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ab.side
朝の光がゆっくり部屋に入ってくる。
キッチンに立っているはずの俺は、まだ半分夢の中みたいで、頭がふわふわする。
コーヒー入れたら目が覚めるかな
ab「あちっ」
コーヒーの香りだけが現実に引き戻してくれる。
ほんのちょっとね。
まだ完全に起きてくれない頭に少しイラっとしてたら、背中にふわっとあったかい気配がくっついた。
mg「…あべちゃん…」
低くて、いつもよりぽわぽわした寝起きのめめの声。
振り返らなくてもわかる。
めめだよね。
なんか今日はひらがなに聞こえるな~
「ふふ おはよ、めめ。今日は自分で起きれたの~?」
えらいね~て褒めて頭を撫でてあげたらもっと肩に顔をうずめたかと思ったら首筋にキスをくれた。
寝起きのめめは髪はちょっと跳ねてて、黒のパジャマは少しずれてた。
目はとろーんとしてて半分しか開いてないみたいで、完全に『寝起きの大型犬』みたいな顔
mg「…あべちゃんがいなかったから…おきた。」
めめは朝起きるのが苦手だから朝はだいたいこんな感じだ。
だけど、この前珍しく起きてたみたいでちょっといじわるされたからちょっといじわるしてみよっかな。
「めめ、寝てたときさ、親指くわえてたよ。」
mg「ん、ううん。阿部ちゃんをずっと抱きしめてたから……多分してない。」
「もう、」
寝起きで頭ふわふわしてるはずなのにこんな時だけ引っかからないんだから。
そんなことを言っためめに更に抱きしめられて何だか自分が照れくさい。
mg「かわいい。」
もっかい。次は頬にキスをしてきた。
めめはまだくっついていたいみたいで、コップを取りに行くときでさえ、
歩くと、歩いた分だけぴったりくっついてくる。
止まると、止まった分だけついてくる。
まるで、おいていかないで、、、って訴えてくる大型犬みたいで愛らしい。
(いつもはあんなにかっこいいのにな~)
今になってちょっと感心していると、コーヒーを入れ終わっていることに気が付いた。
「めめ、コーヒー運ぶからさ、ちょっと離れてほしいな」
mg「…やだ。あべちゃんの後ろがいちばん安心する。」
声もふにゃふにゃで、
カーディガンの袖を軽くつまんでくる手があったかい。
危なくても、
俺もまだどこかぽわぽわしてるから、強く言う気力なんてない。
「今日、現場早いくんでしょ?」
mg「うん…でも、あべちゃんと一緒にいたい…」
その言い方があまりにも甘くて、
胸がじんわりあったかくなる。
運び終わって座ったときも、めめはまだ離れない。
寝起きの体温がそのまま伝わってきて、
なんだかもう、今日はこのままでいい気がしてくる。
「ほら、飲んで。きっと目が覚めるから。」
mg「阿部ちゃんが飲ませて…」
大型犬がと思ったら子供になった。
そう思いながらカップを渡すと、めめは俺の手ごと包むように持って、ゆっくり一口飲んだ。
mg「あべちゃんのコーヒー、すき。」
コーヒーを飲んでもぽわぽわしているめめの笑顔に空気がまた一層和らぐ。
撮影に向かう準備をするまでずっと、めめは俺の後ろをくっついて離れなかったし、俺もなんとなくそれを許してしまう。
ぽわぽわした朝は、一日を始める大事な準備。
fin.
コメント
5件

うー良いですね♪ 大型犬🖤 包まれてる💚 朝から癒されました♪有り難うございます
もう、ありがとうございます😭 大型犬目黒くんが可愛すぎてびっくりしました...笑、あべくんもなんだかんだあべちゃんに甘いの可愛すぎるんですよ〜!!笑 話の終わり方がお洒落すぎて見習いたいです...✨ 素敵な作品をありがとうございました!
あおいです🌷 第5話、拝読しました。 朝のぽわぽわした空気がそのまま文章になってて、読んでるこっちまであったかくなるようなエピソードでした。めめの「阿部ちゃんの後ろがいちばん安心する」ってセリフ、すごく好きです。大型犬みたいな甘え方と、阿部ちゃんがそれを黙って許してしまう関係性がじんわり伝わってきて、ほっこりしました。コーヒーを手ごと包んで飲む仕草とか、細かい描写が日常の愛おしさを切り取ってるみたいで素敵でした。完結してない感じですが、また続きを読めるのを楽しみにしてます📖
410
fura
469
fura
1,918
七瀬⛄️
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