コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「現世にいる俺の息子を見守ってくれないか?」
きっかけは黄泉の国で仲良くなった海賊のおっさんの頼みから始まった
最初は断った
黄泉【ここ】の国の者は生きてる人間には認識できない
それはもともといたぼくだって同じことだ
それでもおっさんはぼくに頼んできた
理由を尋ねたらぼくがおっさんの冒険話を目を輝かせて聞いていたからという
おっさんの息子も17歳になったら必ず海賊になって冒険すると断言したからだ
だから息子と一緒に現世を見てみろと言われた
そう言われたらぼくの中にある好奇心が疼いてしまう
だからぼくはおっさんに言われた通りに現世に行きおっさんの息子を見守ることにした
ぼくが現世についたときおっさんの息子は5歳になっていた
それこそ顔がそっくりだった
けどめちゃくちゃおっさんのことを憎んでいた
どうやらおっさんは現世だと悪者扱いというより海賊事態が悪者という括りになってる
(まぁ当たり前のことだよな)と内心思ってしまった
君は実父であるおっさんを憎みつつも海賊になるためシルクハットの少年と一緒にお金を貯めていた
君が10歳になったある日麦わら帽子の少年が現れた
最初は二人は麦わら帽子の少年を相手にしなかった
けれど麦わら帽子の少年は悪い大人に捕まってひどい暴力をされてもも二人のことは話そうとはしなかった、二人が貯めていたお金のことも…
その事もあってか二人は麦わら帽子の少年を助けた
けど悪い海賊に追われることになり三人は山賊に匿ってもらうことになった
(この山賊の女性めちゃくちゃ嫌そうだな…)と内心ぼくは苦笑いした
その後の君はとてもイキイキしていた
盃を交わして義兄弟もできた
その絆はシルクハットの少年が貴族の生まれだって知っても変わらなかった
けれど現実は君たち兄弟には厳しかった
シルクハットの少年の両親が彼を連れ戻した
貴族が君たち兄弟の思い出の場所を燃やした
そしてシルクハットの少年が貴族に対して絶望したのか、彼は先に海に出た
けれど天竜人の船を横切った
たったそれだけのことで彼が乗った船は爆破され沈められてしまった
でも黄泉の者であるぼくは知っている
彼は生きていた、彼の魂が黄泉の国に逝く様子が見られなかったから
(よかった……彼は無事なんだ……でも……)ぼくは君にその事を伝えられない
黄泉の者は現世でいう幽霊だからぼくは生者に認識もされないしぼくは生者には触れることすらできない
すり抜けてしまう
そして彼はシルクハットの少年が残していったと思う手紙を読んで泣いていた
泣き叫ぶ君にぼくは涙を拭ってあげることも頭を撫でることすらできない
少し胸がチクッとなった
それから時がたち君は17歳になった
そして君は海に出た
そして無人島で遭難した
(アホなの?)と内心思いつつぼくは君らしいと笑ってしまった
けれどそこで君は炎の力と最初の仲間を手に入れた
そして君は徐々に仲間を増やしていき
【スペード海賊団】の船長になった
ぼくは初めて君の海賊旗を見た日の夜
自らの左の手の甲にスペードの中心にアルファベットのAの文字を入れたセンスのない刺青を入れた
一応幽霊だけど痛みは感じるから入れるのは結構痛かったけど
ぼくも君の船員の一人になれた
そんな気がした
彼の冒険は目まぐるしいものだった
美人の女性海兵と仲良くなったり
ワノ国で知り合った幼女とワノ国の支配者の娘と仲良くなってちょっと胸の奥がモヤモヤしたけど
君にとって価値ある日々なんだなってぼくまで嬉しくなってしまった
そしていろいろあって君は四皇の一人である【白ひげ】に戦いを挑んで
敗北した
白ひげという人は不思議な人だった
敵であったはずの君を仲間にしようとするなんて
君も白ひげを100回くらい殺そうとしたのに
白ひげの父性や白ひげ海賊団の暖かさに触れて
気がついたら君や君の仲間たちは白ひげ海賊団の仲間入りをしていた
君は白ひげを【親父】と呼ぶようになった
親父……父親か……お祖父ちゃん的な立場の人はぼくにもいるけど
まぁ人と言うよりデカイ木なんだけど
まぁぼくにとって船長は君しかいないからぼくは白ひげのことは【大船長】って呼ぶことにしたし
手の甲のマークも変えるつもりはない
仲間が裏切り者に殺された
君は裏切り者にとてつもない怒りを感じていた
だから裏切り者を一人で追いかけた
道中君は弟くんと再会し
海軍に潜入しながらも裏切り者を探し
そして見つけて戦いに挑み
裏切り者の能力に敗北して君は海軍に捕まり幽閉された
どれほど時間がたったのだろうか
鎖で繋がれた君をぼくは助けられない
鎖に触れようとしてもすり抜けてしまうことがこんなにもどかしいなんて
そして君が外に連れ出された
君は海賊王の息子として処刑される
そんなのあんまりじゃないか
すると大船長率いる白ひげ海賊団が君を助けるために現れた
そして君の弟も君を助けるためにボロボロになりながらも駆けつけた
そして君を縛る鎖は解かれた
よかったとぼくは思ったのはつかの間
大船長を【敗北者】と言いはなった赤い海軍大将の言葉に
「取り消せよ……今の言葉!!!」
(だめだそれは挑発だ!!)
ぼくは思わず君を抱きしめて止めようとした
でも身体がすり抜けた
そして君は弟を守るために赤いマグマに胸を貫かれた
君は弟に声を振り絞るように
「愛してくれて…ありがとう」と言い残しその魂が黄泉の国に逝く姿を目の当たりにした
逝く直前君と目があった気がした
そして君の死に顔はとても安らかに笑っていた
ぼくは結局なにもできなった
なにも……
『よかったじゃない……彼がこっち側に来てくれて』
(えっ…?)
脳裏から聞こえたのはぼく自身の声だった
『あぁ、でも彼は君を認識してないから…意味ないか…』
なんだこれ
うるさい
黙れ
『君本当に彼の海賊団になったつもりだったの?見えてないし声も届いてないし…それでも刺青までいれて船員気取ってとても可哀想』
うるさいうるさいうるさい
ぼくは
黄泉の国に戻ったぼくは一から君と関係を作る
でも君の顔を直視すると泣きそうになるから
自ら作った笑顔のお面を身に付け
手の甲の刺青を見られないように手袋をつけた
「初めまして、ポートガス・D・エースさん
ようこそ黄泉の国へ」