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「おはよう、芽衣。朝から元気ね」
「えへへ、お姉ちゃんの顔見たら元気出ちゃった!」
芽衣が私の腕にぎゅっと抱きつくと、周囲の男性社員たちの視線が一斉にこちらに突き刺さる。
正確には。
私を通り越して、隣で微笑む芽衣に。
慣れっこだ。
私はただの「中継地点」。
彼女を引き立てるための、「額縁」に過ぎない。
「……ごめん。今日、大事な撮影の立ち会いがあるから。先に行ってて」
私はそっと芽衣の手を離し、逃げるようにエレベーターを降りた。
*
午後。
スタジオの空気は、ピンと張り詰めていた。
今日は、大手化粧品ブランドのプロジェクト初日。
メインを担当するのは、業界で「素材の美しさを引き出す天才」と名高い、メイクアップアーティストだ。
「――本日はよろしくお願いします。御子柴です」
スタジオの扉を開けて入ってきた男性を見て、私は、思わず息を呑んだ。