「…な、なぁ」
「この子、絶対死に至る気配がするのだが…」
「大丈夫っすよ」
二人は部室で心霊映画を見ていた。
「というかなんでサブローくんがここにいるんすか」
「さっきから居たぞ!?」
「僕、降臨」
そういい部室のドアを開けると、ハックが居た。
DVDをプレイヤーの中に入れて映画を見ようとしていた。
「何を見るんだ?」
「恐怖の館…結構面白そうっすね」
「では僕も拝見しよう」
そういうがハックはDVDに夢中になりサブローの気配には全く気づいていなかった。
「あー…全く気づかなかったっす」
「酷いな…」
「ハックはこういう系大丈夫なんだな」
「まぁ、一応慣れてるっすし…」
映画を見ながらそう言うと、サブローも対抗して
「ぼ、僕も霊の力など通用しないぞ」
「めっちゃ震えてるっすよ…」
体が怖さで震えていることにハックは気づいた。
サブローは深呼吸をして映画を見ることに集中しようとした瞬間
「呪ォォォ……」
「「うわあああっ!!!」」
モニターから幽霊が出てくるという何ともベタな現象が起きてしまった。
それにビックリしたサブローは声を出してハックに抱きつく。
ハックは慣れていると言っていたから驚いていないと思っていたが…
「……」
ハックもサブローに思いっきり抱きついていた。
サブローはハッとしてモニターの電源を切ると
モニターからでてきた幽霊はいつの間にか消えていった。
「霊も僕の力に恐れて逃げたんだな、きっと」
そう安心させるが、ハックは離れる様子はなかった。
「……なぁ、もう霊ならいなくなったぞ」
ずっと抱きついているハックに照れたのか、顔を赤くする。仕方なく一緒に抱きついて撫でてあげた。
すると正気に戻ったのか、ハックは顔を真っ赤にさせて顔を逸らした。
「ハックは急に出るやつが弱点なんだな」
「う、うるさいっす…」
そうからかうが、ハックはまだ顔を赤くしたままだった。
「「……」」
二人は気まずいままだった。
サブローは口を開いて声をかけた。
「僕の弱点は、脇だ。」
突然何を言い出したのか訳が分からなかったが
話を続けた。
「脇をこしょぐられるのが僕の弱点だ。」
「…やっていいぞ」
そう言って腕を広げると、ハックは遠慮なしに脇をこしょぐった。
「ふっ、ふふふ…あははっ、あははは!!」
「や、やめっ……やめ…てっはははっ!」
笑いながら辞めるのを要求するが、ハックはニヤリと笑って辞めなかった。
「もっ、もういい…だろ…!!!」
「まだ駄目っす。俺の機嫌が良くなるまでやるっすよ」
「死ぬ…死ぬぞ……!!!あはははっ」
「はぁ……はぁ…」
「笑い死ぬかと思った」
荒い呼吸を整えた。
だがハックはニヤニヤしながらこちらを見ている
ハックの弱点は確か腰の辺りだったな
「ここだっ」
「あっ、ちょっ、どこ触ってるっすか!!」
「やめ…ふふっ…あはははっ!!!!」
「さっき僕を長くこしょぐったお返しだ!」
サブローはハックの腰の当たりをこしょぐり続けると
ハックは涙目になりながらずっと笑っていた。
「あっ…そこはダメっすよぉ……はははっ」
「ここか」
「もう降参っす!!!!」
大声でそう言うとサブローは手を止めた。
ハックも同じように荒い呼吸を整えて、こう言った
「…俺を元気づけようとしてくれたんすよね」
「え?あ、あぁ」
「ありがとうございますっす」
少し笑ってお礼を言ってくると
サブローの顔は真っ赤になる。
「どうってことないさ…はは…」
「顔真っ赤っすね」
「ま、真っ赤じゃない!!」
ハックはいつもの調子に戻り、サブローをからかう。
「もう一回見るか?」
「…やめとくっす」
一生いじれるな、これ
そう悪巧みのような顔をしながら考えた。
二人は笑いあった。
「…(なんかこれ)」
「…(友達みたいっすね)」
二人は同じことを考えていた。
コメント
6件
クエっ(死⚰️)
と、尊い2人可愛いな〜