4ヶ月前に何百人の兵士を殺害して、魔王城から抜け出したイリス王女様。
一週間前に父である魔王様の御前に転移し、ヘルエアウィムを大いに沸かしました。
多くの貴族の期待をその一身に受けていたイリス王女は、この事件をきっかけに、嫌われものになってしました。
あ!自己紹介が遅れました。
私は幼い頃からイリス王女を見てきたメイドです。
例え、イリス王女がどのような罪を犯しても、私だけは、イリス王女を抱き締めるつもりです。抱き締める‥…‥
ウヘヘ。
ゴホン、イリス王女はとても、人見知りで、ご友人も少ない方です。なので、私がご友人の代わりになれるように、日々、努力しています。
「ご飯……べ……し‥…‥」
おや?遠くからイリス王女の声が聞こえて来ます。
誰かとお話ししているのでしょうか?
「イリス王女さ‥…‥」
私は声をかけようとしましたが、途中で途切れてしまいます。
「はい。ナカユビさんはどうですか?」
「あれは魔点機といって、」
「これから、食堂にいきます。」
‥…‥‥…‥‥…‥‥…‥‥…‥イリス王女が、ご自分の中指に幾度となく、言葉をかけていました‥…‥
なんと言えば良いでしょうか‥…‥とてもシュールです。
“私がご友人の代わりになる。”
それがこの瞬間、誓いになりました。
魔王城の食堂。
とても広く、友人に連れてかれた事のあるレストランより遥かに大きかった。さすがはお城。
その広い食堂の隅っこのテーブルで、カチャカチャと不便そうに左手を動かして、ご飯を食べるイリスに質問した。
『なぁ、3年後、本当に死ぬのか?』
「は、はい。魔力過度で死んじゃいます。」
魔力過度って何だ?栄養過多みたいなモノか?
質問を重ねたいが、これ以上質問するのは良くない。
ご飯たべてるからな。
めっちゃ集中して左手で、カチャカチャしてるからな。
今、話しかけたら、めんどくさい男扱いされてしまう。
焦るな綺羅々。情報収集は後からで良い。大人の余裕を見せろ。
一旦、自分を落ち着かせた俺は、イリスを見守ることにした。
が、
ドパッ!「あっつぅぅ?!」
イリスの頭に、通りすがっていた女が熱いスープをぶっかけた。
「あら、ごめんなさいイリス。居るとは気付かなかったわ。」
クスクスとお上品に笑う女に、イリスは「あ、アハハハ‥…‥」と無気力に笑い返した。
何だあいつ?あと、イリスも何で笑ってるんだ?
イリスってお姫様なんだろ?あんな事して、首飛ばないのか?
なにかがオカシイ。‥…‥ん?もしかして?
「実の姉に挨拶はなくて?腕だけじゃなく、脳まで腐っちゃったのかしら?」
「い、いいえ……ご、ごきげんよう。お姉さま……」
やはりと言うべきか‥…‥イリスには、姉という名の害虫がまとわりついてるらしい。
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フォローありがとうございます!! めちゃくちゃ面白いですこのストーリー!続き楽しみにしてます!