親子ネコ、拾う

あれから３日経った。

イギリスは拾った猫2匹を正式に引き取り、2匹に名前をつけた。

(⚠️実際には3ヶ月程経たないと正式な引き取りはできません🐈️)

顔や柄を見て何となくでつけられた名前。

若い猫を「日帝」

子猫の方を「日本」

と、それぞれ名付けた。

(イギリスの勘は大当たりで猫二匹の名前は本当に日帝と日本)

日帝は相変わらず日本を誰にも触らせたくないようで、どれだけ疲れていても威嚇をやめなかった。

ご飯もあんまり食べず、自分からテントから出てくることは殆どなかった。

常に日本に付きっきりだった。

日本は外が気になるようでよくケージの外を見ているが、日帝がテントから出すのを良く思っていないからか日本もあまり外に出ないし、アメリカとイギリスがまだ少し怖いらしい。

日帝はテントの中で日本を奥に入れて、日帝自身はテントの入り口でケージの外のアメリカやイギリスをじーっと見ていた。

その目は警戒と恐怖と怒りが混ざっている様に見えた。

アメリカ　(父性本能ってやつか？でもこのままはよくないよな…… )

アメリカはその日もまた二匹の部屋に忍び込んでは二匹の様子を見に行っていた。

ケージに近づいて声をかけた。

アメリカ　(……なぁ、そろそろ出てきてみないか？ずっとそんな狭いところでかたまっていても体によくないだろ？)

ちなみにアメリカが日帝達にちゃんと話し掛けたのはこれが初めて。

アメリカ　(………なぁ、聞こえてるだろ？なんとか言ってくれよ。

それに、飯ももっと食った方がいいぞ。そんなんじゃ体ももたないぞ。)

日帝　(………………………………………………)

アメリカ　(なぁ、なんで食べないんだ？食欲が無いのか？それとも嫌いな味なのか？)

日帝　(………………………………………)

アメリカ　(………………あ！もしかして何かヤバイものでも入ってると思っているのか？)

アメリカがそう問いかけると、日帝が顔を背けた。

アメリカ　(……図星か。

そんなに怖がらなくても大丈夫だぜ❗なんならオレが今ここで先に少し食って見せようか❓️)

日帝　(…………………………………………)

アメリカ　(これを食うのが怖いってんならオレの飯を持ってきてやろうか❓️ドックフードは猫も食えるはずだぞ。

………まぁ本当は猫は猫用の飯を食った方がいいんだろうけど)

アメリカはケージの隙間から舌を入れて、すぐそばにあった器の上にある日帝用のご飯を少しペロペロと食べて、口先を引っ込めるとその場に座った。

アメリカ　(ほら、なんともないだろ❓️後から何かあるかもってなら今日ずっとここにいてやるからじっくり観察してくれてもいいぜ❗)

日帝　(……………………)

アメリカがそんなやり取り(？)をしていると、部屋にイギリスが入ってきた。

イギリス　「失礼しますよ。

見つけた……アメリカ！やっぱりここに居ましたね。

二匹が心配なのはわかりますが、こういうのは逆に見ていない方がこのコ達は安心するんですよ」

アメリカ「ｸｩﾝ……」

イギリス「すみませんねお２人とも、このコも敵意等があって寄ってきているワケではないので、堪忍してやってください」

そう言ってイギリスは日本と日帝の餌皿を確認した。

イギリス「………やっぱり殆ど減ってませんね……日帝さんのもお湯等でふやかして柔らかいご飯にするべきでしょうか………」

日帝　(……………)

イギリス「………古いご飯は回収しますよ」

その時、不意にイギリスの手が日帝に触れた。

しかし日帝はそれに気づいても、これまでのように噛みついたりはしなかった。

イギリス「………すみません日帝さん、ちょっと失礼いたしますよ？」

と言ってイギリスは日帝の頬を、毛先だけだが人差し指で撫でた。

イギリス　(………触れてる……毛先だけですが……)ｻﾜｻﾜ…

日帝はイギリスの方を見ないようにしておとなしくしているが、段々と体が震えていった。

日帝「……………ッｩ」ぽろぽろ……

イギリス「ッ！、すみません、長すぎましたね……(やはり涙の原因はストレスでしたか…)」

その後はいつものように日本にミルクをあげて、日帝に目薬を注した。

その後イギリスは毛布をケージに被せて、2匹がなるべく安心できるようにした。

イギリス「ほらアメリカ、行きますよ」

アメリカ　(……………………………)←ふせの姿勢で動かない

イギリス「アメリカ………ダメですよ、今はそっとしといてあげないと。まだ私達どころかこの場所にすらなれていないんですから……」

アメリカ　(……………日帝、ちゃんと食べるんだぞ？)

日帝　(……………………………………)

イギリスとアメリカは部屋を出た。

日帝　(………………………)

日本「……ﾋﾟｬｰｳ」

日帝　「！(………ごめんな)」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

日本「……………」ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ……

🍼つづく