テラーノベル
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💜「お前が佐久間かー?」
ゆるい声。
なのに、空気は重い。
💜「へえ……可愛い顔してんじゃん」
近づいてくる。
顎に触れられそうになり——
🩷「さわんな!!」
💜「おっと」
軽く笑う。
💜「暴れんなよ。自分の状況わかってる?」
拘束された腕がきしむ。
🩷「……」
💜「暴れたらお前、首チョンパだよ?」
軽い口調なのに、本気だとわかる。
🩷「……勘弁、してください」
悔しい。
でも強がれない。
💜「はは、惨めだな」
その横で、ずっと黙っていた男が口を開く。
💛「お前、回復能力を持っているな」
低い声。
視線だけで押し潰されそうになる。
💛「B組織では名が上がっている」
💛「重傷の仲間がいる」
💛「回復させろ」
🩷「はあああ!?!?」
敵組織の仲間を?
なんで俺が——
💜「え、逆らう気?」
一歩、近づく。
🩷「………」
逃げ場はない。
目の前にいるのは、最強トップクラス。
ここで逆らえば、終わる。
🩷(……やるしかない)
ゆっくり頷いた。
⸻
縛られた片手だけ解かれる。
床に横たわる重傷者。
呼吸が浅い。
手をかざす。
淡い光が広がる。
体の奥が、じわじわと削られていく感覚。
痛みが移る。
息も乱れる。
🩷「はぁ…はぁ……」
視界が滲む。
光が消えたころには、傷は消えていた。
💜「すげええ!!ほんとに治った!!」
💛「……」
一方で、佐久間は膝をつく。
🩷「うっ……はぁ……はぁ……」
立てない。
体が、重い。
💛「かなり消耗するようだな」
💜「自分が犠牲になるタイプねぇ〜」
観察する目。
🩷「もう……いいだろ……はぁ…はぁ…」
🩷「逃してくれ……頼む……」
💜「は?」
一瞬で、空気が冷える。
💜「無理に決まってんじゃん」
しゃがみ込み、目線を合わせる。
💜「今日からお前は——」
💜「俺たちの“戦力”だ」
🩷「……」
💜「拒否ればどうなるか、わかるよな?」
💛「選択肢はない」
心臓が強く鳴る。
🩷(うそだろ……)
声が出ない。
🩷(阿部先生……)
助けて。
でも、その願いが届くはずもない。
薄暗い部屋で、
佐久間の孤独だけが、はっきりと浮かび上がっていた。
つづく。
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