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ポテサラ
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#実況者イラスト
アル🧩👾
11
城の中を歩いていると、たまに忘れる。
ここが城だということを。
静かすぎる。
広すぎる。
それもすべて誰もいないからだ。
城というより巨大な廃墟の方が近い。
住んでいるのは青い瞳の変なヴァンパイア一人だけ。
そして今は。
そこにレウもいる。
「命令」
背後から声がした。
レウは振り返る。
いた。
いつの間にか。
相変わらずだった。
「足音出して来てよ」
「やだ」
「なんで」
「面白いから」
面白がられている。
最近気付いた。
このヴァンパイア、わりと性格が悪い。
「何してるの」
「暇」
「知ってる」
「知ってるの?」
「三十分くらい廊下うろうろしてたじゃん」
見られていたらしい。
恥ずかしかった。
「じゃあ命令」
「また?」
「うん」
らっだぁは少し考える。
そして、
「何か作って」
と言った。
レウは固まった。
「何を」
「何でも」
「雑」
「期待してる」
「嫌な予感しかしない」
らっだぁは満足そうだった。
全然説明する気がないらしい。
結局。
レウは城を探索することにした。
何か作れという命令のための材料探しである。
と言っても、料理ではない。
工作でもない。
本人も何を作るのか決めていなかった。
しばらく歩いているうちに、中庭を見つけた。
城の中央付近。
石畳に囲まれた場所。
光の入らない場所だというのに、意外にも植物が少しだけ生えている。
ほとんど手入れされていない。
けれど、その中に。
小さな花が咲いていた。
レウはしゃがんで、花を見つめる。
名前は知らない。
でも、綺麗だった。
しばらく眺める。
どこからか風が吹く。
花が揺れる。
それを見ているうちに、ふと思った。
らっだぁは、こういうものを見るのだろうか。
数時間後。
らっだぁは本を読んでいた。
最近よく見かける光景だった。
レウはその前に立つ。
「できたよ」
らっだぁが顔を上げる。
「何が」
「命令」
そう言って、小さな輪を差し出した。
白い花を編んで作った、不格好な花冠だった。
らっだぁが固まる。
レウも少し恥ずかしくなった。
冷静になると意味が分からない。
なんで花冠なのか。
なんで作ったのか。
なんで渡そうと思ったのか。
全部分からない。
でも、作ってしまった。
「……いる?」
聞く。
らっだぁは花冠を見る。
それから。
「これ」
と言った。
「うん」
「俺に?」
「他に誰がいるの」
城には二人しかいない。
らっだぁはまた花冠を見る。
困ったような顔。
これもまた、初めて見る顔だった。
「嫌だった?」
レウが聞く。
すると。
らっだぁはゆっくり首を振った。
「初めてだから」
「何が」
「誰かからなにか貰うの」
レウは言葉を失う。
初めて。
何百年生きたヴァンパイアが。
初めて。
その言葉の重さに、少しだけ胸が苦しくなった。
らっだぁは花冠を見つめる。
壊れそうなくらい不格好なそれを。
宝物みたいに。
静かに。
「ありがとう」
小さな声だった。
レウは少し笑う。
「どういたしまして」
らっだぁは花冠を頭に乗せた。
似合わない。
びっくりするほど。
「似合ってない…」
「知ってる」
「なんかごめん」
「外していい?」
「だめ」
「命令?」
「命令」
らっだぁは少し笑った。
そして珍しく逆らわなかった。
その日の夜。
レウは自室の窓辺に座っていた。
ふと思い出す。
花冠を受け取った時の顔。
嬉しそうだった。
本当に少しだけ。
でも確かに。
それだけで、なんだか自分まで嬉しくなった。
与えられるだけじゃない。
自分にもできることがある。
その事実が、少しだけ嬉しかった。
同じ頃。
城のどこかで、らっだぁは机の上に花冠を置いていた。
枯れてしまう。
きっとすぐに。
分かっていた。
それでも、捨てられなかった。
青い瞳が静かに細められる。
何百年も生きてきた。
色んなものを見てきた。
でも。
こんなものをもらったのは初めてだった。
部屋の中は静かだった。
けれど。
昔の静けさとは違った。
机の上の小さな花が、それを教えてくれていた。
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コメント
6件
センスありすぎる!花冠か〜!らっだぁは結構似合うと思ったんだけど... でもその似合ってないのをれうさん言っちゃうの面白いw 誰かからもの貰ったことないの?!じゃぁ昔の家族とかから誕プレとかも貰えなかったんだ...ユルセン( ˘•ω•˘ ) 続き楽しみに待ってます✨
何回言ったか分からんけど何の争いにも巻き込まれず一生幸せに生きてくれ