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⚠不穏でしかない
超初心者
『この船は沈没します』
このアナウンスが聞こえて早10分
意識不明の重体になってしまうほど
空気足らない、息もできない
備え付けの空気ボンベでかろうじて耐えているがもう5分も持たないだろう
それなら最後に楽しいことして終わりたい、笑顔で最期を迎えたい
なんて呟けたら良かったな
….でも君は分かってくれた
とびっきりの笑顔で「よっしゃ!遊ぶで!」って言ってるように聞こえて、
僕もそれに相応するぐらい笑った
二人で遊ぶと2倍に楽しかった
もちろん海の底じゃスマホも繋がらない
だからやりたいことができたわけじゃない
けど、人生の最期はこれでもいいかな
僕はもう動かないそいつに、そう話しかける
乗客とボンベの数が合わなくて、他の人に渡して受け取らなかったお前はすごいと思うよ
僕らは上級のクラスの客だったから優先して渡されたにも関わらずにね
僕は他人のために死ぬことなんかできっこないから、そのまま受け取った
すでに命の灯火が消えた、あいつの抜け殻
いつも通り話しかけたら返事が返ってきた
ように思ったけど、実際は全て僕の妄想だったみたい
分かってくれた…と思い込みたいだけだった
あいつは最期まで笑っていた
「大丈夫、僕らきっと生きて帰れるよ」
そんな風に言えたらよかった
結末なんてわかってた
あいつは生きて帰れない
下級の他人の命を優先し、自分の命を棒に振ったんだ
….いや、雲雀としては最善を選んだのかもね
いつも見たいな生活は泡みたいに一瞬で弾けて消えた
今は非日常を味わっている
味わいたくないものを味わうときは最悪な気分になるものだ
到着した救助隊員の船
醜くとも僕は生にしがみつく愚か者
船に乗り込み、さっきまで穏やかだった船があっただろう場所を振り返る
そこには、
雲雀のトランクが海から顔を出していた___
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