける。玄関先に、まだ母さんと談笑しているらしいあの人が見えた。よく笑うからだろうか、頭がフラフラと動き回っている。その度に、あの明るい髪がキラキラと輝いて見えた。
いいな。あの髪で、教育実習へと向かうその度胸。それだけは、少し羨ましいかも知れない。他の人と違う事への恐怖なんかは、あの人には無いのだろうか?
じっと見つめていると、ふと顔を上げたその人と目が合った。俺は眼を丸くしてカーテンを握り締めたが、その人は柔らかい笑顔だけをこちらに向けて、ひらひらと手を振った。
慌ててカーテンを引いて、俺は少し早くなった心臓を落ち着かせる。久しぶりに、家族以外の人と会ったからかな。ああもう、面倒くさい。
椅子に座って、机の上のパソコンを立ち上げる。俺は、ヘッドホンを付けて、音楽ファイルを開いた。
さて、今日はどんな曲を創ろうかな。
俺は、指をポキポキと鳴らして、鼻歌を紡ぎながら、キーボードに指を滑らせた。
「あの…すみません、ダメでした…。」
俺は、大森くんの家から学校へ戻ると、職員室へ行って、担当教諭の松嶋菜々子先生に頭を下げに行った。明るいベージュのパンツスーツを着こなし、黒く綺麗な長い髪を緩くウェーブさせて、その美しい顔を飾り立てている。耳と首元に控えめなアクセサリーと、左手の薬指にはピンクゴールドのシンプルな指輪が光る。
「…会えなかった?」
「いえ、顔は見せてくれたんですけど、すぐに、ピシャッて…。」
「あらそう。顔は見せてくれたのね。凄いじゃない、藤澤くん。」
意外と褒められた俺は、顔をパッと上げた。
「じゃあ、明日もよろしくね。」
それが、褒め言葉じゃなかったことに気付いた時には、もう遅かった。俺は、すっかり大森くんのお迎え担当に任命されてしまった訳だ。
校舎の4階の端、音楽室準備室の横に位置する教材室が、俺たち教育実習生の控え室として貸し出されていた。俺は、ため息をつきながら、その部屋のドアを開ける。
「おう、お疲れ。」
「どうだった? また怒られた?」
同じく教育実習に来ている、高野清宗と山中綾華が、肩を落としながら現れた俺に声を掛ける。2人は、俺とはそれぞれ別の大学。この大学3年生の実習時期には、様々な大学から実習生が集まるのだ。基本的には母校実習なので、みんなこの高校出身者という事になる。しかし、高野は2年間海外留学していたらしいので、俺の2個歳上だし、ひとつ学年が下の綾華の大学はカリキュラムが俺のとは違うらしくて、大学2年生でここの実習へ来ていた。 さっそく、今朝、この金髪を注意された事を弄られる。
「うーん、怒られたっていうか…なんか、学校に来にくい子の担当になったみたい…。」
「あはは、音楽の授業させてもらえないんじゃん。大丈夫?」
「俺もう自分の担当時間決まったぞ。」
「私も。」
高野は体育科で、綾華は社会科で実習している。俺は、音楽科…のはずだったんだけど、音楽教諭の松嶋先生から、どうも今は良く思われてないみたいで、まだ俺の実習授業の話は全く出て来てない。
力無くパイプ椅子に座り、長机に突っ伏す。高野も綾華も、俺を慰めてくれるが、二人とも忙しそうに学習指導案を練り始めた。いいなぁ、俺も一応指導案だけでも作っておこうかなぁ。
カラララ、とドアが開いて、また一人、最後の実習生が入って来た。
「あ、お疲れ、涼架くん。…あれ、なんかホントに疲れてるね、大丈夫?」
理科で実習をしている、阿部亮平くんだ。俺とは同じ学年、同じ大学で仲が良く、実習の前から、よく一緒に遊んでいた。高校の時はあまり接点が無かったが、亮平くんがダンス部でいつもキラキラと輝いていたのは、俺でも知っている程に、学年では有名人だった。
「もー、めちゃくちゃ松嶋先生に嫌われてるんだけど俺〜。」
「あはは、ま、この頭じゃねぇ。だから今だけでも染めたら? って言ったのに。」
亮平くんが、俺の髪をサラサラと撫でる。
「俺も思った。なんで涼ちゃん、染めないの?」
「私も明るかったけど、黒染めして来たよ。」
初対面の挨拶の時から、「涼ちゃん」と呼ぶ高野と綾華も、俺に訊いてきた。
「えー…? わかんないけど…意地?」
「どこで意地張ってんだよ!」
高野に肩をバシッと叩かれた。
俺は、夜に睡眠を取ることができない。夜が更ける程に、眼が冴えていき、結局もう朝方と呼ばれる5時ごろに、漸く布団の中に身を沈めるのだ。音楽創りに没頭しているから、というのは確かにそうだが、それだけではない焦燥や孤独、または逃避、そんなモノも理由にある気がする。でもそんなモノは見ない振りをして、今日も空が朝へ向けて薄く色を変える頃に、漸く疲れを溜めて硬くなった身体を解す様に眠った。
しばらく意識を手放していたところに、また母さんの声が、今度は眼前から飛んで来た。
「元貴! いい加減起きなさい! 何回呼んだと思ってんの!」
知らないよ、そんなの…。顔を顰めて、俺は薄目を開けた。
「藤澤先生。今日も来てくれたわよ。顔くらい出しなさい。」
そう言い捨てて、母さんが部屋を出て行った。藤澤先生…? …ああ、あの金髪の…。あんな、近所の兄ちゃんに毛が生えたみたいな人でも、実習中は『先生』と呼ばれるんだから、ちゃんちゃらおかしいな。年だってきっと、俺と3つくらいしか変わらないくせに。何が『先生』だ。
やっと手に入れた睡眠を阻害されて、俺は思いつく限りの悪態を頭の中でボヤきながら階段を降りる。驚いたことに、藤澤“先生”はもう玄関の中へと招き入れられていた。母さんだな…勝手な事を。
「おはよう、ございます。」
ぎこちない笑顔を浮かべて、藤澤…先生が俺に挨拶を送る。ぺこ、と一応の会釈だけは返して、廊下の壁へと眠たげに身体を預けた。
「あれ、体調悪い? 大丈夫?」
本気で心配そうに、俺の顔色を窺う。俺はしめた、とその言葉の尻尾を掴んだ。
「…そーなんです、しんどいんですよ…じゃ…。」
身体を返して、部屋に戻ろうとしたら、ガサガサとビニール袋の音がした。
「あ! 待って! これだけ! あの…しんどかったら、また元気になったらでいいし。良かったら食べて…。」
その言葉につい振り向くと、ビニール袋にいっぱい何か入っている。怪訝な顔で見つめていると、ほら、とそこから一つ取り出した。駄菓子屋に置いてあるような、小さなスナック菓子。
「ポテトフライ。これ、美味しいよね〜。この濃い〜味が時々無性に食べたくなるんだよ、俺。あ、僕。」
また、ほんわかした笑顔を浮かべて、袋から違うものを取り出そうと手を突っ込んでいる。
「あ、それで言うと〜、これも、なんかよくわかんないけどさ、美味しくない? モロッコヨーグル。これさぁ、ちっちゃいと思うじゃん? でもこのくらいの大きさが丁度いいんだよ。俺この前おっきいやつ買って食べたらさあ、気持ち悪くなっちゃって。」
だはぁ、と気の抜ける笑い声をまた上げて、はい、と袋を差し出す。
差し出されたその手を無視して去れる程、何故かこの人を無碍には出来なかった。
「…ありがとう…ございます…。」
小さくお礼を言って、ガサ、と体積の割には軽いその袋を受け取った。受け取った袋を見つめたまま、なんとなく直ぐには背を向けられなくて、黙って立ち尽くしてしまう。
「…あの…。」
藤澤先生が、口を開く。その後に続くであろう、ありきたりな言葉を俺はうんざりしながら予想していた。『学校行かない?』だろ。どうせ。
「…お部屋、上がってもいい?」
「………は?!」
全く予想外の言葉に、なんだコイツ、という心の声がそのまま声色に出てしまった。
「あ、いや、大森くんのお部屋って、どんなかな〜と思って…。」
「嫌です。」
ハッキリと伝えて心置きなく背を向け、俺は自室へと上がって行った。また、階下から母さんの気を遣う声が聞こえてくる。
「…すみません、藤澤先生…。」
「…いえいえ、今のは僕が間違えましたよね、あはは…。」
そんな会話を少し聞きながら、俺はドアを閉めた。
松嶋先生の前に立ち、気不味い顔を見せると、はあー、とため息をついて、俺の成果がまたゼロな事を察してもらえたようだった。
「…で、今日も会えたは、会えたの?」
「あ、はい、会えた…んですけど、お菓子を受け取ってもらって、調子に乗って部屋に上がって話でもと」
「待って、お菓子?」
「あ、はい。あの、駄菓子…。」
松嶋先生の眉間に皺が寄る。あ、これは、やっちゃったかな…。
「…あのねぇ、そういうのはおやめなさい。他の生徒に示しがつかないわ。」
「…あ、はい…。」
松嶋先生が、少し考えを巡らせる。俺は俺で、実習授業どうしよう…と頭の中で考えた。
「…いいわ、明日は、若井くんと行ってみてくれる? 彼なら、橋渡しになってくれるかも知れないから。」
「…若井くん?」
「うちのクラスの、若井滉斗くん。大森くんと中学から一緒で、彼も毎朝迎えに行ってるらしいから。」
「え、毎朝?!」
「ええ。じゃあよろしくね。」
松嶋先生は、それだけを言って、また机に体を向けた。俺の実習授業については、まだ無しか…と肩を落としてその場を離れようとすると、松嶋先生が「あ、」と付け加えた。
「指導案も、早く持って来なさいよ。」
「…え、あ、はい!」
深くお辞儀をして、職員室を後にした。実習生控え室に帰る前に、3年3組の教室へ向かう。丁度教室での授業だったらしく、殆どの生徒がクラス内で休憩時間を過ごしていた。俺がドアから顔を覗かせると、何人かの生徒がわらわらと集まる。
「金髪先生ー。」
「藤澤です。」
「先生いつ授業すんの?」
「僕が聞きたいよ…。」
「ねえピアス開いてる?」
「開いてるよ、ほら。」
「わー、可愛い!」
「痛くねーの?」
「痛かったよー、でもカッコいいから気に入ってる。」
「いーなー、俺も早く好き勝手してーわ。」
「卒業まで我慢しましょう。」
「センセーみたーい。」
「いやいや…。」
何人かの生徒と会話した後、本題を切り出す。
「ねえ、若井くんいる?」
「ああ、若井? いるよ。えっと…あ、若井ー!」
男子生徒が声をかけた先にいた、俺と背丈の変わらない男子生徒。何人かの人の輪の中で話していたようで、その人気振りが窺える。こちらを向いて、「なにー?」と答えた。
「金髪先生が呼んでるー。」
「藤澤です。」
若井くんは、怪訝な顔を見せながら、こちらへ歩いて来てくれた。
「…なんですか?」
「あー…ちょっと、いいですか?」
手を廊下の向こう側へ向けて、二人だけで話がしたいという意思を表す。
「…はい。」
「若井、なんかしたの?」
「は? なんもしてねーし。」
「若井くん説教?」
「違う違う。はい、ちょっとごめんなさいね。」
若井くんの腕を取らせてもらって、廊下を進んで人気のない階段の下に歩いて行った。
「…え、ホント、なんですか? 俺なんかしました?」
「あ、違うの、ごめんね。ちょっと人前ではって感じだったから。」
「…はあ。」
「んーと、あのね、大森くん、仲良しなんだよね?」
「…ああ、仲良しっていうか、まあ、中学からの…俺は友達だと思ってるけど。」
「毎日、毎朝、迎えに行ってるんだって?」
「…毎日に毎朝は含まれてますけど。」
「あはは、ごめん、僕言い間違いとか多くて。昨日と、今日も、行ったの?」
「…行ってるけど、最近は全然、門前払いで、顔も見てない。」
「そっかあ、優しいんだね。」
「…別に。」
視線を外して、若井くんはぶっきらぼうに言った。俺への態度はこんな感じだけど、きっと凄く優しい子なんだ。だって普通、同級生でここまで気に掛けて、それを行動に移せるなんてなかなか無い。俺だって、教育実習生で、担当教諭に言われてるからやってるだけであって。
「それで、あの、松嶋先生が、明日は若井くんと一緒に行ってって…。あ、僕もね、昨日と今日は、朝に大森くん家に会いに行ってるんだ。」
「え?そーなの?」
「うん。早い時間帯だから、僕ら会わなかったみたいだね。」
「そーなんだ…。え、先生は、会えたの?」
「あー…うん、一応ほら、先生だから…。」
俺は、最近門前払いだと言った若井くんにちょっと申し訳なくて、言い淀んでしまった。しかし、俺の心配とは裏腹に、若井くんの顔は少し明るくなった。
「そっか、元気そうだった?」
「…うん! あ、今日はなんか、しんどそうっていうか、眠そう? だった。」
「…そっか、あいつ多分また寝れてないな…。」
「…そうなの?」
「うん、まあちょっと、夜が苦手? っぽくて。」
「そっか…。」
若井くんは、結構大森くんの事、詳しいのかな。もう少し、彼から大森くんについて訊いてみたくなった。
「…あのさ、若井くんは、大森くんが学校に来ない理由、とか、知ってる…?」
若井くんは少し俺を見て、瞳を揺らした後、また眼を逸らした。
「…理由は…本人じゃ無いし、勝手な事言えないよ…。」
「…あ、そっか、そうだよね、ごめんね。」
「…ううん。」
少し微笑んで、俺を見る。ちょっと鋭い目付きをしているけど、笑うとなかなか可愛らしい。
「…先生名前は?」
「え、昨日ちゃんと自己紹介したけど。」
「はは、ごめん、全然ちゃんと聞いてなかったわ。」
「もー。藤澤涼架です!」
「へー。珍しい名前。」
「それも昨日散々言われてました!」
「あはは!」
それから、若井くんと明日の朝、何時に大森くんの家の前で落ち合うかを決めてから、俺たちは教室へと戻って行った。
コメント
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新連載おめでとうございます!ありがとうございます✨コメントが遅くなりました😓 金髪先生がこの後青春のあれやこれやを見せてくれると思うと楽しみで仕方ありません🤭GTOとあんぱんのおかげで松嶋先生がめちゃくちゃリアルに妄想出来ました笑 元貴くんもこんな感じなんだろうなってリアルに妄想できたし、若井さんの少し幼いながら太陽くんであり親友をとても心配している様子も妄想しやすかった✨
好きですだいすきですえポテトフライ美味いよね金髪先生‼️‼️
新作ちゃくちゃ面白いです!!もりょきの今後の展開が楽しみです!