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#ハッピーエンド
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レンブラントの挑発に、フロリーナは乗ってこなかった。ガドバルドの「連れていけ」という一声で、退場せざるを得なかったのだ。
フロリーナ達が姿を消したあと、自警団はまるでホウキでゴミを掃くかのように、倒れている手練れ達も倉庫の外へと連れ出される。
そうして倉庫には、ベルとレンブラント。それからガドバルドと、レンブラントの部下が残るのみ。
満身創痍のパウェルスは、倉庫の入口で人質に取られていた孫娘と無事に再会することができた。
ただ孫娘は、怪我だらけのパウェルスを見て「こんなの、おじいちゃんじゃない!!」と大泣きしている。
違う意味での涙の再会となってしまったが、すぐに本人だと気付けるはずなので、そこまで問題視しなくても大丈夫だろう。
ベルは弱り切った表情を浮かべるパウェルスをちらりと見る。見た目は打撲や擦り傷があり痛々しいが、孫娘を抱き上げてあやしている彼を見て目を細めた。
(このささやかな幸せは、私が絶対に守る)
ベルは表情を改めると、横にいるガドバルドと向き合った。
「では、私も連行願います」
フロリーナの前で領印を偽装したことを追及しなかったのは、きっと彼なりの優しさだったのだろう。
レンブラントは自分が恐れているようなことにはならないと言ったが、罪は罪だ。これ以上、ケルス領の件で他領民を巻き込むことはできない。
そんな気持ちでぺこりと頭を下げたベルに、返ってきたのは予想外の言葉だった。
「頭を上げてください。あなたは無実です。それと安心しなさい、この領印は本物です」
「は……?」
(は……?)
つい思ったままを口にしてしまったベルだけれど、ガドバルドは咎めることはなかった。
彼は、微笑んでもいなければ、憐みの表情も浮かべていない。
酷く苦いものを口の中に含んでいるような、それでいて何かの決断に迫られているような切羽詰まったような顔をしている。
(えっと……どう読み取ればいい……の??)
ベルは答えを探すように、じっとガドバルドを見つめる。
対してガドバルドは、ベルの視線に押されるように一歩後退しようとした。しかし、それを引き留めるかのようにレンブラントが口を開いた。
「副長官……いや、フォンク卿。ここまでお膳立てしてやったんだから、いい加減腹を括ってくれ」
目上の人に対して随分と横柄な口を叩くレンブラントに、ガドバルドは一瞬だけ視線を向けると、何かを言いかける。
だが口を噤んだガドバルドを見て、ベルは小さく息を吞む。
(フォンク卿……ん?あれ??どっかで聞いた名前だ)
その名に引っ掛かりを覚えて記憶を探るベルだが、答えにたどり着く前に眼前にいるこの男性が誰なのかを知ることになる。
遅れてやってきたダミアンによって。
「あーいたいた!ベルちゃん大丈夫!?怪我は無い!?あっ、レンがいるから大丈夫か。ま、取り敢えず良かった、良かった……ん?げっ!」
ベルの演技によって自警団の詰所に連れて行かれたダミアンは、そんなことなどなかったかのようにヘラヘラと笑いながら倉庫に駆け込んできた。
しかしガドバルドと目が合った途端、ぎょっとした様子でその場に直立した。
「なにが”取り敢えず良かった”だ。このバカ息子め」
地獄の番人のような低い声を出したのは、ガドバルドだった。
ベルは、そんな二人を交互に見つめる。
(ダミアンさんと、ガドバルドさんが親子……つまり……つまり……へ??う、嘘!?)
ガドバルドと自分は親族だということに気付いたベルは驚きのあまり、すぐ傍にいるレンブラントの上着をぎゅっと握ってしまった。
コメント
1件
うわああ第100話おめでとうございます…! そしてこの展開…ッ! ガドバルドさんがダミアンさんの父親で、さらにベルさんの親族って…本当に予想外でした。レンブラントの上着をぎゅっと握るベルの動揺が伝わってきて、こっちまでドキドキしました。領印が本物だったっていうのも衝撃で、もう次の話が待ちきれないです…!