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2章
2週間後 朝
リビング
叶))は〜……やぁっと動ける……
太))おめでとう叶夢君、自宅待機がやっと終わるね
叶))お前は1週間前から行ってもいい筈なんだがな?
太))私は叶夢君の為に色々しなきゃいけなかったから〜、学校なんて言ってられないよ〜(笑顔)
中))唯学校サボりたいだけだろ、ったく……
太))ちぇ、バレてたか
中))まず逆になんでバレねぇと思った?伊達に手前ェと腐れ縁やって5年間同室してねぇよ
太))中也なら莫迦だし欺けると思っていたけれど……そこまで入れてなかったよ
中))誰が莫迦だっ!
叶))…………(見慣れたな〜…)
叶))(それにしても、この2週間色々あったな……)
1番印象深いのは、異能が確定した日、その日の夜だ、面会に行ってた先生の話を中也から聞いて、驚いた
中))叶夢の言ってた通り、久保田憂一は姫魏キリカの共犯者だった、それと同じ様に憂一がゲロって……
「姫魏さんが咲華蛇さんを呼び出した時に居た人達は全員、共犯者です」
中))……だとよ…それと…
「姫魏さんは、校内でも話題になってる不審者と話をしていました」
中))……とも言ってたらしい
叶))……(姫魏キリカ……あの時の俺の勘は当たったのか?)
『演技の様な気がして』
?))……く…、叶……ん、…夢君…!
叶夢君!
叶))っ!
太))……大丈夫かい?ぼーっとしていたけれど…
中))体調が良くねぇんだったら今日は休むか?
叶))あ、いや……平気だ、心配ない
中))そうか、ならいいんだが……
太))あまり無理はしないでね?運ぶの大変なんだから
叶))おう、それじゃ行こーぜ、久々の学校だ
下駄箱前
太))では叶夢君、気を付けてね
叶))あぁ、お前らもきぃつけろよ
教室
先))今日から咲華蛇が登校出来る様になった、ギプスや包帯は取れていないから、皆、優しくするように
生徒))はーい
キ))……チッ
叶))(今完全に姫魏舌打ちしたな?)
休み時間
叶))(リモートだったし、姫魏が絡んで来てたから、他の生徒と話した事無かったな……)
(周りを見渡してみると、見事に全員グループを作っていて)
叶))(はい、完全に孤立っと……)
叶))(まぁいい、1人ハブは慣れてるしな、今のうちに寝よ、また昼寝して5時起きなんてたまったもんじゃねぇしな)(机に伏して)
?))ねぇ、君
叶))?
?))えっと〜、咲華蛇君、でいいのかな?
天))僕はこのクラスの学級委員長の、佐藤天駆(さとうてんか)、見た目で分かるだろうけど……僕の異能は天使の能力を使える異能さ、宜しくね
叶))あ、あぁ、宜しく頼む……俺は咲華蛇叶夢……(異能は黙っておこう…)無能力者だ、現在右足骨折、背骨ひびいりのボロボロ身体です
天))あはは、まぁ、災難どね…足の骨とか背骨とか……
叶))……なぁ
天))ん?
叶))嫌だって訳じゃないんだが……どうして俺に声をかけたんだ?
天))だって、1人だけ寂しそうだったからさ……入学して数日後に骨折とかして、リモートになっちゃって……クラスに馴染めてないでしょ
叶ゔっ……図星付かれた……
天))あはは、だから、少し君と話してみたくてね、話した事も無かったし
叶))……あ〜、そうだな、ありがとう
天))ううん、僕の方こそ
天))僕ね、生まれつきこの羽と輪っかがあったから、色んな人から避けられてた人生だったんだ
天))此処でも見た目で怖がっちゃう人が居て…
天))……だから、怖がらない君が、僕はとても嬉しいんだ
叶))……見た目云々じゃないが、俺も、似たような経験をしてる
叶))俺、病気で普通の人より早く髪が伸びちまってたんだ、今は伸びてねぇけど、切ったらすぐ伸びる
叶))だからそれでずっと、虐められてた、小学2年から卒業まで
天))そっか……似てるね
叶))そうだな、境遇が少し似てるから…俺はお前を怖がらなかったんじゃないか?
天))そうなの?
叶))いや知らねぇけど……
天))……あはは、咲華蛇君、ありがとね!(笑顔)
叶))……此方こそ(微笑)
昼休み 屋上にて
敦))へぇ〜、じゃぁ叶夢君、クラスの中で友人が出来たんだね
叶))まぁ、そういう事……なのか?
谷))そうだよ、良かったね
叶))……あぁ(嬉しそうに)
芥))ふん、僕は友人なんぞ要らぬ、友人を作るのは弱者のする行動だ
敦))本当はこの厨二病っぽい喋り方で人が寄り付いてこないから作れてないだけだよ
芥))……人虎(圧)
敦))……それじゃ僕先に戻りますね!叶夢君!友人は大事にするんだよ!(急いで屋上から出てって)
叶))お、おう……
芥))待て人虎!今日こそは八つ裂きにしてやる!(敦を追って行き)
谷))……今のは敦君が悪いと思う
叶))それな……あと……
国))おい太宰っ!!お前また授業サボっただろう!一寸ぐらい参加しろ!生徒会としての面目が立たんではないか!
太))え〜、だって出た所でつまらないし〜
中))それで迷惑かかんの俺達だっつぅこと分かってんのかぁ!?
太))別に私中也がどうなろうと気にしないから良いよー
2人))お前/手前ェ なぁ!?
叶))……あれ、どうすんだ?
谷))…………(目逸らしてご飯食べてる)
叶))あ、無視っすね分かりました
立))何時もより言い合いが少ねぇから、あんま気にしなくて良いと思うぜ
叶))立原……何時もはあれ以上なのか…?
立))………ノーコメントだな
叶))やっぱそうじゃねぇかっ!!あ〜ヤバ、胃が……
鏡))お疲れ様(スっと胃腸薬を叶夢に渡して)
叶))おうありが……いや待て何処から出した?
鏡))企業秘密
叶))あぁ、そっすか………
その後何事もなく一日を終え、次の日
通学路
叶))ふわ…ぁ……(欠伸)
叶))たくっ、彼奴らめ……登下校ぐらい護衛しようって言っといて朝っぱらから喧嘩して出来ないとか…ほんっと辞めて欲しい……というか喧嘩自体辞めて欲しい…俺の胃が持たん……
天))あ、咲華蛇君、おはよう
叶))天駆、おはようさん、同じ寮だったのか
天))そうみたいだね、あ、そうだ
天))これからは一緒に登下校しようよ!君さえ良ければ、だけど……
叶))あー………下校は多分無理だが、登校ぐらいなら…毎度毎度同室の2人が喧嘩して一緒に行けねぇし……
叶))もしその2人が一緒に行けたら、どうしよ……
天))そっか……まぁ、登校一緒に出来るのなら嬉しいよ、同室の人達が一緒に来ても、僕は大丈夫だから、一緒に行こ!(笑顔)
叶))分かった、ありがとう(微笑)
天))此方こそありがとう!(笑顔)
玄関前
叶))あ
天))え?
キ))……来たわね
叶))…授業受けないといけねぇからな
キ))机と椅子、2週間程前無くなっていたそうじゃない
叶))そうだが、何か?
キ))……何処にあるか、私は分かるわ
叶))……そうか、もう新しく新調してるしそれを言ったところで意味は_____
キ))新しい机も椅子も隠したわ、見つけるのは困難でしょうね
叶))……そこまでして、俺をどうしたいんだ、この間の件で意味がねぇ事ぐらい分かっただろ
キ))………よ
叶))?
キ))貴方を孤立させる為よ
叶))……へぇ、それはどうして
キ))……その態度、ほんとに気に入らないわ……貴方みたいな人はね、社会に出てもお荷物になるだけよ、だから
キ))この場所から、消えて欲しい
叶))……
天))一寸それは___
キ))黙りなさい、学級委員長
天))……
キ))……唯、こんな学園に入れたんだもの、退学しろまでは言わないわ
キ))……いや、その方が良いのかもね……(ボソッ)
叶))……?
キ))貴方にはもう空気になってもらいたいの、誰にも構われず、生徒会様方や風紀委員会様方にも迷惑かけず、部屋の隅で縮こまって学園生活を謳歌しなさい
キ))…それが、私の、貴方へ要望する事よ
叶))……悪いが、俺はもう生徒会の一員だ、それは出来ねぇかもな
叶))それに同室の2人がそんな状況見逃さねぇって、だって__
太))面白い話でもしているのかい?混ぜてよ(笑顔)
中))孤立がどうの言ってたが…一体どういう事だァ?
叶))……頭の良くきれる生徒会員と、風紀委員長だからな?
キ))………そう、では私にはどうする事もできないわ(去ろうとして)
キ))…………準備室の1番目立つことの無い場所…(ボソッ)
叶))?(準備室の1番目立たない場所…?)
太))……叶夢君?大丈夫だったかい?
叶))あ〜、平気平気、唯口論になってただけだ
天))咲華蛇君……
叶))……悪いな、なんか巻き込んじまって
天))ううん、僕は良いんだ……咲華蛇君の方が心配で……
叶))大丈夫、小学の時の虐めのせいでメンタルは強ぇから!
中))自分で言うか?
叶))事実だしな
天))……あはは、そっか…なら良かったよ
天))……何かあれば、僕にも頼ってね、そこの2人よりは頼りにならないかもだけど……
叶))おう、ありがとな!
天))うん、っと…そうだ、僕先に行くね!委員長の仕事があったの今思い出したよ!それじゃ!(笑顔で学校に走り出し)
叶))おう、またな〜
太))今のが、昨日話していた友人かい?
叶))ん、そう、佐藤天駆って言うんだ、良い奴だぞ
太))……ふーん…(目を細め)
中))なぁ、俺らもそろそろ行かねぇとやばくないか…?
太))あぁ本当だ、中也にしてはやるじゃないか
中))にしてはって何だっ!
叶))喧嘩辞めろー、俺の胃が死ぬ
叶))………
準備室
叶))此処の、1番目立たない場所………あ
(叶夢の見た方向に、真新しい机と椅子が置いてあった)
叶))……成程、俺の机と椅子か
教室
叶))………(姫魏、一体何がしたいんだよ…彼奴……)
昼休み 教室
叶))…ふぅ〜………(疲れたー……)
天))咲華蛇君!この後一緒にお昼食べない?
叶))天駆…すまん、昼は生徒会と風紀委員で屋上なんだ…今度昼時間取れたら一緒に食おうぜ
天))そっか……生徒会とかならしょうがないね、時間取れたら教えて!
叶))おう、それじゃまた後で
天))うん、また!(笑顔で手振)
天))…………
屋上
敦))またやられちゃったの!?
叶))やられたってかやられそうになった?未遂…いや、教えられなけりゃ見つけられなかったし違ぇか……
太))あのボソッと呟いていたのは叶夢君の机と椅子の場所だっんだね……
中))あ?なんか聞こえてたのか?
太))中也耳悪いの?「準備室の1番目立つことの無い場所」と言っていたじゃないか
中))耳は悪くねぇ、確かになんかボソッと言ってた気がするが聞き取れなかっただけだ
太))それを耳が悪いと言うのだよ、頭の方も心配だねぇ、1回与謝野女医に診てもらってきたらどうだい?
中))余計なお世話だ、頭は悪くねぇ
叶))そろそろ喧嘩やめね?部屋でもその調子だと俺の胃が死ぬ
国))叶夢……
叶))……んだよ
国))…まぁ、なんだ………頑張れ
叶))エールじゃなくまず此奴ら何とかしてくれませんかねぇ生徒会長様ァ?!
国))俺でもどうする事の出来んものはある、これがそのうちの一つだ
国))此奴らの喧嘩は並大抵の奴では止められん
叶))嘘だろ………ある種の死刑宣告じゃねぇか……
鏡))叶夢、昨日渡した胃薬の出番
叶))もう今日散々飲んでるわっ!
芥))愚者が、太宰さんと一緒になる事自体が奇跡なのだからそれぐらい耐え抜け
叶))俺お前みたいな事意識しながら生きてねぇんだわ!
叶))はぁ…はぁ………(ツッコミで息切れ)
叶))……とりあえず、俺そろそろ行くわ……また放課後
ガチャンッ
太))……叶夢君はもう降りていったかい?
敦))……はい、見たところもう居ません
太))そうかい……では…
緊急会議を開こう
(ちなみにこの時何を会議していたのか忘れました☆)
廊下
叶))あ〜………折角の昼休みだっつぅのに疲れた……
叶))ほんっと彼奴ら喧嘩辞めて欲しい、どれだけ胃に負担かかってると___
?))あ
叶))え
ドンッ
叶))っつ〜〜!(衝撃で倒れ)
?))おっとごめんね〜、怪我してたら与謝野さんの所行ってね、僕行くから、じゃ!(走早に去ろうと)
叶))ちょ、一寸待て!?
?))……何〜?僕今日忙しいんだけど(不機嫌そうに)
叶))……もしかしてお前…教師席の方に居た奴か…?
?))ん?うーん…居たっけ?
叶))いや居たぞ!特徴そのまんま!
叶))……って事は…お前が江戸川乱歩…!?
乱))おー!よく分かってるじゃないかー!
乱))そう、僕こそがこの世界一の名探偵!江戸川乱歩さ!(上機嫌に)
叶))やっぱりか………あ、俺は__
乱))咲華蛇叶夢君だろ〜?例の不審者に狙われてる異能力者
叶))……あ、そっか…
『「白衣の人達やこの他不審者は、今日来た咲華蛇叶夢の異能を欲している」』
叶))…あんた俺の存在わかってたな……
乱))あの時は名前だけだよ、そのあと履歴書見て知った
叶))人の履歴書他人が見れるもんな此処………プライバシーもクソもねぇ……
乱))ねぇそろそろ行っていーい?僕忙しいって言ったよね〜?
叶))あ、すまんな引き止めて……
乱))まぁ良いよ、僕みたいな名探偵と話せる機会なんてあまり無いだろうしね!それじゃ!(階段を上がっていき)
叶))………あ
叶))……ここからどう起き上がろ……(ギプス&包帯(松葉杖は遠い))
なんとか起き上がれて午後授業中……
叶))…………
叶))(此処に来て2週間と3日……今は4日目)
叶))(収穫はあったが、不審者はまだ捕まえられてない……いや、捕まえるだけが目的ではないと思うが……)
叶))(…………俺が何か考えたとて、何も浮かばねぇし…気にしなくて良いか……)
なんやかんや終わって次の日
通学路
叶))ふわぁ………
天))眠そうだね、徹夜でもしたの?
叶))してねぇけど、俺眠りが浅いんだよ…何時に寝ても朝の5時半頃には起きる……
天))5時半起きって凄いね…!?
叶))元々孤児院から来てな、その孤児院では朝6時起きで起きてても寝てろって感じで……結構キツかった………
天))ふーん…その孤児院って?
叶))太宰達が知ってたからお前も知ってると思うが……放火事件のあった孤児院だよ、俺がこの学園の制服取りに行ってる時にやられた…それで、皆……
天))あぁ……君はあの事件の生き残りだったんだ……災難だったね………ごめん、こんな事聞いちゃって…
叶))……全然大丈夫だ、こういう話したら出てくる疑問だしな……
天))なら、良かったけど………
叶))……そういやお前、今日もなんかあるんじゃなかったか?学級委員の仕事
天))……あ、そうだった!時間的にヤバイし…僕先に行っとくね!(手を振りながら走って)
叶))おう、また教室でなー
叶))…………最近、夢見が悪いんだよな…はは
教室
叶))…………(目を見開いて光景に驚いており)
天))……あ、咲華蛇君…(何故か叶夢の机を一生懸命拭いていて)
叶))……なんで俺の机拭いてんだ?
天))実は……さ………(叶夢に手招きをして)
叶))………(天駆の居る自分の机の方に行き)……っ(机を見て少し驚く)
(机には、悪口の数々がペンで書かれていた)
叶))……成程、これを消そうと……
天))うん……僕が来た時にはもうこの有様で………ごめんね、犯人は分からない……
叶))いや、大丈夫だ……拭こうとしてくれてありがとな……
天))ううん、友達の虐められてる所は、見たくなかったし……君が傷つかない様にしたかっただけだから……
叶))………ありがと…
叶))………(さて…と………絶対彼奴だよな…)
姫魏キリカ
叶))……(……まぁ、これ以上酷くなる様なら、先生に言おう……最初が1番酷いが………)
飛んで昼休み
屋上
叶))……まぁ、そんな事があった
中))やっぱ先生に言って退学にした方が良いんじゃねぇか?
太))それだと情報が手に入らなくなるよ、それと、前に叶夢君言っていただろう?
『主犯をどうこうしたら、共犯が何やらかすか分かったもんじゃねぇし……』
中))……確かに、言ってたな………
叶))……そういや、俺この間先に中入ったが……その後情報交換してたりしたか?してたなら教えて欲しいんだが……
国))いや、何もしていない、各々好きにしていた
叶))そうか………
叶))……取り敢えず、彼奴の事を報告するのはまだだ、共犯をとっ捕まえて情報吐かせてから情報次第でその先を決める
敦))……やっぱり叶夢君…中学生の発想してないよね………普通の人でもそこまで考えてないと思う……
叶))?そうか?……まぁこれでも頭フル回転させて考えたもんだしな………
叶))取り敢えず、また先に戻るわ、じゃな
敦))また放課後ね
叶))………”何もしてない”なんて嘘だな
次の日
教室
叶))………
(叶夢の机の上には花の入った花瓶が置かれている)
天))さ、咲華蛇君……あまり気にしなくても__
叶))……邪魔だな、この瓶(真顔)
天))……え?
叶))なぁ、この花瓶何処に置けば良いと思う?
天))え、えぇっと……空き教室の中にでも置いてたら良いんじゃないかな?(困惑気味で)
叶))おけ、んじゃ置いて来る(花瓶を持って)
天))う、うん……行ってらっしゃい………
天))…そういえば、小学校で虐められてたんだっけ……どうりで動じない訳だ………
空き教室
叶))………(窓際の棚に花瓶を置いて)
叶))………問題が片付くまでは耐えだ…イラついても……異能は使うなよ、咲華蛇叶夢………
昼休み
叶))……とまぁ、こんな事があった、典型的な虐めだな
谷))叶夢君がなんで平気なのかがよく分からない……いくら慣れてても異常じゃ……
太))谷崎君…それはもう今更だよ……
叶))慣れが1番恐ろしいからな、お前らも非日常にはあんま慣れねぇ方がいいからな気を付けろ?
敦))誰に向かって言ってるの……?
叶))コレ見てる読者に
中))メタすぎるだろ
叶))んで他は?報告
太))では私から1つ報告が
中))……なんかとてつもねぇぐらい嫌な予感がすんだが……
国))同感だ……太宰の報告程嫌な予感がするものは無い……
太))そんなに私の報告って不吉なのかい??流石の私でも少し傷付くよ?
敦))あの〜……そろそろ報告の方聞きません…?
太))気を取り直して、私の報告ね
太))この頃、動物の死体報告が多数上がっていると、先生方から聞いたのだよ、大体車道で死んでいるのならまだしも、歩道とかで刺傷の様な跡のある死体、顔面が潰れた死体、四肢がもげていたり、木の枝に刺さっていたり……色々な報告があってね
敦))そ、想像したら悪寒が……(背筋を伸ばして)
芥))ふん、たかが動物の死骸如きに怯える事などないだろう
叶))……そういや机ん中に動物の死骸突っ込まれてた時あったなー……
谷))突然の叶夢君闇エピソードやめて!?更に怖くなるから!
叶))あぁ、すまん……ふと思い出してつい……
谷))つい、で言って良い内容じゃないと思う!
国))それでお前は何が言いたい…
太))もしかしたら、なにかの予兆かもしれないと思ってね、なんせ明らかに人の手が加えられた死体が多いから
太))……刺傷のあった死体なんて……普通の刃物では無く、槍のような物だと言う事だし
太))注意ぐらいはしといて損は無いと思うよ?
叶))……(そういえば)
メールでのやり取り
叶))そういや天駆の能力って、何かしら弱点とかねぇの?
天))弱点?一応あるけど……どうして?
叶))いや……周りの奴らが条件付きの能力者が結構居るから気になってな……
天))あ〜、成程ね
天))僕の能力の条件はね、結構物騒なんだよ………
天))生物を生贄にして使えるって感じ……翼で飛ぶのは自由なんだけどね
叶))飛べるの羨ましいな……
叶))…………(考え込んで)
敦))叶夢君?どうかした?
叶))あ、いや……なんでも……
叶))………(まさか、な……)
なんやかんや放課後
叶))珍しいな、太宰が仕事してんの
太))偶にはやらなきゃいけないしね、別に国木田君に引っ張られて連れてこられた訳じゃ無いけれど
叶))(あ、引っ張られて来たんだな……)
中))おーい、国木田は居るかー?ちょっと確認してぇ事があるんだが……
叶))今は不在だ、職員室の方に行ってるぞ〜
中))せんきゅなー……太宰いんの珍し……明日槍でも降るのか…?
太))ねぇそんなに珍しい?私が此処に居るの
敦))普段太宰さんが真面目に仕事しないからこんな事になってるんですよ……
業務終わり 19:00
下駄箱
叶))あまりにも遅くなっちまったよ……
太))まぁ今回ばかりはしょうが無いんじゃない?トラブル続きだったしね
中))そっち機材の不具合だかなんだかでバタバタしてたもんなー、色々お疲れ
叶))途中叩けば直る理論でぶん殴りたくなった……
太))叶夢君のストレスが限界値になってる……
路地
太))ーーー〜?
中))ーーーー!
叶))ーー……ーーー……
叶))………ん?(偶々通りかかった広場を見る)
中))?どうした?
叶))……彼処、誰か居ねぇか?
太))彼処…?
(広場の中央には人影があり、その前には首を切断された猫の死体があった)
叶))……若しかして太宰が昼に言ってた動物殺しの犯人、彼奴か?
太))確実にそうだろうね……
中))じゃぁ今からとっ捕まえて……
太))待って中也、相手の目的が分からない以上手出しするのは
叶))……っ!2人共!彼奴、何かしようとしてるぞ!
(人影は、何かを大きく広げ、飛んで何処かへと消えていく)
中))……飛んで行きやがった
太))何かしらで飛べる異能…と考えた方が良いね
叶))………
叶))……(今の、完全に翼だよな…?……黒い、翼……)
叶))……人違い、なら良いんだが……(ボソッ)
次の日
通学路
叶))……………
天))いやぁ……昨日は災難だったね……朝は机に花瓶置かれてたり、授業中わざと君の集中力を切れさせるような事をして先生に注意される様誘導してたり……本当なら、直ぐにでも報告したかったのに君が止めてくるんだもん、あの時は正気を疑ったよ………って、咲華蛇君?聞いてるの?(首傾)
叶))…あ、すまん……昨日の疲れが残ってるみてぇだわ
天))そうなの?もしかして今度こそ徹夜でもした?
叶))徹夜……したかもしれんわ………考え事してたらいつの間にか日が出てたし
天))休み時間とかにでも仮眠ぐらい取ってね?体調管理は怠ったら駄目だよ?
叶))あぁ、心配ありがとうな
天))どういたしまして!(笑顔)
叶))…………
メールのやり取り
叶))悪ぃ皆、今日は屋上行けねぇ……
叶))少し調べたい事があるから、昼の時間使って図書室で調べる
敦))集まれないのは大丈夫だけど……護衛ってどうするの?今日は確か中也さんと芥川だよね?
叶))護衛に関しても無くて大丈夫だ、何かあっても自分の身は守れるようにはなったし……
叶))それに、そっちは一応生徒会、風紀委員会……屋上に全員居なきゃ怪しまれる、まぁ俺の場合居てもいなくても良いと思うから、こうやって単独行動したがってんだが……
中))護衛無しは分かった、無理だけはすんなよ?何かあれば連絡くれ
叶))分かってる、ありがとな
昼休み
中等部図書室にて
叶))…………(ファイルをペラペラ捲って)……あった、「佐藤 天駆」の履歴書
中等部1年履歴書ファイル
No,〇〇
氏名:佐藤 天駆
読み:さとう てんか
性別:男
年齢:12(記載された当時の年齢)
身長:165cm
体重:58.9kg
誕生日:10月5日
小学校:石崕(いしがけ)小学校
異能力:「天から降りし愚か者」
詳細:“堕天使”の力を使える異能、使うには生物を生贄にする事が条件となる(生物の中に植物は含まれて居ない模様)、飛ぶ事や、翼の色を白か黒に変える事に関しては自由らしい
叶))………”堕天使”…?天使ではなく?……翼の色を白か黒かに変えれる………なら、黒い翼に出来る…
叶))そして、能力を使う為には生物を生贄にする事が条件………
叶))………はは、あっははは…………
叶))……証拠が、揃っちまったよ……あっはは……
叶))……………(報告はしない、まだ、天使の能力と言った事に対しての答え、俺と関わった本当の理由が分からないから)
叶))………写真だけは撮っとこ(証拠となり得る場所をカメラ機能で撮って)
変更 最後の発狂部分(?)
叶))……能力使うにしても、なんでそんな大量に……?
(報告はしないのとこ消去)
午後授業中
叶))…………(天駆の方を見ている)
叶))(……生贄にするとしても、なんであんな酷い感じに…?普通に殺れば良いものを……)
叶))(…………考えても仕方ねぇか…授業に集中しねぇと)(黒板を見て)
放課後
叶))……………(険しい顔で考え込んでおり)
谷))か、叶夢君……?随分悩んでるけど……大丈夫?手も止まっちゃってるけど……(心配そうに)
叶))ぁ……す、すまん………考え込んでて止まってたの気付かなかった……
敦))………叶夢君、本調子じゃ無さそうですね
太))叶夢君が言ってた調べたい事というのについて色々と考えちゃっているんじゃ無いかい?
賢))そういう時は何も考えず、リラックスした方が良いですよ〜!
叶))出来たらそうしたいが………
叶))(友人が動物虐殺の犯人と言う証拠がどっさり出てきたら、そればっかり考えちまうよ……)
次の日
通学路
天))咲華蛇君?なんかこの間よりも顔色悪いけど、大丈夫?折角ギプスと包帯取れたのに……
叶))………なあ、天駆……
天))ん?
叶))一寸、質問しても良いか…?
天))急だね…良いよ、何でも聞いて、僕達の仲だから、どんな失礼な事でも答えちゃうよ!(笑顔)
叶))………最近、動物の死骸が多いの、知ってるか?
天))ん?うん、知ってるよ、帰りの会で先生から聞いたからね
叶))………刺殺されてたり、顔面が潰されてたり、四肢がもげてたり、木の枝に刺さってたり……してるんだってよ
天))そんな惨い方法で殺されてるんだ……可哀想に……(悲しそうに)
叶))………お前じゃ、ねぇよな…?(言葉を震わせながら)
天))………え
叶))お前が、動物を殺してる犯人じゃ、ねぇよな…?
天))…………
叶))なぁ、答えてくれよ…俺、本当はお前の事、疑いたくねぇんだ……
叶))……違うって…否定してくれ………頼む…………(涙を堪えながら)
天))…………
叶))……黙んじゃ、ねぇよ………
叶))頼むから…否定してくれ……違うなら、違うって言ってくれ…っ
天))……咲華蛇君
叶))…?
天))………ごめんね…
叶))……ど、どうして謝って__
天))動物殺しの犯人は僕だ(真顔で)
叶))っ!(目を見開き)
天))……僕が、動物を刺して、潰して、もいで、突き刺して……
天))切って、ぐちゃぐちゃにして、殴って、蹴って、溺れさせて、締め上げて、苦しませて……
天))生き埋めにして、吊し上げて、電撃して、焼き殺して、カラスに食わせて、殺して、殺して……殺した
叶))……う、そだ……(衝撃のあまりその場に座り込んで)…じゃないと___
天))嘘じゃない、全部僕がやった事だ
叶))っ………なん、で…どうしてそんな事を!(泣きながら)
天))そこまで答える事は出来ないよ、咲華蛇君
叶))………(俯き)
天))……そろそろ、頃合かな………
天))……咲華蛇君、君が僕の事をどう思っていたかは、この際どうでも良いけど……
天))僕は君の事を、心の底から友達とは思って無かったよ
叶))っ!
天))……じゃ、僕はこの儘学校サボらせて貰うね!もう二度と会う事は無いと思う!バイバイ!(笑顔で言った後、何処かへと飛んでいき)
叶))ぁ、待てっ!!
叶))………う、うぅくっ………
『心の底から友達とは思って無かったよ』
叶))うあ゛ぁぁぁぁっ!
路地裏
そこには誰かと電話している天駆の姿があった
天))……えぇ、計画は順調に進んでますよ、今やっと重りを外せたので早めに準備は整うと思います
天))えぇ……はい、「咲華蛇叶夢に近付いて情報を得る」、と言う仕事ですよね、取れる情報は少ないですが、繋がりのある人達にとっては役に立つのでは?
天))………はい、後ほど情報は送らせてもらいますよ
天))………「良く裏切れたわね」?ふふっ、裏切る事は得意ですよ僕
天))だって……
(羽の色が変わってるアイコン)
天))堕天使は、神をも裏切ってるんですから♪
保健室
叶))……ん、んん………(目を開ける)
叶))……あれ、どうして俺……保健室に…?
与))太宰達が倒れてるアンタを見つけて此方に駆け込んで来たのさ
叶))与謝野先生………けど俺、倒れてなんて___
『心の底から友達とは思って無かったよ』
叶))っ!………(眉間に皺を寄せ)
与))……2人の事呼ぶかい?
叶))………頼みます
与))分かった、呼んでくるからアンタは安静にね
叶))うす……
ガラガラ
叶))………天駆…お前は……一体…………
暫くして
双))叶夢/君!
叶))吃驚したぁ……そんな声荒げんなって…(苦笑)
太))だってあんな……顔面グチョグチョにして倒れていたら心配になるでしょう?
叶))うっそだろ………そんな酷い顔して倒れてたのかよ俺……なんか恥ずー……
中))んで……大丈夫なのか?
叶))おう、心配かけて悪いな、この通り身体は元気だぞ(ふふん、と誇らしげに)
中))なんで誇らしげなんだよ……
太))それで叶夢君、単刀直入に聞くけど……何故通学路で倒れていたんだい?
叶))あー……それがな……
叶夢説明中
叶))……って事だ
太))成程……天駆君が動物殺しの犯人だったと……
中))ひっでぇ別れ方だな…そりゃ叶夢も顔面ぐっちょぐちょにしてた訳だ
叶))掘り起こすの辞めてもらって良いか??
太))……元気そうだね?友人と思っていた人から裏切られて酷い別れだった筈なのに
叶))……そう見えんだったら良かったよ………これは虚勢に過ぎねぇ…正直、まだ整理もついてない………頭ん中ぐちゃぐちゃで、今にでも泣き喚きそうだ……
叶))……けど、今は堪える、泣いたってどうにかなる事じゃねぇしな
太))…それじゃぁ、今後は佐藤天駆の捜索からかな?(微笑)
中))暫くの間休む事伝えとかねぇとな〜、それに手分けしねぇと
叶))あぁ、頼むな(笑顔)
生徒会室
国おい太宰、至急生徒会室に集まれとは、大事出ない限り許されんぞ
太))やだなぁ国木田くぅーん、大事だから呼んだんじゃないか〜
太))実は、この間話していた動物殺しの犯人、分かったのだよ
敦))ほ、本当なんですか!?(驚き)
太))あぁ本当さ、なんせ、叶夢君が本人に聞いたからね
双黒以外))えっ!?(目を見開き)
叶))……犯人は、佐藤天駆……俺が、友人と思ってた奴だ
谷))「思ってた」…?
叶))本人は、俺の事を友人とは思ってなかった様でな、だから「思ってた」なんだよ
叶))………天駆だと思った理由は3つ、1つ目は、太宰から話を聞いた直後だ
叶))彼奴とメールでやり取りしててな、その時に異能の条件を聞いた
叶))条件は「生物を生贄にする事」…飛ぶ事は自由に出来る、そう聞いた
叶))ファイルにもそこら辺は書いてあった、だが自由にできる事はもうひとつあった、これが2つ目に繋がる
叶))3日前の19時頃中也、太宰、俺の3人で帰ってて、偶々通りかかった広場に人影ど其奴の目の前に首を切断された黒猫の死体があってな、直ぐに動物殺しの犯人っつぅ事が分かった
叶))だが一応、観察に徹してたんだよ、そしたら……
叶))黒い翼を広げて飛んでった、そこで不信感が更に強まって天駆の履歴書を見る事にした、単独行動してたのは、早とちりでお前らを振り回したく無かったからだ
叶))まぁ案の定、証拠がどっさり出てきた訳だが……
叶))自由に出来たのは、飛ぶ事以外にも、翼の色を白か黒かに変えることが出来る事だった、一見ショボイだろうが、俺みたく何も知らない奴なら偽るのは結構効く、だから「天使の能力を使える」っつぅ嘘も鵜呑みにしてた訳だ
叶))んで最後3つ目、これは直接本人に聞いて疑いが確信に変わったんだよな……辛いってもんじゃ無かった……
叶))今日、2つ目までの証拠の元、一緒に登校してる時聞いた、冤罪なんだと言うことを信じて……だが、違った
叶))冤罪では無かった、本当に「動物殺しの犯人」だった……殺し方すら自白したも同然の言葉も発してた……
叶))……その後、学校サボるっつってどっかにか飛んで行ったよ
全))……………
中))あー……たぁそんな訳だから、手分けして佐藤天駆の捜索をする、先生にはもう休み取る事は報告済みだ、今日からでも明日からでも良いが、適度に休みつつ捜索するようにな
コメント
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やばい読んでて あ〜こうだったなぁっていう懐かしいと思う気持ちと あっ、、グロい、、、あぁ、、叶夢くん、、!(泣)っていう恐怖と悲しみがごちゃ混ぜになってすっごい今気持ち複雑
ひっさびさに晒し投稿……