テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
💛「、…桜花?」
綺羅の手からどさっという音と共に花束が床に落ちた。
🤍「綺羅!!あのね、今日が桜花の…」
💛「どういうこと、意味が全く、…」
🤍「桜花の月命日で、現実との境界線が曖昧になったからここに居るんじゃないかって、」
🤍「それで、それで…会いに来てくれた。」
💛「、…やっぱり意味がわからないよ。」
💛「だって、あの時確実にッ!!、…私の目の前で、」
段々過呼吸になっていく綺羅を落ち着かせる。
🤍「綺羅、落ち着いてっ。」
💛「違う、違う、違う、違う、違う、」
💛「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、…」
🤍「ちょっ、綺羅…何言って」
頭を抱えてうずくまり呪文のように言葉を連ねる綺羅に私はどうしていいのか分からなかった。
💜「綺羅、大丈夫だよ。落ち着いて。」
その言葉が私たちの胸に響く。
💛「…、ごめんなさい、」
💛「私、私に会う資格なんてないです…、。」
🤍「ッ、へ?ちょっと、綺羅!!」
綺羅がいきなり駆け出して私たちの元を離れる。
追うべきか追わないべきか。
桜花をここに1人残しておくのは嫌だ。
もう彼女から離れるのは嫌だ、2度と。
🤍「ちょっ、!!っ…、」
でも私が綺羅を捕まえに行かないと、
綺羅と桜花はもう2度と会えないかもしれない。
今の綺羅に桜花が会いに行っても避けられるだけ。
桜花を見つめる。
桜花は下を向いていて、さっきまであった瞳の光が消えていた。
🤍「はあ、ったく…手間がかかること…、」
💜「うん?」
🤍「綺羅を捕まえてくる。」
🤍「いつもの海辺にいて。」
💜「あ、あの、…。」
桜花の返事を聞く前に、綺羅が走り去った方向に私も駆け出す。
ーーーーー
まず綺羅の家。
次に学校。
子供の頃からよく遊んだ公園。
桜花が居れるのはいつまでか分からない。
夜が更けたら?それとも明けたら?
その前に絶対に綺羅と桜花を会わせなきゃ。
今会わなきゃ絶対に後悔する。2人とも。
町中を走り回ってやっと見つけた。
道路の端に街灯を反射する長髪。
そっか、そこが_________
ーーーーー
🤍「事故が起きた現場にいるなんて。」
💛「っ、…。」
🤍「逃さないよ。」
💛「探してなんて、…頼んで、ないし…。」
🤍「はあ、もう。」
💛「、ご、ごめん…」
🤍「ねえ、会ってみない?」
🤍「多分、後悔するよ。」
💛「会う資格なんて私にはないよ。」
🤍「資格なんていらない。」
綺羅の重たい口が開く。
💛「あの事故が起きた時、」
ーーーーー
💛「桜花〜。」
あの時、放課後よく2人で散歩をしていた。
中学生で放課後遠くにも行けないし、公園なんかは人が多いし。
散歩は2人だけの世界になれる気がしたから、
周りの音が2人の世界に干渉しないただのBGMみたいに感じれたから、良かった。
💛「桜花ってさ国語得意だったよね?」
💜「そうだけど、どうしたの?」
💛「何かお洒落な日本語知ってるかな〜って思って!!」
💜「お洒落な日本語、……あ。」
💜「『月が綺麗ですね。』かな。」
💛「何それ、初めて聞いた。」
💛「どういう意味なの?」
💛「まだ夜じゃないし、」
💜「さあね〜、笑笑。」
💛「もうっ、笑!!」
直線の道路が続く大きな交差点。
私たちが渡る横断歩道は青信号だった。
確かに、青だった。
なのに。
なのに、どうして私の目の前は“真っ赤“に染まっているのだろう。
一瞬感じた背中への圧力。
私は前に突き飛ばされた。
咄嗟に後ろを向く。
前も向く。
でも、何処にも居ないんだ。
君が。
何処からか聞こえてきた叫び声。
道路からずれて電柱に衝突したトラック。
数メートル先に横たわった身体。
💛「違う、違う、違う…」
震える身体に鞭打ってそこに向かう。
赤。
赤。
赤。
その中心に横たわっている大切な人。
💛「駄目、駄目、まだ…っ」
何も聞こえない、何も考えられない。
私の目の前に広がるのは赤色だけ。
そこからは光のように一瞬だった。
気がついたら病院に居た。
いつの間にか桜花は私の隣には居なくて小さな骨壺の中。
あの時以来、どうしてか私の目に映る全てのものはフィルターがかかったように
赤みがかかっていた。
どうして。
なんで。
あの時以来、私の人生は終わってしまったんだ。
next
※長すぎますよね、、次で完結させます!!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!