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めりくり! 仲良し御三家
当然のように3人で住んでる。
キャラ崩壊かな?
START
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切っ掛けは何気ない出来事だった。
外の寒さが際立ってきた頃、付けっぱなしなっていたテレビから流れてきたのは季節を先取りしたメロディ。
女性アイドルが楽しげに紹介していたのは、可愛らしい雑貨や置物、それから人気の飲食店。
それらは全て数週間後のクリスマスを楽しむ為のものだったため、どうやら今年も”クリスマス商戦”が始まったようだと考えながら野田はソファの肘置きに凭れるようにして漫然と画面を見ていた。
その隣に座る和中はそもそも興味が無いらしく、眠そうに瞳が閉じかけていた。
そんな中、ただ一人大きな目をきらきらと輝かせて画面を見ているのは小林のみ。
隣でうとうとしている和中の様子に気づないまま、なぁなぁと彼の身体を揺さぶって画面を指さして言う。
小林「すげぇ。壁光りまくってる!面白ぇな〜!えっ、天井からあんなの吊るしたら頭ぶつけちまうだろ」
和中「む、ぅ…?……ぅん…」
眠りの世界へ足を踏みかけていた和中は、小林の言葉をほとんど理解しないまま頷いた。
和中は軽く頭を振り、それでも消えない睡魔に眉を寄せて目元を手で擦っていたが、小林はテレビに視線を向けたまま相手の肩に体重を掛けて寄りかかった。
小林「なぁアレ買おうぜ。んでここに飾ってクリスマスしよ!」
野田「邪魔すぎんだろ、却下じゃ却下ぁ!」
画面に映っている大きなクリスマスツリーに人差し指を向け、弾む声を出した小林の言葉を即座に却下したのは野田である。
えぇ〜、と残念そうな声を出して頬を膨らませる小林に溜め息を吐いた野田は腕を伸ばし、彼の両頬を片手でムニッと挟んで潰した。
プヒュ、と空気が抜ける音と共に唇が尖る様を傍で眺めていた和中は自らの口元を抑えて顔を逸らし、込上がってくる笑いを堪えようとしたが。
小林「いーじゃん。ちゅりー買おーじぇー」
野田に頬を挟まれたままの状態で言葉を紡いだ小林に、耐えきれず吹き出すこととなった。
和中「ッは……!ふふ、やめろばか…っ」
小林「おりぇなんもしてにぇーよ」
和中「ンふ、っ、はは……こっち、見るなッ」
小林「ひぢぇ〜」
頬を挟まれて唇を尖らせたまま不満を口に出す小林に笑いが抑えきれず、視界に入れないようにと顔を背けた和中を追うようにして、あえて顔を近づける小林は故意犯である。
唇を尖らせたままではうまく喋れず、舌足らずな話し方になる事も分かってるくせに。
「しょーいちりょ」
と甘えた声で名を呼ぶのはズルすぎると思いながら、和中は耐えきれず両手で顔を覆った。
和中「くふ、ふふ…ッ、ふは……んぐっ…ふふ……」
野田「あーらら、ツボったな。こうなると長いぜ」
小林「む〜」
顔を手で覆ったまま身体を丸めて笑っている彼に苦笑いした野田は、小林の頬からようやく手を離した。
くふくふと笑い続ける和中の肩に手を置いて引き寄せ、自分の足に凭れかからせるようにしてやれば、和中抵抗もせずに体制を崩して野田の太腿に顔を伏せた。
肩が震えるほどの笑いの波を堪えようとするが上手くいかず、時折咳き込んでさえいる和中につられて小林も笑い、潰さない程度に寄りかかって背中を撫でる。
小林「こうなったらさぁ、ツリー買うしかねぇよな?」
野田「なんでじゃい?!」
小林「ほら、蒼一郎も飾りてぇって言ってるし」
野田「言ってねぇだろ!捏造してんじゃねぇ!」
頭上でテンポよく行われる言葉の応酬によって更に笑いを誘われつつも、どうにか耐えようとしていた和中だが、小林は顔を伏せる和中の身体に腕を回して指を細かく動かす。
和中「ひぐッ!ばっ、か!ふは!やめろ!」
小林「なぁ、ツリー欲しいよな、蒼一郎ぉ?」
和中「あははは!やめ、ッも、やめろ!ゆきぃ!」
小林「一緒にクリスマスしよ!良いだろぉ?」
和中「わか、た!はは!分かったァ、からッ!」
両手の指で脇腹や腹をこしょこしょと擽ってくる小林を避けようと身を捩るも、背後から伸し掛るようにしてしっかりと抱き着いている相手を引き剥がすことは難しい。
結局殆ど抵抗も出来ないまま、和中は顔を必死に振って小林の言葉に頷く事になった。
小林「やったー!2対1ぃ!な、はじめ、クリスマスして良いだろ?」
野田「幸真お前、それはズリィって」
ぜぇぜぇと息を乱し、ソファからずり落ちそうになっている和中を支えつつ背中を摩る。
ここで途切れてるけどなんか終わり。